勇者学園の最強先生〜引退した賢者の俺、落ちこぼれ生徒たちを無双させてしまう〜

神伊 咲児

文字の大きさ
5 / 21

第五話 邪悪な教頭

しおりを挟む
──教頭side──

 あーしは勇者学園ブレイブバリアンツの教頭、エゲツナール・ワルサール!
 高い鼻と美しい髭が自慢のイケオジざんすよ。
 この学園は魔王を倒す勇者パーティーを育成する学園ざんすが、あーしにすれば世の中の平和なんてどうでもいいことざんす。
 この学園には王城からの公的資金がたんまり使われているざんすよ。
 世界平和のため、などと声高らかに公言していれば大量の金が流れ込んでくる仕組み。
 最高ざんす! やめられないざんす。ミヒョヒョヒョーーーー!

 どんぐり組は最高のクラスざんす。
 学園内の落ちこぼれを集めていれば勝手に教師がやめていく。
 教師が生徒の攻撃で怪我を負えば公的資金が投入される仕組みになっているざんすよ。ミヒョヒョ。

 教員室にエルフの爆乳エルフ、モーゼリアが入ってくる。
 今日もたっぷんたっぷん揺らしているざんす。いつかはあの乳を揉みしだいてやりたいざんす。
 とまぁ、そんなことより、今日も新しい教師が来たと聞いていますよ。ミヒョヒョ。
 これを利用して彼女をあーしのものにしてやるざんす。

「モーゼリアさん。どんぐり組に新しい教師が来たそうざんすねぇ」
「はい。彼がデインさんです」

 彼女の横には身長170センチ程度の男が立っていた。
 まぁ、どこにでもいてそうな冒険者ざんす。

「デインさん。この方が学園を立ち上げた第一人者。エゲツナール教頭です」
「ども。デイン・クロムザートです。一応、賢者をやっています」

 なんだか冴えない男ざんすね。まったく強そうに見えない。
 どうせ、すぐに病院送りにされるからプロフィールなんて読んでないざんすよ。
 それより、体にダメージを負ってないことから、児童たちとの接触はまだのようざんすね。

「放課後出勤ですか……。まぁ、いいでしょう。明日からはキチンと授業をしていただくざんすからね」
「いえ、デインさんは授業をしてくれましたよ?」
「え?」

 授業をした!?
 今日はミィの悪魔が暴れていると聞いたけど……。
 たまたま自己紹介だけ上手くいったのかな?
 まぁ、いい。彼女には追い込みをかけてあーしのものにしてやるざんす。

「モーゼリアさん。今回は、あーたの強い希望で教師を選任していただきましたがね。今回の教師が病院送りになれば、あーたにも責任はとっていただきますからね!」
「あ、はい。そのつもりです」
「よろしい! では、デイン先生には、明日までにどんぐり組の児童たちに学力テストを受けさせていただくざんす!」

 ミヒョヒョヒョーー!
 どんぐり組の落ちこぼれどもが大人しく学力テストなんか受けるわけがないざんす。
 今回も教師が病院送りになれば、モーゼリアに責任追及して二人きりのディナーにさそってやるざんす!
 そして、あーしの紳士的な態度でメロメロにして……ミヒョヒョヒョーー!! あの爆乳はあーしのものざんす!!

 あーしがミヒョヒョとほくそ笑んでいると、デインは四枚の紙切れをヒラヒラさせたざんす。

「一応、どんぐり組の四人には学力テストを受けてもらいました。でも、授業ができてないので学力はバラバラですね。今後は実技同様にしっかり学力の授業もしていくつもりです」
「へ………………?」
「あ、ですから、しっかり授業を進めていくと……」
「が、が、学力テストを受けたって……? ど、どういことざんす?」
「え? そのままの意味ですが?」

 と、四枚のテスト用紙をあーしに見せる。
 そこにはどんぐり組の児童たちの名前がしっかりと書かれていた。

「なにぃいいいい!? バ、バカな! あのクラスにはマイカがいます! 彼女が大人しく学力テストを受けるとは思えないざんす!」
「ははは。まぁ、ちょっと癖はありますけど、素直でいい子ですよ」
「いい子なわけないざんしょ! 三人の教師を病院送りにしている極悪児童ざんす!」
「いやぁ。そうでもないですよ。マイカはちょっとツンケンしてますが、根は優しい子ですね。その証拠に、帰る時はミィと手を繋いで帰ったんですよ。あいつ、クラスでは一番年上なので年下の面倒を見てくれてるみたいですね」

 バ、バカな……。
 信じられないざんす……。
 ど、どーせ、たまたま学力テストだけ上手くいっただけざんしょ。そうに決まってる。

「明日は実技のテストを受けてもらうざんす! これができなければあーたはクビ! モーゼリアさんには責任をとっていただくざんす!」
「ああ、だったらそれも済みましたよ」

 ミヒョヒョヒョ。これで彼女をディナーに誘って──。

「って……。い、今、なんて言いました?」
「え? だから、実技テストも終わったと」
「なにぃいいいいいいいいいいいい!? どうやってぇえええ!?」
「ははは。まぁ、ちょっとバトルしましたが、彼女らには怪我がないようにしましたよ」
「か、勝ったのですか?」
「え? あ、はい……。子供相手ですからね」

 バカな……。
 今まで十人の教師が病院送りになっているざんすよ?
 教師に選ばれたのはそれなりに腕に自身がある冒険者たちざんす。
 手がつけられないおちこぼれをこの男が手なづけた……?
 ま、まぁ、いいざんす。あのクラスには悪魔つきのガキがいるざんすからね。
 ククク。ミィの悪魔が発動すればデインは終わりざんす。

「デイン先生はすごいんですよ! ミィさんの呪いもあっという間に封印してしましましたからね!」

 なにぃいいいいいいいいい!?
 ミィまで手なづけるとは一体……。

「アッシュはいないんですか?」
「ア、アッシュ校長は出張でしばらく帰ってきません。よって、学園のトップはあーしざんす」
「そうですか。久しぶりに会いたかったんですけどね」

 アッシュ校長を呼び捨てにするなんて……。この男、何者ざんすか?
 とりあえず、教頭の威厳だけはアピっておかなければなりません。

「いいですかデイン先生! どんぐり組は無級の落ちこぼれざんす! 一週間後にはランク試験を受けていただくざんす! それに落ちたら生徒たちは落第ざんす! デイン先生、あーたもクビです!」

 さぁ、絶望するざんす!
 あーたの手綱を握っているのは教頭のあーし
 クビになりたくなかったら泣いて土下座するざんす!

 あーしの思惑とは裏腹に、デインは清々しい笑顔を見せた。

「望むところですよ。俺はあいつらを最強の勇者パーティーに育てるつもりです。必ず、学徒S級にしてみせますよ」

 なんなんだこいつぅうううううううううう!!
 モーゼリアともやたらと親しいしぃいいいいいいいいいい!!

 あーしはデインのプロフィールを読んだ。

「ぐぬううううッ!! 元勇者アッシュのパーティーに参加していた賢者だとぉおおおおおおおおお!?」

 だから、モーゼリアともあんなに親しくしていたのか。
 とんでもない男がこの学園に来たざんす!


  *  *  *


──デインside──

 俺は明日からの授業計画を練っていた。
 一週間後に控えるランク試験では、なんとしてもあいらに合格してもらわなければならない。
 明日からはモーゼリアの補助もなくなるしな。
 俺がしっかりとあの子らを鍛えてやらなくちゃ。

「あのデインさん……。やる気が出ているところに申し訳ないのですが……」

 と、モーゼリアがファイルを持ってきた。
 そのファイルのタイトルには『生徒の健康状態』と記されている。

「王城に生徒の健康状態を通知する必要があるんですけどね」

 そういえば、この学園は国費で運営されているんだったな。
 なら、王城に生徒の近況報告をするのは当然か。その中に健康状態も入っているのだろう。

「どんぐり組はやんちゃな子ばかりだったので、身体検査の数値が取れていなかったのです」
「ははは。あいつららしいな。いいよ。俺が説得して受けさせてやるから」
「あ、いえ……その……」

 なんだか、モーゼリアの言葉が詰まる。

「なんだよ? 心配すんなって。俺ならなんとか説得できるからさ」
「いえそうじゃなくて。高等部と中等部は専門医に身体検査をやってもらうんですけどね」
「ああ。それがどしたよ?」
「小等部は担任がすることになっているんですよ」

 え……!?

「待て待て。それって……」
「はい。デインさんがあの子たちの身体検査をすることになるんです」
「あの子らは女の子だぞ?」
「はい……。それでも小等部はそうなっているんです。デインさんがやらなければエゲツナール教頭から解雇通告されると思います」

 うわぁ、あの教頭なら言い出しそうだな。
 じゃあ、俺が女児生徒たちの身体検査をせんといかんのか……うーーん。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

学生学園長の悪役貴族に転生したので破滅フラグ回避がてらに好き勝手に学校を魔改造にしまくったら生徒たちから好かれまくった

竜頭蛇
ファンタジー
俺はある日、何の予兆もなくゲームの悪役貴族──マウント・ボンボンに転生した。 やがて主人公に成敗されて死ぬ破滅エンドになることを思い出した俺は破滅を避けるために自分の学園長兼学生という立場をフル活用することを決意する。 それからやりたい放題しつつ、主人公のヘイトを避けているといつ間にかヒロインと学生たちからの好感度が上がり、グレートティーチャーと化していた。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...