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第九章
10.目障りだ【3】
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あの後いつの間にか意識が沈み、再び私は目が覚めました。
今度はきちんと身体も起きたので、おかしな感覚はありません。──それでも。
「夜……ですね」
ポツリと呟いた私の言葉に、反応してくれる人は誰もいませんでした。
今は皆が寝静まっている深い夜のようで、珍しくヴォルも私の隣で眠ったままです。聞こえるのは波の音だけで、人の動くような音はしませんでした。勿論ヴォルやベンダーツさんのように気配を察する事は私には出来ません。
いつも安定の抱き枕状態な私ですが、少しだけ身体を捻って振り返り──何度見ても見飽きる事のない綺麗な顔をしているヴォルを確認してみました。
普段は私が目覚めた時に起きているので、ヴォルの寝顔は片手で数える程しか見た事がありません。起きると背後から起床の挨拶をされるのが定番でした。それなので、非常にレアな寝顔なのです。
隣で一緒に寝ているのにとツッコまれそうですが、残念ながら私の素早さが足りないようでした。──ちなみにベンダーツさんの姿は見えません。推測するに、隣の別室で休んでいるのでしょう。
それにしても暇でした。──眠れません。
勿論散々寝たからですけど、私はいつでも何処でも寝られるという特性を持っているのです。そんなものと言われようが、唯一の特技でした。
それなのに眠れないのです。悲しい気もしますが、実際にはそれ程悲観的になっている訳でもありませんでした。
等々と一人で悶々と考えていましたが、やはり誰も構ってくれないので起きてしまいましょう。ソッと──静かに。
抱き締められている腕を外してもヴォルが起きませんでした。本当に珍しいです。
そして私の起き上がる震動でヴォルが目覚めてしまうかもと思いましたが、不思議と彼は深い眠りの中にいるようでした。更には顔を覗き込んでも起きないのですから、逆に心配になってしまいます。
さて、そうして起き上がったところで──当たり前ですが、特にする事がありませんでした。ですので、とりあえず窓の外を覗いてみる事にします。
天候が悪かったり寒かったりしない限りは、この窓用の木戸を閉じる事はないようでした。外に出れば肌寒い空の下も、こうして窓から眺める分には全く支障はありません。
そしてそこには先程ヴォルと一緒に見た時と変わらない、凄くたくさんの星がありました。
彼と外に出た時も思いましたが、今日は月明かりが全くありません。その分、余計に星がたくさん見えるようでした。
でも──やはり一人はつまらないです。
とはいっても、同じ部屋には寝てはいますがヴォルがいました。そして恐らく、壁一枚隔てた向こう側にベンダーツさんもいます。
それなのに、寂しいと思うのは自分の事ながら理解出来ませんでした。こんなにも構ってさんではなかった筈なのですけれど、今の私はダメなようです。
私は再びベッドに潜り込みました。
ソッと静かに、ヴォルの腕を自分に乗せてみます。──物凄くホッとしました。欠けていた何かが、ピタリと型に合わさったようにです。
私の居場所はここなのだと、身体が、心が告げているようでした。
そして私は静かに目を閉じます。
睡魔が来なくても良いと思えました。私がここに、居たいのですから。
今度はきちんと身体も起きたので、おかしな感覚はありません。──それでも。
「夜……ですね」
ポツリと呟いた私の言葉に、反応してくれる人は誰もいませんでした。
今は皆が寝静まっている深い夜のようで、珍しくヴォルも私の隣で眠ったままです。聞こえるのは波の音だけで、人の動くような音はしませんでした。勿論ヴォルやベンダーツさんのように気配を察する事は私には出来ません。
いつも安定の抱き枕状態な私ですが、少しだけ身体を捻って振り返り──何度見ても見飽きる事のない綺麗な顔をしているヴォルを確認してみました。
普段は私が目覚めた時に起きているので、ヴォルの寝顔は片手で数える程しか見た事がありません。起きると背後から起床の挨拶をされるのが定番でした。それなので、非常にレアな寝顔なのです。
隣で一緒に寝ているのにとツッコまれそうですが、残念ながら私の素早さが足りないようでした。──ちなみにベンダーツさんの姿は見えません。推測するに、隣の別室で休んでいるのでしょう。
それにしても暇でした。──眠れません。
勿論散々寝たからですけど、私はいつでも何処でも寝られるという特性を持っているのです。そんなものと言われようが、唯一の特技でした。
それなのに眠れないのです。悲しい気もしますが、実際にはそれ程悲観的になっている訳でもありませんでした。
等々と一人で悶々と考えていましたが、やはり誰も構ってくれないので起きてしまいましょう。ソッと──静かに。
抱き締められている腕を外してもヴォルが起きませんでした。本当に珍しいです。
そして私の起き上がる震動でヴォルが目覚めてしまうかもと思いましたが、不思議と彼は深い眠りの中にいるようでした。更には顔を覗き込んでも起きないのですから、逆に心配になってしまいます。
さて、そうして起き上がったところで──当たり前ですが、特にする事がありませんでした。ですので、とりあえず窓の外を覗いてみる事にします。
天候が悪かったり寒かったりしない限りは、この窓用の木戸を閉じる事はないようでした。外に出れば肌寒い空の下も、こうして窓から眺める分には全く支障はありません。
そしてそこには先程ヴォルと一緒に見た時と変わらない、凄くたくさんの星がありました。
彼と外に出た時も思いましたが、今日は月明かりが全くありません。その分、余計に星がたくさん見えるようでした。
でも──やはり一人はつまらないです。
とはいっても、同じ部屋には寝てはいますがヴォルがいました。そして恐らく、壁一枚隔てた向こう側にベンダーツさんもいます。
それなのに、寂しいと思うのは自分の事ながら理解出来ませんでした。こんなにも構ってさんではなかった筈なのですけれど、今の私はダメなようです。
私は再びベッドに潜り込みました。
ソッと静かに、ヴォルの腕を自分に乗せてみます。──物凄くホッとしました。欠けていた何かが、ピタリと型に合わさったようにです。
私の居場所はここなのだと、身体が、心が告げているようでした。
そして私は静かに目を閉じます。
睡魔が来なくても良いと思えました。私がここに、居たいのですから。
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