異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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【206 人手と場所の相談】

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「ふむ、リサイクルショップ・・・実は、メアリーから少し聞いておりました。なんでも、不要品を買い取り、必要な人に販売する。あと、白クマのぬいぐるみが人気らしいですな」

「はい、そうなんで・・・え?白クマ?」


「おや?違いましたかな?確か・・・あぁ、そうじゃ、ポーさんとか言うてたな。リサイクルショップでは大人気で欠かせないと。ニホンの店では、そういう女性や子供に人気ある物を扱うのが大事なんですな。いやいや、戦略というヤツですな」

ブレンダン様は感心するように頷きながら話している。

ポーさんは確かに大人気キャラクターなのだけれど、リサイクルショップのマスコットキャラクターではない。

これは、私の説明が悪かったようだ。
メアリーちゃんは、リサイクルショップでは、絶対にポーさんが必要と認識してしまい、そのままブレンダン様にも話したらしい。

メアリーちゃんの食いつきもすごかったし、今からポーさんについて説明し直すのもややこしくなりそうなので、私はそのままにする事にした。

「はい、ポーさんはお店に欠かせないキャラクターです」


ポーさんの権利の問題は、異世界でも適用されるのだろうか?
いや、そんな事はないよね?

私は難しく考える事はやめて、ブレンダン様にポーさんの魅力と、リサイクルショップについて、私のイメージや営業について説明した。





「え!?ヤヨイさん!リサイクルショップを始める許可をいただけたのですか!?」

その日の夜、子供達を寝かしつけた後、私は自室にウィッカーさん、メアリーちゃん、ジャニスさんを集めて、昼間ブレンダン様とお話ししたリサイクルショップの事を説明した。

ブレンダン様の許可は降りたので、後はみんなの賛成が得られれば、リサイクショップを開店に向けて進められる。

私がみんなに一緒にやってほしいとお願いすると、みんな快く了承してくれた。
特にメアリーちゃんは両手を上げて大喜びした。


「ヤッター!じゃあ、白クマのポーさんは私が作ります!ポーさんで街をいっぱいにしましょう!」

「メアリーちゃん、ちょっと待って、ブレンダン様のお許しはいただいたけれど、お店を出すには色々と準備がいるの。資金はブレンダン様がご用意してくださるので、大丈夫だけれど、問題は場所と人ね。お店を出すにあたり、ブレンダン様の出された条件は、孤児院の仕事に穴を空けない事。
この一つだけだけれど、当然の事ね。最優先は子供達だもの。だから場所と人手をどうするか相談したいの」


一番の問題だった開店資金はブレンダン様がご用意してくださる。
私は住み込みで孤児院で雇っていただいて、お給金もいただいているけれど、とてもお店を開ける程の資金は無い。

だから、可能であればブレンダン様にお借りして、利益の中から返済していく形をお願いしようと思っていたけれど、まるで私の考えを読んだかのように、ブレンダン様からその申し出があった。

返済はお店が軌道に乗って、余裕が出て来てからでいいとまで言ってくれて、ブレンダン様には感謝の気持ちでいっぱいだった。


ブレンダン様からは、場所と人手は相談して自分達で決めるように言われた。

商売経験の無いブレンダン様は、どのような場所が向いているか分からないし、誰か雇うにしても、一緒に働くみんなの意見で決めるべきというお考えのようだ。


私は最初は日中だけの営業で考えている。
午前10時から午後17時までだ。

これなら孤児院の朝の仕事と、夜の仕事は十分にこなせる。
それに、日本のエンターテイメント リサイクルショップと違い、ゲームコーナーや、立ち読みできる漫画コーナーを作る予定は無いし、作れない。

だから、純粋に生活必需品のリサイクルが中心になる。
そのため夜間の集客は少ないと予想している。

生活用品中心の品揃えや買い取りならば、おそらく客層は主婦の方が中心になるだろう。
そして主婦が17時以降に、リサイクルショップに来る事は少ないと思われる。

だから最初は日中だけの営業で始めようと思う。




「ヤヨイさん、何人くらい必要なの?」

ジャニスさんはベットに腰をかけながら、考えるように腕を組み人数の確認をしてきた。

「・・・そうね、日中だけの営業で考えているから、3~4人いれば大丈夫だと思うの。扱う商品も日本よりずっと少ないと思うから」

「じゃあ、私達4人とトロワとキャロルで合計6人ね。でも、4人リサイクルショップに行くと、孤児院が二人になるから無理だよね。孤児院も4人は必要だから、後二人は人がほしいね」

ジャニスさんが目を閉じ、口を引き結んで頭を悩ませている。

私とメアリーちゃんが来るまでは、ブレンダン様とウィッカーさんにジャニスさん、キャロルちゃんとトロワ君の5人で子供達の面倒を見ていたらしい。

でも、ブレンダン様とウィッカーさん、ジャニスさんは、お城へ魔法の指導に行かねばならず、孤児院を留守にしがちだった。

さすがに三人一度に孤児院を出るわけには行かないので、日にちをずらして、基本的には一人づつ行っていたようだけど、たまに二人行かなければならない時があり、その時はかなり苦労したらしい。


「ナタリーさんと、モニカさんに応援を頼めないでしょうか?」

メアリーちゃんが思いついたと言うように、顔の横で人差し指を立てた。


「う~ん、ナタリーさんは難しいと思うぞ。あの森から街まで馬車で1時間はかかる。そんな距離を早々頼めないだろ?」

メアリーちゃんの意見に、ウィッカーさんは腕を組んで壁に背をもたれさせ、天井を見ながら難しそうに言葉を口にした。

「うぅ~、確かにそうでした・・・」

「あ、おいおい、そうしょげるなよ」

メアリーちゃんが、がっくり肩を落とすと、ウィッカーさんが少し慌てた様子でメアリーちゃんを慰める。
ウィッカーさんは甘やかしの体質に見える。


「まったくウィッカーはメアリーに優しいね。私もナタリーさんが来てくれたら嬉しいけど、やっぱり遠いから頼みづらいよ。でも、モニカさんは頼めるかも。モニカさんの家は街の中心地だから、歩いて10分程度の場所に店を出せば大丈夫かも。モニカさんってけっこう好奇心ある人だから、面白そうだと思えば手伝ってくれると思うよ」

ジャニスさんはベットに座ったまま、私達の顔を順に見ながら言葉を出した。


「ヤヨイさんのお義母さんになるかもしれない人だし、一緒にお店をやって良いとこアピールしてもいいかもね」

「え、ちょっと、ジャニスさん、からかわないでよ」

ジャニスさんはニカッと歯を見せて笑うと、ベットから腰を上げて一つの提案を口にした。

「モニカさんが来てくれても一人足りないし、そもそも孤児院の事を考えると私達だけじゃ厳しいと思うの。専属でリサイクルショップに入る人が最低二人は欲しいかな。だから、やっぱり誰か雇うべきだと思う。どうかな?」

ジャニスさんの言う通りだ。
私はブレンダン様に資金を出していただくので、なるべく費用を少なくと考えた。
人件費はできるだけ抑えようと思い、身内だけでできないか考えたけれど、やっぱり難しい。


「そうね・・・ジャニスさんの言う通りだわ。最低でも二人は雇う必要はあるわね」

私が頷くと、ウィッカーさんとメアリーちゃんも、そうするしかないねと口にした。

「決まりだね。ヤヨイさん、人集めは私にまかせて。当てはあるんだ。孤児院を出た人で時間に余裕ある人いるかもしれないから、聞いてみるよ」

ジャニスさんがそう言うと、ウィッカーさんもなるほど、と言うように声を出した。

「そうか、師匠が孤児院を始めて20年以上だ。100人以上ここを巣立って行ったからな、条件の合う人が誰かしらいるだろう。それにそれなら身元も安心だ」


「結婚して主婦やってる人とかがいいかもね。それか、希望ある?こういう人がいいとか?」

ジャニスさんに話しを向けられ、私は少し考えた。

この孤児院の出身者であれば、誰でも問題はないと思う。
この数ヶ月、ここで暮らして、ブレンダン様に育てられている子供達を見ていると、とても素直に成長しているのがよく分かる。

だから、ジャニスさんが選んだ人であれば、誰が来ても大丈夫だと確信すらしている。


「・・・いくつかあるけど、計算が得意な人、手先が器用な人、立ち仕事が苦にならない人、そして元気の良い人かな。もちろん全部当てはまる人じゃなくて、どれか一つでも当てはまる人がいたらお願いしたいわ」

私の希望に、ジャニスさんは記憶をたどるように天井に目を向ける。

「・・・うん、分かった。その条件で探してみるね。誰もいなかったらごめんだけど」

「大丈夫よ。あくまで希望だから、ジャニスさんの選んだ人ならどなたでも信用できるわ」

信頼の言葉を口にすると、ジャニスさんは照れ笑いを浮かべた後、まかせて!と言って握り拳を作って見せた。
ジャニスさんは本当に頼りになる。


それから私達は物件を見に行く予定などを話し合った。
明日はキャロルちゃんとトロワ君にもお話しして、一緒にお店を作っていきたい。

異世界でリサイクルショップを始める事になるなんて、夢にも思わなかった。

この世界の通貨単位は日本と同じようなものだけど、物の価値がだいぶ違うから、難しい事も多いと思う。
だけど、きっとこの世界には必要なお店になると思う。


時計を見るともう23時になっている。みんなと計画を立てるのがつい楽しくて、遅くなってしまった。
日本にいた頃と違い、この世界では朝が早いので、遅くても22時30分には寝るようにしている。

だから今日はずいぶん夜更かしをしてしまった事になる。
メアリーちゃんは遅くなってしまったので、今日はジャニスさんの部屋に泊まると言っていた。
二人とも同い年という事もあって、気兼ねなく話せる仲なのだ。

私もさすがにもう寝ようと、ベットに入り枕元のランプを消して、毛布を肩までかける。

異世界でリサイクルショップを開く事への不安もあるけど、楽しみの方がずっと大きい。
私は頭の中に広がる想像を楽しみながら、いつしか眠りについていた。
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