15 / 18
第15話:「独立資金調達、商会設立の夢」
しおりを挟むカレイド市の朝は活気に満ちていた。市場には早くから商人たちが集まり、威勢の良い声が飛び交っている。直樹もその一人として、「マザーの食堂」の仕入れを済ませた後、商人ギルドへと足を向けていた。
ネイル村での毛皮取引と山賊問題の解決から一週間。直樹は今、新たな目標に向かって動き始めていた。「直樹商会」の設立だ。
ギルドの事務所に着くと、ディーンが書類の山と格闘していた。
「おはよう、橘」ディーンは顔を上げて微笑んだ。「ちょうど良いところに来た。毛皮の決算報告だ」
直樹は差し出された書類に目を通した。ネイル村から持ち帰った毛皮25枚は、カレイド市の高級衣料店に適正価格で販売された。経費を差し引いても、十分な利益が出ていた。
「素晴らしい成果だ」ディーンは満足げに言った。「特にネイル村との関係構築は高く評価できる。次回はさらに大きな取引になるだろう」
直樹は頷きながら、自分の取り分を確認した。ギルドの規則により、取引の成功報酬として利益の10%が担当者に支払われる。山賊問題解決の特別報酬と合わせると、直樹の手元には金貨1枚と銀貨30枚ほどが入ることになる。
「ディーンさん」直樹は決心したように言った。「商会設立について相談があります」
「ああ、その話か」ディーンは真面目な表情になった。「アルバート・ギルド長からも聞いている。君は商会設立を本格的に考えているそうだな」
「はい」直樹は力強く頷いた。「これまでの経験と人脈を活かして、独自の商会を始めたいと思っています」
ディーンは椅子から立ち上がり、小さな金庫から書類を取り出した。「これが商会設立のためのガイドラインだ。必要な手続きや資金について詳しく書かれている」
直樹はその書類に目を通した。商会設立には、主に三つの要件があった。第一に最低資本金として金貨5枚、第二に事務所と倉庫の確保、そして第三に商会の事業計画書の提出だ。
「資本金は...」直樹は計算した。「これまでの貯金と今回の報酬を合わせても、まだ金貨2枚ほどしかありません」
「焦ることはない」ディーンは優しく言った。「商会設立は人生の一大事業だ。しっかりと準備をするべきだよ」
「でも、できるだけ早く始めたいのです」直樹は熱意を込めて言った。「この街で、私にしかできない商売があると思うんです」
ディーンは興味深そうに直樹を見た。「それはどんな商売だ?」
「異世界間の価値観の違いを活かした取引です」直樹は説明した。「例えば、ネイル村では単なる原材料として扱われている毛皮を、加工品として付加価値をつける。また、南方での経験を活かし、絹商人組合との独自のルートを構築する。東と南、そしてカレイド市の間に新たな交易の流れを作るのです」
ディーンは感心した様子で頷いた。「壮大な計画だな。確かに、そのような視点は新鮮だ。では、残り3枚の金貨はどうする予定だ?」
「それが相談なのです」直樹は少し緊張した様子で言った。「ギルドの融資制度について教えていただけますか?」
「なるほど」ディーンは理解したように頷いた。「ギルドには確かに会員向けの融資制度がある。ただし、審査は厳しいぞ。特に新設商会への融資は慎重に判断される」
「チャンスはありますか?」
「君の実績を考えれば、可能性はある」ディーンは肯定的に答えた。「南方での交渉、ネイル村での取引、そして山賊問題の解決...どれも高く評価されている。申請書と事業計画書を提出してみるといい」
直樹は感謝の意を示し、早速準備に取りかかることにした。事務所を出る前に、ディーンが一言付け加えた。
「もう一つ、融資以外の方法もある」彼は意味深に言った。「出資者を探すという選択肢だ。君の才能を見込んで投資してくれる人物がいるかもしれない」
直樹はこの提案も心に留め、ギルドを後にした。
---
その日の午後、直樹は市内を歩き回り、商会の拠点となりうる物件を探していた。ギルドの仲介で、いくつかの空き店舗や倉庫を案内してもらった。
「こちらは月に銀貨30枚の賃料です」不動産仲介人が説明した。「市の中心部からは少し離れますが、倉庫と事務所が一体となっており、小規模商会の拠点としては理想的です」
直樹は物件の内部を慎重に調査した。確かに広さは十分で、立地も悪くない。しかし、維持費を考えると、商会が軌道に乗るまでの余裕が必要だ。
他にもいくつかの物件を見て回った後、直樹は最終的に市の東区、ちょうど東門に近い場所にある古い倉庫に興味を持った。建物は少し古いが、修繕すれば十分使えるし、何より賃料が月に銀貨20枚と手頃だった。
「この物件でいきましょう」直樹は決断した。「商会設立が認可されたら、すぐに契約したいです」
仲介人は喜んで仮押さえを受け付けてくれた。場所が決まったことで、直樹の商会設立計画は一歩前進した。
次に向かったのは、馴染みの「マザーの食堂」だった。マーサは直樹の姿を見るとすぐに気づいた。
「あら、橘くん!今日は何だか嬉しそうね」
「はい、商会設立の準備を始めたんです」直樹は興奮を抑えきれない様子で答えた。
「それは素晴らしいわ!」マーサは心から喜んだ。「何か私にできることはある?」
直樹は少し考え、「実は...」と切り出した。「商会の名前について悩んでいるんです。『直樹商会』でいいのか、もっと覚えやすい名前にするべきか...」
「『直樹商会』はシンプルで良いと思うわ」マーサは即答した。「でも、何か象徴的なものがあれば...」
「象徴的なもの?」
「そう、例えば...」マーサは考え込んだ。「あなたの特技である『値切り』に関連した名前とか」
直樹はその提案に目を輝かせた。「『値切りの王商会』...いや、それは傲慢すぎるか」
「『橘交渉商会』はどう?」マーサが提案した。「『交渉』があなたの強みだもの」
「なるほど...」直樹は納得した。「『橘交渉商会』...良い響きですね。考えてみます」
食事を終えた後、直樹は夕暮れの市場を歩きながら、さらに思索を深めていた。商会の名前、事業計画、そして最大の課題である資金調達...全てを一つずつ解決していかなければならない。
そんな時、偶然にもガルド・バロンと出会った。
「ああ、橘!」ガルドは親しげに声をかけた。「東への取引も上手くいったそうだな。山賊を街道警備に変えたというのも聞いたぞ。見事な交渉だ」
「ありがとうございます」直樹は謙虚に答えた。「バロン様のアドバイスのおかげです」
「いや、それは君の才能だ」ガルドは微笑んで言った。「ところで、商会設立の話も聞いている。どんな商会を考えているんだ?」
直樹はガルドに自分の計画を詳しく説明した。異なる地域間の価値観の違いを活かした取引、毛皮と絹を中心とした交易網の構築、そして将来的には異世界経済の橋渡し役になりたいという夢まで。
ガルドは真剣に聞き入り、時折頷いていた。「興味深い構想だ。実現すれば、カレイド市にとっても大きな価値となるだろう」
「ただ、資金面で課題があって...」直樹は率直に悩みを打ち明けた。
「なるほど」ガルドは考え込んだ。「私にも若い頃があった。資金調達は常に起業家の壁だ」
直樹は勇気を出して質問した。「バロン様、もしよろしければ...アドバイスをいただけないでしょうか?」
ガルドは暫く考え込み、やがて決断したように言った。「明日、私の事務所に来なさい。君の事業計画を詳しく聞かせてほしい。もしそれが価値あるものなら...バロン商会として何らかの支援を検討してもいい」
直樹の目が輝いた。「本当ですか?明日必ず伺います!」
ガルドは笑いながら別れを告げた。この予想外の展開に、直樹の心は高鳴っていた。「市場の王」ガルド・バロンが支援を検討してくれるとは!
---
その夜、直樹は宿で夜遅くまで事業計画書の作成に没頭していた。ノートに様々なアイデアを書き出し、収支計画を練り、取引先のリストを整理する。
「初年度は毛皮と絹を中心に...」直樹はペンを走らせながら呟いた。「二年目からは東方の香辛料と南方の染料も扱い始める...」
彼の計画は単なる商品の売買ではなく、異なる地域の文化や価値観を繋ぐ交易網の構築だった。そこには、これまでの旅で学んだ「価値の創造」という理念が根底にあった。
計画書を完成させた頃には、既に深夜を回っていた。明日のガルドとの面談に備え、直樹は少しでも休息を取ろうとベッドに横になった。しかし、興奮と緊張で、なかなか眠りにつけない。
「商会設立...これが値切りの王への次のステップだ」
そう思いながら、彼はようやく眠りについた。
---
翌日、直樹は最高の服装で身を整え、バロン商会を訪れた。立派な建物の前に立つと、改めてガルド・バロンの成功の大きさを実感する。「いつか私も...」という思いが胸に湧いた。
受付で名前を告げると、すぐにガルドの執務室へと案内された。
「やあ、橘」ガルドは温かく迎えた。「時間通りだな。商人として大切な資質だ」
「お時間をいただきありがとうございます」直樹は丁寧に頭を下げた。
「さて、君の事業計画を詳しく聞かせてくれ」ガルドは本題に入った。
直樹は用意した計画書を広げ、橘交渉商会の構想を説明し始めた。毛皮と絹を中心とした交易網、異なる地域の価値観の違いを活かしたビジネスモデル、そして【最強の値切り】スキルを活かした交渉術による差別化戦略。
ガルドは時折質問を挟みながら、熱心に聞き入っていた。彼の鋭い質問は直樹の計画の穴を突くこともあったが、それに対する直樹の誠実で柔軟な回答に、ガルドは次第に満足げな表情を見せるようになった。
「君の計画は野心的だが、実現可能性が高い」ガルドは最終的に評価した。「特に、異なる文化圏を繋ぐという視点は斬新だ。カレイド市にはまだそのような商会がない」
直樹は期待を込めて見つめた。「バロン様、もしよろしければ...」
「決めた」ガルドはきっぱりと言った。「バロン商会として、君の商会に出資しよう。金貨3枚を投資する。その代わり、橘交渉商会の利益の20%をバロン商会に還元してもらう契約だ」
直樹は驚きと喜びで言葉を失った。これは最高の条件だった。彼の手元にある金貨2枚と合わせれば、必要な資本金5枚が揃う。「本当にありがとうございます!」
「ただし」ガルドは真剣な表情で付け加えた。「私は単なる投資家ではなく、パートナーになりたい。時折、助言させてもらうことがあるだろう。そして、君の才能がさらに成長することを期待している」
「もちろんです」直樹は熱意を込めて答えた。「バロン様の知恵は、私にとって何物にも代えがたい財産です」
契約書が作成され、署名が交わされた。これで直樹の商会設立計画は、一気に現実味を帯びてきた。
ガルドとの会談を終え、直樹は興奮を抑えきれない様子で商人ギルドに向かった。アルバート・ギルド長に報告すると、彼も驚きと喜びを示した。
「ガルド・バロンが個人の商会に出資するとは...前代未聞だ」アルバートは感嘆の声を上げた。「彼は君の才能を本当に認めているんだな」
直樹は謙虚に頭を下げた。「これからがスタートです。必ず期待に応えます」
「では、正式な商会設立申請書を提出しよう」アルバートは言った。「資本金の証明、事業計画書、そして場所の契約書...全て揃っているな?」
「はい」直樹は頷いた。「東区の倉庫を契約し、明日から修繕を始めます」
アルバートは満足げに頷き、「橘交渉商会」の設立申請を受理した。審査は形式的なものになるだろう。ガルド・バロンの出資という事実だけでも、商会の信頼性は十分に証明されていた。
---
その週の終わり、直樹は正式に「橘交渉商会」の設立許可を得た。東区の倉庫は急ピッチで修繕され、事務所と小さな商談スペースも設けられた。
開業前夜、直樹は新しい事務所で一人、明日からの船出に思いを馳せていた。これまでの経験、出会った人々、そして乗り越えてきた様々な挑戦...全てが彼をここまで導いてきた。
部屋が金色に輝き、マーケリウスの姿が現れた。
「おめでとう、直樹」商売の神は優雅に頭を下げた。「ついに自分の商会を持つという段階に到達したな」
「あなたの導きのおかげです」直樹は感謝の意を示した。
「いや、これは全て君自身の努力の結果だ」マーケリウスは微笑んだ。「南方での経験、東への旅、そして山賊との交渉...全ての経験が、君を成長させてきた」
直樹は頷いた。「これからも学び続けます。真の値切りの王になるために」
「その心構えこそが重要だ」マーケリウスは言った。「商会はただの組織ではない。それは君の理念と価値観の表現なのだ。『価値を創造する交渉』という君の信念を、商会を通じて世界に広めるのだ」
マーケリウスの姿は次第に薄れていき、最後にこう言い残した。「これからも見守っているぞ。値切りの王への道を進め...」
直樹は決意を新たにし、明日の開業に向けて最後の準備を整えた。彼の商人としての本当の旅は、今まさに始まろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる