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【177 諦めない精神】
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ジャーゴルは撃ち続けた。
放った爆裂弾はすでに百発を超えているが、それでも撃ち続けた。
当初は弟ジャーガル・ディーロの仇討が目的だったが、もはやそれだけではなかった。
不意を突き、生殺与奪は完全に自分のものになるはずが、思いもよらぬ反撃を受け、仲間を四人も殺されたあげく、ジャーゴル自身も重症を負わされた。
ジャーゴルは蓄積された怒りを全て吐き出すかのように、爆裂弾を撃ち続けた。
ジャーゴルの放った爆裂弾が三百を数えた頃、ようやくジャーゴルは撃つ手を止めた。
重症を負った体で、灼炎竜を出し、三百もの爆裂弾を連射した事で、さすがに息が上がっていた。
魔法が消されなかったという事は、魔封塵は間に合わなかったという事。
それはつまり、二人の死を意味していた。
ジャーゴルは己の中のうっ憤が晴れていく感覚に、思わず笑い声をもらした。
笑いは止まらなくなり、ジャーゴルを中心に森の中に笑い声が響いた。
三百の爆裂弾が起こした大きな土煙が少しづつ風に流され晴れていく・・・
ひとしきり笑った後、始末した標的の無残な姿でも見てやろうと、目を向けた先で、ジャーゴルは驚愕に表情が固まった。
「・・・な・・・そんな、バカな・・・なぜだ?なぜ生きている!?」
土煙が晴れた先・・・三百の爆裂弾が着弾した場所で、始末したはずの二人は生きていた。
二人とも服はボロボロに破れ、身体中が血と埃にまみれ赤黒く染まっていた。
エディは力なくジャニスの体に寄りかかっている。意識はないように見える。
だが、あれだけの数の爆裂弾の直撃を受けたならば、
四肢が吹き飛び、人としての原型を留めていなくてもおかしくないはずが、二人とも五体満足で生き残っていた。
状況が呑み込めず、ただ唖然としているジャーゴルを、ジャニスはコケにするように鼻で笑い口を開いた。
「私のヒールが上だったようね」
「な!・・・まさか!?」
ジャーゴルの爆裂弾でエディが意識を失った後、ジャニスがとった行動はヒールをかけ続ける事。
意識を失ったエディが、このまま爆裂弾が終わるまで耐えられるはずがない。
魔封塵を使ったとして、このいつ終わるとも分からない爆裂弾の嵐を防ぎきれるとも思えない。
ジャーゴルの爆裂弾に、ジャニスは真っ向から戦いを挑んだ。
ジャーゴルが爆裂弾を撃ち終えるまで、エディと自分にヒールをかけ続ける。
右手はエディに、左手は自分の胸に当て、ジャニスは全力でヒールをかけ続けた。
ほとんどの弾はエディに当たったが、ジャニスも無傷という訳にはいかなかった。
ヒールは怪我を治す魔法であり、ダメージを軽減できるわけではない。
肩に足に、被弾する度にジャニスを激痛が襲うが、覚悟を持って受けた爆裂弾で体勢を崩す事も、意識を失う事もなかった。
終わりの見えない爆裂弾の嵐と、諦めないジャニスのヒール。
そして、生きる事を諦めないジャニスの精神力がジャーゴルを上回った。
ジャーゴルは驚愕していた。
自分が放った三百発程の爆裂弾、それをヒールをかけ続ける事で全て受け切るという常識の外、とても正常とはいえない方法で切り抜けたのだ。
頭では理解できたが、あまりに想定外の事態に、体が反応し次の行動にでるまで僅かに時間を要した。
「はぁ~・・・やっと来た」
ジャーゴルが全身に炎を纏い、次なる攻撃に出ようとすると同時に、ジャニスは安堵の息をもらし小さく呟いた。
ジャーゴルの身に纏う炎が竜を形作る。
樹々を抜け、駆けつけたウィッカーの体もまた、炎の竜を身に纏っていた。
背後からの気配にジャーゴルが振り返ると、そこには自分と同じ灼炎竜を身に纏った男が、今まさにその竜を放ったところだった。
灼炎竜の大きさは3~4メートル、ジャーゴルは同等の大きさの灼炎竜をぶつけ相殺を図った。
だが・・・・・
「なに!?」
正面からぶつかり合った灼炎竜だが、僅かに押し合ったあと、ウィッカーの灼炎竜がジャーゴルの竜を呑み込むと、ジャーゴルに向かい一直線に襲い掛かった。
「くそッ!」
大きく右へ飛び、灼炎竜を躱わすが、ウィッカーの操る灼炎竜はジャーゴルを追撃し逃げる事を許さない。
「クッ、この、クソ野郎があぁぁぁッツ!」
逃げ切れない。
そう判断したジャーゴルは、真っ向からウィッカーの灼炎竜を受けて立つ事を選んだ。
身に纏う炎の竜は大きさを増し、5メートル級の灼炎竜を放ち、迫りくるウィッカーの灼炎竜を食い止める。
「この俺がこの程度でぇぇッツ!」
拮抗する灼炎竜だが、ジャーゴルが更に魔力を高め、大きさを増すと、ウィッカーの灼炎竜が押され始めた。
「焼け死ねぇッツ!」
ジャーゴルの灼炎竜が8メートルを超えた時、ウィッカーの灼炎竜も一瞬にして大きさを増した。
「この程度か?だったら焼け死ぬのはお前だ」
10メートルを超える灼炎竜が、ジャーゴルの灼炎竜を瞬く間に呑み込む。
勝ったと思った瞬間、自分の灼炎竜が消失した。そして次なる灼炎竜を放つ時間も無かった。
ジャーゴルは大口を開けて自分を飲み込まんとする灼炎竜を、ただ目を開いて見る事しかできなかった。
ウィッカーの灼炎竜がジャーゴルを呑み込み通り過ぎた跡には、かろうじてその場に人がいた事を証明する、黒く染まった靴跡だけが残っていた。
放った爆裂弾はすでに百発を超えているが、それでも撃ち続けた。
当初は弟ジャーガル・ディーロの仇討が目的だったが、もはやそれだけではなかった。
不意を突き、生殺与奪は完全に自分のものになるはずが、思いもよらぬ反撃を受け、仲間を四人も殺されたあげく、ジャーゴル自身も重症を負わされた。
ジャーゴルは蓄積された怒りを全て吐き出すかのように、爆裂弾を撃ち続けた。
ジャーゴルの放った爆裂弾が三百を数えた頃、ようやくジャーゴルは撃つ手を止めた。
重症を負った体で、灼炎竜を出し、三百もの爆裂弾を連射した事で、さすがに息が上がっていた。
魔法が消されなかったという事は、魔封塵は間に合わなかったという事。
それはつまり、二人の死を意味していた。
ジャーゴルは己の中のうっ憤が晴れていく感覚に、思わず笑い声をもらした。
笑いは止まらなくなり、ジャーゴルを中心に森の中に笑い声が響いた。
三百の爆裂弾が起こした大きな土煙が少しづつ風に流され晴れていく・・・
ひとしきり笑った後、始末した標的の無残な姿でも見てやろうと、目を向けた先で、ジャーゴルは驚愕に表情が固まった。
「・・・な・・・そんな、バカな・・・なぜだ?なぜ生きている!?」
土煙が晴れた先・・・三百の爆裂弾が着弾した場所で、始末したはずの二人は生きていた。
二人とも服はボロボロに破れ、身体中が血と埃にまみれ赤黒く染まっていた。
エディは力なくジャニスの体に寄りかかっている。意識はないように見える。
だが、あれだけの数の爆裂弾の直撃を受けたならば、
四肢が吹き飛び、人としての原型を留めていなくてもおかしくないはずが、二人とも五体満足で生き残っていた。
状況が呑み込めず、ただ唖然としているジャーゴルを、ジャニスはコケにするように鼻で笑い口を開いた。
「私のヒールが上だったようね」
「な!・・・まさか!?」
ジャーゴルの爆裂弾でエディが意識を失った後、ジャニスがとった行動はヒールをかけ続ける事。
意識を失ったエディが、このまま爆裂弾が終わるまで耐えられるはずがない。
魔封塵を使ったとして、このいつ終わるとも分からない爆裂弾の嵐を防ぎきれるとも思えない。
ジャーゴルの爆裂弾に、ジャニスは真っ向から戦いを挑んだ。
ジャーゴルが爆裂弾を撃ち終えるまで、エディと自分にヒールをかけ続ける。
右手はエディに、左手は自分の胸に当て、ジャニスは全力でヒールをかけ続けた。
ほとんどの弾はエディに当たったが、ジャニスも無傷という訳にはいかなかった。
ヒールは怪我を治す魔法であり、ダメージを軽減できるわけではない。
肩に足に、被弾する度にジャニスを激痛が襲うが、覚悟を持って受けた爆裂弾で体勢を崩す事も、意識を失う事もなかった。
終わりの見えない爆裂弾の嵐と、諦めないジャニスのヒール。
そして、生きる事を諦めないジャニスの精神力がジャーゴルを上回った。
ジャーゴルは驚愕していた。
自分が放った三百発程の爆裂弾、それをヒールをかけ続ける事で全て受け切るという常識の外、とても正常とはいえない方法で切り抜けたのだ。
頭では理解できたが、あまりに想定外の事態に、体が反応し次の行動にでるまで僅かに時間を要した。
「はぁ~・・・やっと来た」
ジャーゴルが全身に炎を纏い、次なる攻撃に出ようとすると同時に、ジャニスは安堵の息をもらし小さく呟いた。
ジャーゴルの身に纏う炎が竜を形作る。
樹々を抜け、駆けつけたウィッカーの体もまた、炎の竜を身に纏っていた。
背後からの気配にジャーゴルが振り返ると、そこには自分と同じ灼炎竜を身に纏った男が、今まさにその竜を放ったところだった。
灼炎竜の大きさは3~4メートル、ジャーゴルは同等の大きさの灼炎竜をぶつけ相殺を図った。
だが・・・・・
「なに!?」
正面からぶつかり合った灼炎竜だが、僅かに押し合ったあと、ウィッカーの灼炎竜がジャーゴルの竜を呑み込むと、ジャーゴルに向かい一直線に襲い掛かった。
「くそッ!」
大きく右へ飛び、灼炎竜を躱わすが、ウィッカーの操る灼炎竜はジャーゴルを追撃し逃げる事を許さない。
「クッ、この、クソ野郎があぁぁぁッツ!」
逃げ切れない。
そう判断したジャーゴルは、真っ向からウィッカーの灼炎竜を受けて立つ事を選んだ。
身に纏う炎の竜は大きさを増し、5メートル級の灼炎竜を放ち、迫りくるウィッカーの灼炎竜を食い止める。
「この俺がこの程度でぇぇッツ!」
拮抗する灼炎竜だが、ジャーゴルが更に魔力を高め、大きさを増すと、ウィッカーの灼炎竜が押され始めた。
「焼け死ねぇッツ!」
ジャーゴルの灼炎竜が8メートルを超えた時、ウィッカーの灼炎竜も一瞬にして大きさを増した。
「この程度か?だったら焼け死ぬのはお前だ」
10メートルを超える灼炎竜が、ジャーゴルの灼炎竜を瞬く間に呑み込む。
勝ったと思った瞬間、自分の灼炎竜が消失した。そして次なる灼炎竜を放つ時間も無かった。
ジャーゴルは大口を開けて自分を飲み込まんとする灼炎竜を、ただ目を開いて見る事しかできなかった。
ウィッカーの灼炎竜がジャーゴルを呑み込み通り過ぎた跡には、かろうじてその場に人がいた事を証明する、黒く染まった靴跡だけが残っていた。
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