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出会い
まずは、友達から『勇気』
しおりを挟む「無駄だろ!」
無駄にデカイ門を見て、思わず突っ込む。
溜め息を吐きたくなった。
…学力特待生として、一般から外部入学したんだが、早まったのかもしれない。
「…金持ちの考えることは分かんねぇな」
門が大き過ぎるのも、たかが門なのに豪華なのも、意味が分からない。理解不能だ。
「あ、そういえば…」
理事長室まで、三年生―生徒会役員の副会長が案内してくれるそうだ。金髪碧眼の王子みたいな人だと聞いている。見たら、すぐに分かる、らしい。
あたりを見回して、確認する。
…まだ来ていないようだ。
約束の時間まで、だいぶ―あと20分あるから仕方ない。むしろ、俺が早く来てしまったんだな。
予定よりも到着時間が早かったことは誤算だった。…人を待つのも、待たせるのも、あまり好きではない。
「あの」
不意に、後ろから声をかけられた。
少しだけ高い、涼やかな透き通った声だ。
話しかけられた方向からして、待ち合わせている人物ではないだろう。
無視は人として良くないから、一応そちらを向く。
そして―俺は全ての動きを止めた。
身動ぎも、瞬きも、呼吸すらも、一切出来なくなっていたんだ…。
澄んだ、大きな瞳。
ほんのりと色付く、頬や唇。
幼さの残る、可愛い…可愛過ぎる顔。
見るからに触り心地が良さそうな、さらさらの髪。
強く抱き締めたら折れてしまいそうなほど、華奢な体。
まるで少女のような、黒髪黒眼の可憐な美少年が立っていた。
彼から、目が離せない。俺は、その場から動けなくなった。
…ただただ、じっと見つめてることしか出来ない。
「えっと、あの…?」
どこか気まずそうな、ちょっと恥ずかしそうな顔をして、戸惑ったような声音で声をかけられ、不安げな瞳をした彼に、上目遣いで見つめられる。
その瞬間、弾かれたように動いていた。
俺は走って彼に近寄ると、その
細い両肩を力強く掴んで―もちろん、痛くないように加減した―真剣に、プロポーズした。
すると、彼は一瞬、ほんの少し困ったように笑った後、真面目な顔で「ごめんなさい。…僕は男なので、結婚出来ません。お友達でお願いします」と言って頭を下げた。
同じ制服を着ているんだから、彼が男なのは分かっている。
たとえ男同士でも海外なら結婚出来る。―この子は知らないのかもしれないが。
…もしかして、俺が女の子だと勘違いしてプロポーズをしたんだと思われてるのか。たぶん、そうなんだろうな。
でもまあ…いきなり「結婚してくれ」はダメだったか。順序を踏まないとな。
彼も友達でと言ってくれていることだし、まずは友達から。
雷に打たれたような、身体中を駆け抜けた衝撃と、筆舌に尽くし難いほどの歓喜を、俺は初めて味わった。
これが所謂『一目惚れ』というやつなんだろう。
春人、これからよろしくな!
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