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第六話 キアーラは困惑する
~~キアーラ視点~~
「キアーラさま。王城から魔法壁の修復依頼が来ております。どういたしましょうか?」
魔法壁とは、魔物から王都を守る魔法の壁のこと。
外周をオーロラのように囲っている。
最近はドクロコウモリの数が増えているので、その攻撃を受けてすぐに傷んでしまうらしい。
知名度を上げるチャンスだわ。
魔法壁の修復は王室の評価対象。
上手くいけば王都新聞に名前が載るわ。
ふふふ。これでギルドの名前が更に売れるじゃない。
「勿論、受けるわ」
聖女ギルド【女神の光輝】は聖女の実力もピカイチなのだから。
見た目だけじゃないことを証明してみせるわ。ふふふ。
私は部下を連れて魔法壁の弱まった箇所へと向かった。
上空には黒い鳥が無数に飛んでいる。
ドクロコウモリね。
鋭い牙で魔法壁を攻撃しているわ。
現場には王都の兵団とともに王都新聞の記者も来ていた。
くくく。ここで活躍すれば更に有名になれるわね。
「アーシャ。出番よ」
「うん」
この銀髪の美少女はアーシャ・ウエイン。
14歳。
万年低血圧のようで、目は常に半開きである。
大人しい性格は男受けが良いらしく、意外にもファンは多い。彼女の 小型肖像画は好評である。
こんな見た目だが、魔力量はギルド一だ。
「ねぇ。地味エマはいないの?」
ああ、イルエマのことね。
「どうして地味子が出てくるのよ。あんな女はクビにしたわよ」
「……そうだったね」
「あなたの魔力量なら、こんな魔法壁、直ぐにでも修復できちゃうでしょ?」
「ま、まぁね。私の魔力ならできるわよ。……ゴクリ」
彼女が詠唱を始めると周囲に強風が吹いた。
「 修復!」
両手から魔力が放出される。
ブォオオオオオオオオオオオッ!!
ふふふ。これで王都新聞の見出しは決定ね。
『女神の光輝、王都の平和を守る!』なんてとこかしら。ふふふ。
しかし、そんな期待を裏切るように、魔法壁は破壊された。
バリィイイイイイン!!
えええええええええええ!?
「ちょ、アーシャ! 破壊してどうするのよ!! 直ぐに治しなさい!!」
「う、うん。じゃあ詠唱から始める」
「早くやりなさい!!」
消滅した魔法壁からドクロコウモリが侵入する。
王城の兵士たちは弓を撃って応戦した。
兵士長は怒鳴る。
「おい! 聖女は何をやっているんだ!?」
「ひぃい! 申し訳ありません! 只今、新しい魔法壁を作りますので!! アーシャ! 早くやりなさい!!」
アーシャは両手を広げた。
「 魔法壁!」
すると、巨大なオーロラが大地から天まで伸びた。
ふぅ。
これでなんとかなったわね。
侵入したドクロコウモリは兵士たちが退治したみたいだし、大事にはいたらなかったわ。
兵士長は大きな嘆息をつく。
「まったく。今回は大きな事故には繋がらなかったから良かったものの。下手をすると死人が出ていたぞ! いい加減な仕事をするんじゃない!!」
「も、申し訳ありません」
彼は新聞記者に向かって指をバッテンにしていた。
「今回は無しだ」
え? し、新聞に載らないってこと?
せっかく私のギルドが活躍したのに?
「兵士長、どういうことでしょうか?」
「どうもこうもあるか! 魔法壁が壊れたことが都民に知れたら混乱を招くだろうが! こんな記事を載せれるわけがない!」
「うう……」
た、確かに……。
でもどうして消滅したのかしら?
「アーシャ。どういうことよ?」
「 修復は魔力量の調整が難しい。私の魔力じゃ強力すぎて破壊してしまう」
「はぁああ? 去年は上手く補修してたじゃない!?」
「それは地味エマがいたから」
「なんで地味子が関係するのよ? あんな魔力量の低い聖女は関係ないでしょ!」
「地味エマは魔力量の計算をしてくれる。私はその数値を狙って魔力を放出すればできた」
えええええええええ!?
「じゃあ、魔法壁を張れたのはどうしてよ!?」
「何もない空間に魔法壁を張るのは簡単。難しいのは 修復」
え?
「……て、ことは。 修復するには一度、魔法壁を取っ払わないといけないってこと?」
「うん」
「バカ! そんなことができるわけがないでしょ!」
一度でも魔法壁を無くせば魔物が侵入してくるのよ。
その都度、兵士が動くなんて、とてもできないわ。
「魔力量の計算はできないの?」
「私じゃ無理。魔力方程式がわからない」
うう。
魔力方程式。
あの数字だからけの難しい計算式ね。
私だってちんぷんかんぷんよ。
あんなのは聖女職の範囲外だわ。
魔力方程式が解ける者……。
魔法数学者を雇おうかしら?
ああ、でも、聖女ギルドに他の職の人間を入れることはできないわ。
と、なれば、
「アーシャ。魔力方程式を勉強しなさい」
「ええええええ! 無理ぃ!」
「わがまま言わない!」
「キアーラが覚えればいいじゃない。私は魔力担当だから」
「わ、私だってね! 依頼者の対応が忙しいんだからね!」
「だったら、もうやらないよ」
うぐっ!
このチビ! 良い気になりやがって!
「クビにするわよ!?」
「したらいいじゃん」
う!
それは困る!
アーシャほどの魔力量は誰も持ち合わせていないわ。
それに、最近の新人は見た目重視だから尚更使い物にならないのよ!
「じょ、冗談よぉおお。あははは」
「ふん!」
うぐぐぐぐぐ!
仕方ないわ。ギルド内で強引に勉強させるしかないわね。
「──と、いうわけで。急遽、魔力方程式の習得が必要になったの。次の依頼までにはなんとか覚えて欲しいのよ」
「「「 え~~~~! 」」」
「お黙りなさい! 習得した者には報酬を出すわよ! 誰か名乗り出る者はいないの?」
しぃ~~~~~ん。
ううううう。
ダメだ。
次の補修依頼が来たら終わってしまう。
「いいからやるのよ! これは命令よ!!」
「「「 は、はぁ…… 」」」
うう!
この覇気のない返事では当てにできないわ。
仕方ない。
私もやるしかないわね。
ああ、数式の勉強なんて絶対に嫌なのにぃい!
――――――――――
【読者の皆様へ】
ご愛読ありがとうございます。
少しでも「面白かった!」と思った方は、
評価を入れていただけると、とてもやる気が出ます。
皆様の応援が、なによりの励みになっております。
お忙しいところ恐縮ですが、少しのお時間をいただければ幸いです。
「キアーラさま。王城から魔法壁の修復依頼が来ております。どういたしましょうか?」
魔法壁とは、魔物から王都を守る魔法の壁のこと。
外周をオーロラのように囲っている。
最近はドクロコウモリの数が増えているので、その攻撃を受けてすぐに傷んでしまうらしい。
知名度を上げるチャンスだわ。
魔法壁の修復は王室の評価対象。
上手くいけば王都新聞に名前が載るわ。
ふふふ。これでギルドの名前が更に売れるじゃない。
「勿論、受けるわ」
聖女ギルド【女神の光輝】は聖女の実力もピカイチなのだから。
見た目だけじゃないことを証明してみせるわ。ふふふ。
私は部下を連れて魔法壁の弱まった箇所へと向かった。
上空には黒い鳥が無数に飛んでいる。
ドクロコウモリね。
鋭い牙で魔法壁を攻撃しているわ。
現場には王都の兵団とともに王都新聞の記者も来ていた。
くくく。ここで活躍すれば更に有名になれるわね。
「アーシャ。出番よ」
「うん」
この銀髪の美少女はアーシャ・ウエイン。
14歳。
万年低血圧のようで、目は常に半開きである。
大人しい性格は男受けが良いらしく、意外にもファンは多い。彼女の 小型肖像画は好評である。
こんな見た目だが、魔力量はギルド一だ。
「ねぇ。地味エマはいないの?」
ああ、イルエマのことね。
「どうして地味子が出てくるのよ。あんな女はクビにしたわよ」
「……そうだったね」
「あなたの魔力量なら、こんな魔法壁、直ぐにでも修復できちゃうでしょ?」
「ま、まぁね。私の魔力ならできるわよ。……ゴクリ」
彼女が詠唱を始めると周囲に強風が吹いた。
「 修復!」
両手から魔力が放出される。
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ふふふ。これで王都新聞の見出しは決定ね。
『女神の光輝、王都の平和を守る!』なんてとこかしら。ふふふ。
しかし、そんな期待を裏切るように、魔法壁は破壊された。
バリィイイイイイン!!
えええええええええええ!?
「ちょ、アーシャ! 破壊してどうするのよ!! 直ぐに治しなさい!!」
「う、うん。じゃあ詠唱から始める」
「早くやりなさい!!」
消滅した魔法壁からドクロコウモリが侵入する。
王城の兵士たちは弓を撃って応戦した。
兵士長は怒鳴る。
「おい! 聖女は何をやっているんだ!?」
「ひぃい! 申し訳ありません! 只今、新しい魔法壁を作りますので!! アーシャ! 早くやりなさい!!」
アーシャは両手を広げた。
「 魔法壁!」
すると、巨大なオーロラが大地から天まで伸びた。
ふぅ。
これでなんとかなったわね。
侵入したドクロコウモリは兵士たちが退治したみたいだし、大事にはいたらなかったわ。
兵士長は大きな嘆息をつく。
「まったく。今回は大きな事故には繋がらなかったから良かったものの。下手をすると死人が出ていたぞ! いい加減な仕事をするんじゃない!!」
「も、申し訳ありません」
彼は新聞記者に向かって指をバッテンにしていた。
「今回は無しだ」
え? し、新聞に載らないってこと?
せっかく私のギルドが活躍したのに?
「兵士長、どういうことでしょうか?」
「どうもこうもあるか! 魔法壁が壊れたことが都民に知れたら混乱を招くだろうが! こんな記事を載せれるわけがない!」
「うう……」
た、確かに……。
でもどうして消滅したのかしら?
「アーシャ。どういうことよ?」
「 修復は魔力量の調整が難しい。私の魔力じゃ強力すぎて破壊してしまう」
「はぁああ? 去年は上手く補修してたじゃない!?」
「それは地味エマがいたから」
「なんで地味子が関係するのよ? あんな魔力量の低い聖女は関係ないでしょ!」
「地味エマは魔力量の計算をしてくれる。私はその数値を狙って魔力を放出すればできた」
えええええええええ!?
「じゃあ、魔法壁を張れたのはどうしてよ!?」
「何もない空間に魔法壁を張るのは簡単。難しいのは 修復」
え?
「……て、ことは。 修復するには一度、魔法壁を取っ払わないといけないってこと?」
「うん」
「バカ! そんなことができるわけがないでしょ!」
一度でも魔法壁を無くせば魔物が侵入してくるのよ。
その都度、兵士が動くなんて、とてもできないわ。
「魔力量の計算はできないの?」
「私じゃ無理。魔力方程式がわからない」
うう。
魔力方程式。
あの数字だからけの難しい計算式ね。
私だってちんぷんかんぷんよ。
あんなのは聖女職の範囲外だわ。
魔力方程式が解ける者……。
魔法数学者を雇おうかしら?
ああ、でも、聖女ギルドに他の職の人間を入れることはできないわ。
と、なれば、
「アーシャ。魔力方程式を勉強しなさい」
「ええええええ! 無理ぃ!」
「わがまま言わない!」
「キアーラが覚えればいいじゃない。私は魔力担当だから」
「わ、私だってね! 依頼者の対応が忙しいんだからね!」
「だったら、もうやらないよ」
うぐっ!
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う!
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アーシャほどの魔力量は誰も持ち合わせていないわ。
それに、最近の新人は見た目重視だから尚更使い物にならないのよ!
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「ふん!」
うぐぐぐぐぐ!
仕方ないわ。ギルド内で強引に勉強させるしかないわね。
「──と、いうわけで。急遽、魔力方程式の習得が必要になったの。次の依頼までにはなんとか覚えて欲しいのよ」
「「「 え~~~~! 」」」
「お黙りなさい! 習得した者には報酬を出すわよ! 誰か名乗り出る者はいないの?」
しぃ~~~~~ん。
ううううう。
ダメだ。
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うう!
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仕方ない。
私もやるしかないわね。
ああ、数式の勉強なんて絶対に嫌なのにぃい!
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