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第9話:「神の烙印と料理の力」
しおりを挟む隠れ谷の長老の間で、緊迫した会議が開かれていた。円卓を囲む長老たちの表情は、いずれも厳しく沈んでいる。その場に天ヶ瀬司とエリシア、グスタフも呼ばれていた。
「魔宴騎士団のマルコが戻ってきたというのは本当か?」
ヨハン長老が声を上げた。昨日の料理バトルから一夜明け、朝早くに届いた知らせが会議の原因だった。
「ええ」
司が頷いた。
「昨夜、彼は一人で隠れ谷の入口に現れました。私と話がしたいと」
「罠ではないのか?」
別の長老が疑念を示した。司は首を横に振った。
「彼は一人で来ました。そして…彼の首筋の烙印はさらに薄くなっていました」
この報告に、長老たちの間でざわめきが起きた。グスタフが前に出て説明した。
「マルコは今、外の小屋で待機しています。エリシアと『放浪の饗宴』の若者たちが監視している。危険はないでしょう」
ヨハン長老は深く息を吸い、決断を下した。
「彼をここへ連れてきなさい。話を聞こう」
---
しばらくして、マルコが会議室に案内された。彼は魔宴騎士団の装束を脱ぎ、代わりに質素な旅人の服装をしていた。その姿は昨日の威厳ある騎士とは大きく異なっていた。しかし最も顕著な変化は、彼の首筋にあった「神の烙印」が、ほとんど見えなくなっていることだった。
「死味のマルコ」
ヨハン長老が冷静な声で言った。
「何の用だ?」
マルコは一礼し、席に着いた。彼の目には、昨日までの冷酷さではなく、何か別の感情—決意と不安が入り混じったもの—が浮かんでいた。
「私は…情報を提供しに来ました」
彼は静かに言った。
「神々のシステム、特に『神の烙印』についての真実を」
司はマルコを真剣な眼差しで見つめた。昨日の料理バトルで、彼の料理がマルコの烙印を薄めたことは確かだった。だが、それが何を意味するのか、まだ完全には理解していなかった。
「『神の烙印』…」
ヨハン長老がマルコに促した。
「話してくれ」
マルコは深く息を吸い、話し始めた。
「この世界のすべての料理人は、生まれた時から『神の烙印』を押されています。それは目に見えない印で、通常は気づくことすらありません」
彼は自分の首筋を手で触れた。
「烙印は、料理人が神々に従順であるよう、無意識のうちに強制するものです。それがあるため、人々は『神への奉納料理』を作り、その『味』を搾取されることに疑問を持たないのです」
長老たちは息を呑んだ。これは彼らも完全には知らなかった真実だった。
「烙印は『料理の才』が強い者ほど強く押されます。そして、神々への反逆を考えた者の烙印は…」
マルコは僅かに震えた。
「…活性化し、激しい痛みで反逆心を打ち砕くのです」
「それではどうやって『放浪の饗宴』のような反逆者が存在するのですか?」
エリシアが尋ねた。マルコは彼女を見た。
「『料理の才』が特別に強い一部の者たちは、烙印の痛みに耐え、自らの意志を保つことができます。それが『禁忌の料理人』と呼ばれる人々です」
グスタフが頷いた。
「そういうことか…多くの料理人が反逆を思いつかないのは、単に気づいていないだけでなく、烙印によって思考そのものが制限されているからなのだな」
「はい」
マルコの表情が暗くなった。
「そして魔宴騎士団の団員には、さらに強力な烙印が押されます。『死の烙印』と呼ばれるもので、これは神々への絶対的な忠誠を約束させるものです」
彼は自分の首に触れた。そこには薄れつつも、まだ微かに残る複雑な紋様が見えた。
「私も…その烙印を押されていました。だが、天ヶ瀬司の料理を口にしてから、烙印が薄れ始めたのです」
彼は司を見つめた。その目には感謝の色が浮かんでいた。
「あなたの料理には、神々の支配を解き放つ力がある。これこそが『神殺しの料理人』と呼ばれる所以なのでしょう」
司は手を見つめた。自分の料理に、そのような力があるとは。
「しかし…」
マルコは続けた。
「烙印が薄れる過程は苦しいものです。神々の支配から解放される時、これまで抑圧されていた記憶や感情が一気に戻ってくるからです」
彼の顔には苦悩の色が浮かんだ。
「私は昨夜、すべてを思い出しました。魔宴騎士団に入る前の記憶を。そして神々への忠誠を誓わされた時の…」
言葉が途切れる。会議室に重い沈黙が流れた。
「マルコ…」
司が静かに声をかけた。
「あなたはなぜ私たちの元に来たのですか?」
マルコは顔を上げ、決意の表情を見せた。
「協力したいからです。神々の支配を終わらせるために」
その宣言に、長老たちの間でざわめきが起きた。元・魔宴騎士団の騎士が、彼らの同志になるというのか?
「信用できるのか?」
ある長老が疑念を示した。マルコは頷いた。
「信用の証として、私は重要な情報を持ってきました」
彼はローブの中から古い羊皮紙を取り出した。
「これは神官長サプライズの執務室から密かに持ち出したものです。『神殺しのフルコース』についての古文書の写しです」
司は息を呑んだ。彼らが探し求めている情報だ。
グスタフが羊皮紙を広げ、記載された文字を読み始めた。
「これは…『神殺しのフルコース』の材料について詳述されている。『青の深海珠』だけでなく、他の材料についても…」
「本物のようだな」
ヨハン長老が言った。彼はマルコを鋭い目で見つめた。
「だが、なぜ魔宴騎士団の騎士がこのような情報を持っているのだ?」
「神官長サプライズは、『神殺しの料理人』の出現を恐れていました。そのため、関連する情報をすべて収集していたのです」
マルコは説明した。
「そして私は…彼の側近として、その情報に接する機会がありました」
「しかし、これを持ち出したことがバレれば、あなたは…」
エリシアが心配そうに言った。マルコは微かに微笑んだ。
「もう戻ることはできません。烙印が薄れた今、神々の支配下に戻れば…私は処刑されるでしょう」
司は真剣な表情でマルコを見つめた。彼は料理の力だけでなく、自らの意志で選択したのだ。神々への忠誠ではなく、真実の側に立つことを。
「マルコ…」
司は静かに言った。
「あなたの協力を感謝します。そして、私はあなたを信じます」
マルコの目が驚きと感謝の色で満たされた。
「天ヶ瀬司…」
ヨハン長老は考え込んだ様子だったが、やがて決断を下した。
「マルコ。あなたの協力を受け入れよう。だが最初の間は、監視下に置くことをご理解いただきたい」
「もちろんです」
マルコは頷いた。
「私にとって大切なのは、神々の支配から人々を解放することです。そのためなら、どのような条件でも受け入れます」
ヨハン長老は満足げに頷き、グスタフに目配せした。グスタフはマルコの持ってきた羊皮紙を広げ、皆に見せた。
「この文書によれば、『神殺しのフルコース』には七つの特別な材料が必要だという。我々はすでに月光蜜柑を手に入れた。次は『青の深海珠』だ」
彼はマルコに尋ねた。
「『青の深海珠』について、追加の情報はあるか?」
マルコは頷いた。
「『蒼穹の渦』は確かに『忘却の島』の近くにあります。だが、そこには海神ポセイディアの護衛、『水晶の守護者』がいると言われています」
「水晶の守護者?」
「海の底に棲む巨大な生物です。『青の深海珠』の守護者として、ポセイディアが任命した存在だと」
司とエリシアは顔を見合わせた。前途は困難が予想されるが、新たな情報は心強い。
「さらに、アクアポリスには魔宴騎士団の監視所があります」
マルコが警告した。
「私が逃亡したことで、おそらく警戒が強化されているでしょう」
「それは厄介だな…」
グスタフが眉をひそめた。司は考え込んだ。
「何か潜入する方法はないだろうか?」
マルコは少し考えた後、提案した。
「私には密かな協力者がいます。アクアポリスの港で『青き星亭』という酒場を営むバーテンダーのブルーです。彼なら助けてくれるでしょう」
「そのブルーという人物は信用できるのか?」
司が尋ねると、マルコは頷いた。
「彼もかつては魔宴騎士団の一員でしたが、私と同じように疑問を持ち、脱走したのです。今では表向きは普通の酒場の主人として生きていますが、裏では『放浪の饗宴』のような反逆者を密かに援助しています」
この情報に、長老たちは顔を見合わせた。
「では、アクアポリスへの潜入計画を立てよう」
ヨハン長老が宣言した。
「司、エリシア、グスタフ、そしてマルコ。四人で『青の深海珠』を求める旅に出てほしい」
四人は頷いた。だが、いくつかの問題も残っていた。
「マルコ、他に知っておくべきことはあるか?」
グスタフが尋ねた。マルコは少し迷った様子だったが、やがて口を開いた。
「一つだけ…魔宴騎士団には、『死味のマルコ』と呼ばれた私の他に、特殊な能力を持つ騎士たちがいます」
彼は指を折りながら説明した。
「『炎の舌ヘルマン』は料理で炎を操る者。『氷の刃フリーズ』は極寒の料理を作り出す。『幻味のイリュージョン』は幻覚を引き起こす料理を得意とする…」
一人一人の特徴を説明するマルコの声は、彼らがいかに危険な敵であるかを物語っていた。
「彼らは必ず『神殺しの料理人』を捕らえようとするでしょう。特に『炎の舌ヘルマン』は…」
マルコの顔に不安の色が浮かんだ。
「…私の親友でした。彼は私の裏切りを許さないでしょう」
司はマルコの肩に手を置いた。
「あなたは勇気ある選択をしたんだ。自分を責める必要はない」
マルコは司を見つめ、静かに頷いた。
「烙印が薄れてから、私はずっと考えていました。料理とは何か、料理人の本当の役割とは…」
彼は自分の手を見つめた。
「料理は神々のためではなく、人々のためにあるべきだと思います。天ヶ瀬司のように」
その言葉に、司の心に強い決意が生まれた。自分の料理には「神の烙印」を解き放つ力がある。それは料理の本来の姿—人々に幸せをもたらすもの—を取り戻す力なのだ。
「私は…料理で世界を変えてみせる」
司の言葉に、全員が静かに頷いた。
---
会議の後、司とマルコは隠れ谷の静かな一角で二人きりになった。マルコは司に「神の烙印」についてさらに詳しく説明していた。
「烙印のシステムは神々の統治の基盤です。それがあるからこそ、料理人たちは疑問を持たず、従順に料理を捧げてきたのです」
「なぜ魔宴騎士団に入ったんですか?」
司の質問に、マルコは遠い目をした。
「私には選択肢がありませんでした。私の『料理の才』があまりにも強かったため、神々は私を放っておけなかったのです」
彼は静かに続けた。
「私が10歳の時、神官長サプライズが村にやってきました。彼は人々の中から『料理の才』を持つ子どもたちを探していたのです」
マルコの表情が険しくなった。
「彼は私の才能を見出し、両親の反対を押し切って私を連れていきました。そして…『死の烙印』を押したのです」
司は言葉を失った。マルコの過去を想像すると、胸が痛んだ。
「しかし、今あなたは自由です」
「はい…あなたの料理のおかげで」
マルコは司を見つめた。
「あなたの料理には不思議な力があります。単に美味しいだけでなく、食べた者の中にある真実を呼び覚ます力が」
「私の『神馳せの饗宴』…」
司は自分の手を見つめた。彼の中にある力は、単なる料理の技術ではない。それは神々の支配に対抗する力、人々を解放する力なのだ。
「『神殺しのフルコース』が完成すれば、この世界のすべての料理人の烙印を解くことができるのでしょうか?」
マルコは頷いた。
「古文書にはそう記されています。七つの特別な材料を使った七品の料理からなるフルコース…それは神々の支配を打ち砕く力を持つでしょう」
司は決意を新たにした。
「必ず完成させます。そして、すべての料理人を解放するんだ」
マルコは微かに微笑んだ。
「私もその力になりたい。あなたの料理人としての使命に」
二人は互いの決意を確認し合い、握手を交わした。かつての敵は今や同志となり、共に神々の支配に立ち向かう決意を固めたのだ。
---
夕暮れ時、隠れ谷の高台で、エリシアは一人空を見上げていた。そこに司が近づいてきた。
「エリシア、何を考えているんだ?」
「司さん…」
彼女は振り返った。その瞳には不安と期待が混ざっていた。
「マルコさんの話を聞いて、私も思い出したんです。両親のことを」
エリシアの両親は「禁忌の料理人」として処刑されていた。
「両親もきっと、『神の烙印』に抵抗していたんですね。だから神々に目をつけられて…」
彼女の声が震えた。司は彼女の隣に座り、静かに言った。
「彼らは勇敢だったんだな」
「はい。だから私も…両親の意志を継いで、神々の支配に立ち向かいたいんです」
エリシアの目に決意の光が宿った。
「私の『料理の才』はまだまだ未熟ですけど、司さんの力になりたい」
司は頷いた。
「君の風を操る力は必ず役に立つよ。これからの旅でも、君の力が必要だ」
エリシアは嬉しそうに微笑んだ。
「アクアポリスまでの旅は大変そうですね」
「ああ。だが、マルコからの情報で、かなり具体的な計画が立てられる」
二人は夕焼けに染まる空を見上げた。明日から始まる新たな旅への期待と不安が入り混じる中、司は静かに誓った。
(この料理の力で、必ず世界を変えてみせる)
彼の決意は、沈みゆく太陽の光のように輝いていた。
---
一方、遥か彼方の「天上の料理台」——料理神七柱の宮殿では、天帝シェフ・ゼウルが激怒していた。
「マルコが裏切ったというのは本当か?」
神官長サプライズは恐る恐る頷いた。
「は…はい。彼の『死の烙印』が薄れたようです」
「『神殺しの料理人』の仕業か…」
ゼウルの声には恐怖と怒りが混ざっていた。
「『青の深海珠』の情報も持ち出されたのか?」
「おそらく…」
ゼウルは拳を打ち下ろした。天上の料理台全体が震えた。
「ポセイディアに連絡せよ。『蒼穹の渦』の警備を強化するよう」
「かしこまりました」
サプライズは急いで退出した。一人残されたゼウルは、遠くを見つめた。
「『神殺しの料理人』め…お前がどこまで進めるか、見ものだな」
彼の顔には不安の色が浮かんでいた。千年の支配が、今、脅かされようとしているのだ。
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