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第3章 何でも跳ね返す巨大な盾

本当に跳ね返った!?

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「アップルトルネード!!」
アップルの放った竜巻は、途轍もなく小さかった。草がさわさわと音を立てる程度だ。
「肩でも痛めたのか?」
「私まだ17歳ですけど!?⋯⋯って、そうではなくて、今のは1万分の1の威力に抑えたのです」
そんなこともできるのか。便利だな。
「あの、無言でこっち見るのやめてもらえませんか?」
「悪い。ついクセで⋯⋯」
「人をジロジロ眺めるクセがある国王ってどうなんですか?」
などと話していると、城の方へ着いた竜巻は吸い込まれる様に消えてしまった。
「竜巻、消えちゃいましたね~」
「ということは、中に救世主メシアはいない?⋯⋯だとしたら、悪いことをしてしまいましたね」
「ああ、怪我人がいないといいのだが」
「それあなたが言います?」

その時、城の方から竜巻の近づいてくる音が聞こえた。間違いない、アップルトルネードの音だ。
しかし、さっきよりも音が大きい。威力が増しているのか?
「え~!?そんな、時間差ですか~?」
「私が出したものです。責任持って私が始末します。2人は下がって!」
アップルは素早く木に登ると、枝を踏み台にして竜巻の上まで跳んだ。
「必殺!りんご投げ!!」
竜巻に向かって凄まじい速さでりんごを投げると、竜巻は上から真っ二つに割れ、消えた。
「見事なり、アップル」
「もとはと言えば陛下のせいでしょう!?」
「で、でも、これで中に救世主がいることが分かりましたね~」
「ああ。呼んだら出てきてくれるだろうか?⋯⋯おーい!先程の竜巻を跳ね返した者ー!こっちに来てくれー!」
「いやいや、そんなんで来るわけな⋯⋯」
「は~い!今行きま~す!!」
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