サラブレ

山瀬ハル

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プロローグ

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 9歳の夏、両親が殺された。

 その日は一段と暑い日で、晴天だった。父さんが早く帰ってくるから、晩御飯は豪華にしようと母さんが嬉しそうに話していた。


 学校の帰り道、家が見えたところでスーツの男性が俺の家に入っていくところが見えた。母さんの知り合いかな、と思いながらもなんとなく違和感を感じたのを覚えている。母さんの泣き叫ぶような声と父さんの怒っているような声が同時に聞こえ、間もなく静かになった。
 
 セミの声がやけに頭に響いていた。感情も考えも追いつかないのに、ただ汗が物凄く出て体が全く動かなかった。


 スーツの男が玄関から出てくるのが見えた。あぁ、俺も何かされるのかなと思った瞬間、誰かに手を引かれた。

 助けてくれたのは、中学生くらいの綺麗なお姉さんだった。施設を紹介してくれ、費用なんかの支援も沢山してくれた。一体どこからそんなお金が出てきていたのだろうと今となっては不思議だが、とにかくその人には感謝してもしきれない。


 後々、この国では北政府と南政府で対立していて、俺の両親は昔から南政府を守ってきた少数民族であるから北政府に命を狙われたこと、お姉さんも同じ境遇であること、南政府の軍に入ると北政府に復讐ができるということを知った。軍に入るには2年間の訓練が必要で、13歳から訓練を受けることができ、当時お姉さんは訓練中だった。俺はお姉さんのあとを追い、軍に入り復讐することを誓った。


 そして今日、あの日に負けないほどの晴天の中、俺は訓練期間を終えようとしている。明日から一人前の兵士としてこの国に命を捧げる。見てろよ、母さん、父さん。俺の選んだ生き方を。
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みんなの感想(1件)

花雨
2021.08.09 花雨

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2021.08.09 山瀬ハル

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解除

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