日常、そして恋

知世

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出会い

桜乃学園とマシンガントーク

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学園に車で向かう間、僕はこれから通うところについて、パンフレットに載っていたことや、冬お兄ちゃんと秋に聞いたことを、思い出していた。

『私立桜乃学園』

山奥にある、巨大な全寮制学園。
小・中・高エスカレーター式で、小学校時は男女同じだけど、中学校からは別。
日本・海外を支える、大企業の子息諸々が通っている。
それ以外の生徒は、学力特待生3名、スポーツ特待生7名で、1学年計10名のみ。

学園内には、寮、体育館、グラウンド、校舎A棟・B棟、特別棟、部活棟があり、裏山や森も学園の所有地となっている。
広い中庭もあり、いつも綺麗に整備されているらしい。


僕の兄である冬人(ふゆと)と弟である秋人(あきと)の二人は、小学生の時から桜乃学園へ通ってるのに、僕は高校生からなんだ。
どうしてなのか分からないけど、お父さんもお母さんも冬お兄ちゃんも秋も、僕には桜乃学園に行ってほしくないみたい…。何でだろう?
そういえば、中学生の頃、冬お兄ちゃんも秋も通っているのに、僕だけ行けないなんて、仲間外れにされた感じがして嫌で、お母さんに「僕も行きたいな」って話したら、「そんなのダメよ、ダメ!絶対にダメ!春くんを狼の巣窟になんて行かせられないわ!春くん可愛いんだから、あっという間に食べられちゃうでしょう!?」と凄い勢いで猛反対されちゃって…。でも、僕は納得出来なくて、反論したんだ。
「冬お兄ちゃんと秋はいいのに、何で僕だけダメなの?」
あの時、初めて、お母さんに…ううん、人に口答えをした。
今のところ、あれが最初で最後だけど。
お母さんは驚いた顔をした後、急に冷静になって、「冬くんは自分の身は自分で守れるくらいの力を持ってるからよ。秋くんはスポーツをする環境として、あそこが一番良いから渋々通わせているの。本当なら、秋くんもダメなのよ?でも、あの子は将来プロの選手になりたいって本気で説得されたから、夢を叶えられるよう、最善を尽くしているの。それに、秋くんは意外と世渡り上手だし、他の人たちに守ってもらえるのよ。…だけど、春くんは違うわ。春くんは冬くんみたいに自分を守れる力も手段も持ってないし、秋くんみたいに人を使うことが出来ないもの。だから、春くんは行かせられないわ。でもね、大丈夫よ。嫌だけど…。本当に嫌なんだけど、絶対通わないといけなくなるから。高校生になるまでの我慢よ」マシンガントークで説得されて、高校生になったら通えると分かっただけで嬉しかった僕は諦めたんだ。
明日から、桜乃学園に通うことが出来る。
冬お兄ちゃんも秋も、色々お話してくれているけど、一体どんなところなんだろう?どんな人がいるのかな?お友達、ちゃんと出来るといいなぁ。
僕はニコニコ笑いながら、学園とそこに通う人達へ思いを馳せた。

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