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1516 回復の答え
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右の中段蹴りがミルコの腹にめり込む!体がくの字に折れたところを、右肘を振り上げて顎を打ち上げる!吐き出された血に混じって、折れた歯が宙に飛び散った。
振り上げた右手で硬く拳を握り締め、そのままミルコの左肩へと振り下ろす!拳がめり込む感触から、鎖骨をへし折った確信を得る。そのまま一呼吸も置かずに左下段蹴りで右膝を折る、上体が前方に崩れたところに右の拳を突き上げて腹を抉る!
レイチェルの限舞闘争が始まって一分が経過した。
繰り出した拳と蹴りは優に百を超え、その全てをミルコに浴びせた。
全身の肉を裂き、骨を砕かれ、もはや戦う事は不可能だろう。いや、戦闘どころではなく、死んでいてもおかしくない。それだけのダメージを与えたのだ。
普通ならばここで攻撃を止めていいだろう。だがこれだけ追い詰めても、レイチェルは攻撃の手を緩めなかった。
なぜならこれだけの打撃を浴びせてなお、ミルコには戦う力が残っているからだ。
・・・なるほど、本当にふざけた回復力だ。だがこれは・・・・・
「ハァァァァァーーーーーッツ!」
胴体に左右の拳を十数発まとめて叩き込む!そのまま左足を軸に体を後ろに回し、右の踵でミルコの顔面を蹴り抜いた!
頬骨を砕いた確かな手応え、ミルコの両足は地面を離れ、そのまま背中から地面に落ちるかと思われた。
だが・・・
「・・・・・ふ、くははははは・・・・どうした?それで、終わりか?」
ミルコは倒れなかった。ぐっと上半身を起こし、後ろ足で地面を叩くように踏みつけて体を残した。
ゆらりと上体を起こし、赤く光る目でレイチェルを見る。
鼻は潰され、頬骨は砕かれ、顎は割られているはずなのに、笑ながら一つ一つハッキリと言葉を口にする。膝も確かに蹴り砕いた、普通に考えれば立っていられるはずがない。しかし両足でしっかりと体を支えて立っている。レイチェルの目に映るミルコは血まみれだった。だがまるでダメージが見えなかった。
「・・・だいたい分かったぞ。お前のその異常な回復力、ヒールや魔道具による肉体の回復ではないな?」
「へぇ?・・・なんでそう思う?」
レイチェルは冷静だった。
弦舞闘争でもミルコを倒せないかもしれない事は、想定していた事だった。
首を斬り裂いても立ち上がるのだから、不死身に近いなにかを持っているのだろう。
ならばその謎を解く事に思考を費やしたのだ。
そして攻撃を加えながら、ミルコの状態を観察し、一つの答えを導き出した。
「お前は攻撃を受けた瞬間は確かにダメージを受けていた。だがものの数舜でダメージが無くなっているんだ。ヒールや魔道具による治癒であれば、傷の治りが見える。だがお前には治癒の経過が無かった。腫れた頬も、切れた肌も、徐々に治るのではなく一瞬で元通りになっていた。これは回復ではない。ダメージそのものが無かった事になっている。そう考えると納得できた」
レイチェルの推測を、ミルコは黙って聞いていた。
そしてレイチェルが言い終えると、ニヤニヤと軽薄な笑みを浮かべながら両手を打ち合わせ、自分達から一定の距離をとって戦いを見ていた紫色の髪の魔法使い、エディスに顔を向けて声を上げた。
「おいエディス、この女すげぇぞ!俺らの秘密にけっこう近づいてるわ!」
「・・・ふふふふふ、そうね。すごい洞察力だわ。ダメージを無かった事にしていると言うのは、当たらずしも遠からずってところね」
ミルコの話しを向けられたエディスは、ニッコリと笑みを見せると、一歩一歩ゆっくりと前に歩き出した。
「あんたの考えているとおり、ミルコの傷は回復魔法で治しているわけじゃないわ。飛ばしてるのよ」
「飛ばす?」
レイチェルが言葉をそのまま聞き返すと、エディスは笑みを浮かべたまま淡々と説明を始めた。
「ええ、そうよ。自力でここまで言い当てたから、特別に教えてあげるわ。どうせ分かったところで、どうする事もできないからね」
そう言ってエディスは深紅のローブから、直径十センチ程の赤黒く光る玉を取り出した。
「っ!?お前、それは・・・」
水晶玉のようだが、エディスがソレを取り出した途端、レイチェルの背中にゾッとするものが走った。
なんだ、あの玉は?あの赤黒い光、炎か?炎があの玉の中で燃えているのか?
それにこの寒気のするプレッシャーはなんだ?こんなもの初めてだ。
あの玉は、いったい・・・・・
「うふふふふ・・・その顔、この玉の力を感じ取ったみたいね?これこそ私の魔道具、復讐の水晶よ。今あんたがこの玉から感じているプレッシャーは、あんたの力なのよ」
困惑するレイチェルを見て、エディスはニヤリと口を持ち上げ、見せつけるように水晶を突き出した。
「私の力、だと?どういう意味だ?」
「クスクス、言葉通りの意味よ。この水晶の中で燃えている炎は、あんたがミルコに与えたダメージなの。ミルコの受けたダメージは全て、この水晶の中に飛ばして閉じ込めているのよ!」
水晶の中で燃える赤黒い炎が、レイチェルを威圧するように強く激しい光を放った。
振り上げた右手で硬く拳を握り締め、そのままミルコの左肩へと振り下ろす!拳がめり込む感触から、鎖骨をへし折った確信を得る。そのまま一呼吸も置かずに左下段蹴りで右膝を折る、上体が前方に崩れたところに右の拳を突き上げて腹を抉る!
レイチェルの限舞闘争が始まって一分が経過した。
繰り出した拳と蹴りは優に百を超え、その全てをミルコに浴びせた。
全身の肉を裂き、骨を砕かれ、もはや戦う事は不可能だろう。いや、戦闘どころではなく、死んでいてもおかしくない。それだけのダメージを与えたのだ。
普通ならばここで攻撃を止めていいだろう。だがこれだけ追い詰めても、レイチェルは攻撃の手を緩めなかった。
なぜならこれだけの打撃を浴びせてなお、ミルコには戦う力が残っているからだ。
・・・なるほど、本当にふざけた回復力だ。だがこれは・・・・・
「ハァァァァァーーーーーッツ!」
胴体に左右の拳を十数発まとめて叩き込む!そのまま左足を軸に体を後ろに回し、右の踵でミルコの顔面を蹴り抜いた!
頬骨を砕いた確かな手応え、ミルコの両足は地面を離れ、そのまま背中から地面に落ちるかと思われた。
だが・・・
「・・・・・ふ、くははははは・・・・どうした?それで、終わりか?」
ミルコは倒れなかった。ぐっと上半身を起こし、後ろ足で地面を叩くように踏みつけて体を残した。
ゆらりと上体を起こし、赤く光る目でレイチェルを見る。
鼻は潰され、頬骨は砕かれ、顎は割られているはずなのに、笑ながら一つ一つハッキリと言葉を口にする。膝も確かに蹴り砕いた、普通に考えれば立っていられるはずがない。しかし両足でしっかりと体を支えて立っている。レイチェルの目に映るミルコは血まみれだった。だがまるでダメージが見えなかった。
「・・・だいたい分かったぞ。お前のその異常な回復力、ヒールや魔道具による肉体の回復ではないな?」
「へぇ?・・・なんでそう思う?」
レイチェルは冷静だった。
弦舞闘争でもミルコを倒せないかもしれない事は、想定していた事だった。
首を斬り裂いても立ち上がるのだから、不死身に近いなにかを持っているのだろう。
ならばその謎を解く事に思考を費やしたのだ。
そして攻撃を加えながら、ミルコの状態を観察し、一つの答えを導き出した。
「お前は攻撃を受けた瞬間は確かにダメージを受けていた。だがものの数舜でダメージが無くなっているんだ。ヒールや魔道具による治癒であれば、傷の治りが見える。だがお前には治癒の経過が無かった。腫れた頬も、切れた肌も、徐々に治るのではなく一瞬で元通りになっていた。これは回復ではない。ダメージそのものが無かった事になっている。そう考えると納得できた」
レイチェルの推測を、ミルコは黙って聞いていた。
そしてレイチェルが言い終えると、ニヤニヤと軽薄な笑みを浮かべながら両手を打ち合わせ、自分達から一定の距離をとって戦いを見ていた紫色の髪の魔法使い、エディスに顔を向けて声を上げた。
「おいエディス、この女すげぇぞ!俺らの秘密にけっこう近づいてるわ!」
「・・・ふふふふふ、そうね。すごい洞察力だわ。ダメージを無かった事にしていると言うのは、当たらずしも遠からずってところね」
ミルコの話しを向けられたエディスは、ニッコリと笑みを見せると、一歩一歩ゆっくりと前に歩き出した。
「あんたの考えているとおり、ミルコの傷は回復魔法で治しているわけじゃないわ。飛ばしてるのよ」
「飛ばす?」
レイチェルが言葉をそのまま聞き返すと、エディスは笑みを浮かべたまま淡々と説明を始めた。
「ええ、そうよ。自力でここまで言い当てたから、特別に教えてあげるわ。どうせ分かったところで、どうする事もできないからね」
そう言ってエディスは深紅のローブから、直径十センチ程の赤黒く光る玉を取り出した。
「っ!?お前、それは・・・」
水晶玉のようだが、エディスがソレを取り出した途端、レイチェルの背中にゾッとするものが走った。
なんだ、あの玉は?あの赤黒い光、炎か?炎があの玉の中で燃えているのか?
それにこの寒気のするプレッシャーはなんだ?こんなもの初めてだ。
あの玉は、いったい・・・・・
「うふふふふ・・・その顔、この玉の力を感じ取ったみたいね?これこそ私の魔道具、復讐の水晶よ。今あんたがこの玉から感じているプレッシャーは、あんたの力なのよ」
困惑するレイチェルを見て、エディスはニヤリと口を持ち上げ、見せつけるように水晶を突き出した。
「私の力、だと?どういう意味だ?」
「クスクス、言葉通りの意味よ。この水晶の中で燃えている炎は、あんたがミルコに与えたダメージなの。ミルコの受けたダメージは全て、この水晶の中に飛ばして閉じ込めているのよ!」
水晶の中で燃える赤黒い炎が、レイチェルを威圧するように強く激しい光を放った。
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