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【311 意地】
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せめて吹雪がもう少し弱ければ、もう少し視界が良ければもっと早く帝国の攻撃に気付けただろう。
だが、現実は違う。帝国は目くらましとしてカエストゥスより吹雪をうまく利用した。
あの爆発の瞬間・・・反応できた者は、特に実力の高い極一部の者だけだった。
そして一早く反応できた青魔法使い達は、あろうことか俺に集中して結界をかけた。
自分の命と引き換えにしても、俺だけを生かす事を選んだ。
信じられない行動だったが、吹き飛ばされる瞬間に見たあいつらの目は、あの目は託した目だ。
俺にカエストゥスを託し、あいつらは死んでいった。
俺の天衣結界、そしてあいつらの命を懸けた結界が幾重にも重なり俺を護った。
重てぇな・・・・・全く重てぇよ・・・・・・
せっかく来た増援を、一瞬で壊滅させたクソみたいな指揮官に、何を期待してんだよ?
・・・運良く、と言っていいのだろう
爆発の衝撃と結界が破壊された衝撃、様々な様子が重なって俺は前に吹き飛ばされた
あれだけ結界を重ねてやっと命だけが残った
吹き飛ばされた先は、帝国の指揮官、ジャキル・ミラーのすぐそばだった
この時、動かずにじっとしていれば俺は助かっただろう
ミラーはサーチでカエストゥスの生き残りを調べているが、おそらく最後尾の白魔法使い以外は、ほぼ全滅だ
俺以外にも前に飛ばされたカエストゥス兵はいるようだが、ミラーや帝国兵の言葉を聞く限り、生きている者は誰もいないようだ
今、帝国に俺が生きている事を知っている者は誰もいない
俺以外のカエストゥス兵は死んでいる
ミラーが俺に背を向け、帝国兵に何かを話し出した
・・・隙だらけじゃねぇか
・・・あ~あ、団長になれなかったあの日から、適当にサボッて生きて来たんだけどな
・・・俺ぁなんでこんな事やってんだよ?
【ビボル・・・このとおりだ。どうか力を貸してくれ!お前の力が必要なんだ!】
・・・そうだ、ロビン・・・てめぇが、俺に避けられてると知ってるくせに頭下げてきやがったんだ
・・・ん?なんだよ?お前達・・・そんな目で見るんじゃねぇよ。俺に何を期待してんだ?
お前らが勝手に俺に託したんだろ?あの場面でなんで自分の身を護らねぇ?
・・・・・・・・分かってるよ、俺にもな、クソみてぇな俺にも意地の一つってのもあるんだよ
このまま死んだら俺に付いて来たてめぇらが馬鹿にされちまうからな!
満身創痍だったがビボルは力を振り絞り、右手を伸ばしてミラーの足首を掴んだ
・・・自分の魔道具が毒だった事を、今日ほど喜んだ日は無い
「なぁ、ミラーよ・・・体に、直接、毒を・・流される、気分は・・・どうだ?苦しいか?苦しい、よなぁ?」
残りの魔力を全て毒に変え、ミラーに叩き込んだ
掴んだ足の反応で、ミラーが倒れた事を理解する
終わりだ・・・俺の毒は回るのも早けりゃ、生半可なキュアで解毒できない
ミラーはもう死ぬ
背中になにかが突き刺さるような強い衝撃を受け、喉の奥からこみ上げる鉄臭い何かが口から吐き出される
・・・・・あぁ・・・俺はここまでだな・・・
・・・もう、何も見えねぇ
自分の周りで誰かが大声で騒ぎ立てている事は分かる
だが、言葉が耳に入って来ても頭に入ってこなかった
さっきまであれだけ体中を襲った激しい痛みも感じ無くなり、不思議と体が楽になっていく
そして、それに伴い体がどんどん冷たくなっていく事も分かる
・・・ロビン、悪いな・・・勝つことはできなかった
・・・けどよ・・・ミラーだけは始末した・・・・・これで、ゆる・・・せ・・・・・
目を開けたまま前を見据えてビボルは息絶えた
その死に顔に苦しみは見えず、不敵な笑みを浮かべていた
だが、現実は違う。帝国は目くらましとしてカエストゥスより吹雪をうまく利用した。
あの爆発の瞬間・・・反応できた者は、特に実力の高い極一部の者だけだった。
そして一早く反応できた青魔法使い達は、あろうことか俺に集中して結界をかけた。
自分の命と引き換えにしても、俺だけを生かす事を選んだ。
信じられない行動だったが、吹き飛ばされる瞬間に見たあいつらの目は、あの目は託した目だ。
俺にカエストゥスを託し、あいつらは死んでいった。
俺の天衣結界、そしてあいつらの命を懸けた結界が幾重にも重なり俺を護った。
重てぇな・・・・・全く重てぇよ・・・・・・
せっかく来た増援を、一瞬で壊滅させたクソみたいな指揮官に、何を期待してんだよ?
・・・運良く、と言っていいのだろう
爆発の衝撃と結界が破壊された衝撃、様々な様子が重なって俺は前に吹き飛ばされた
あれだけ結界を重ねてやっと命だけが残った
吹き飛ばされた先は、帝国の指揮官、ジャキル・ミラーのすぐそばだった
この時、動かずにじっとしていれば俺は助かっただろう
ミラーはサーチでカエストゥスの生き残りを調べているが、おそらく最後尾の白魔法使い以外は、ほぼ全滅だ
俺以外にも前に飛ばされたカエストゥス兵はいるようだが、ミラーや帝国兵の言葉を聞く限り、生きている者は誰もいないようだ
今、帝国に俺が生きている事を知っている者は誰もいない
俺以外のカエストゥス兵は死んでいる
ミラーが俺に背を向け、帝国兵に何かを話し出した
・・・隙だらけじゃねぇか
・・・あ~あ、団長になれなかったあの日から、適当にサボッて生きて来たんだけどな
・・・俺ぁなんでこんな事やってんだよ?
【ビボル・・・このとおりだ。どうか力を貸してくれ!お前の力が必要なんだ!】
・・・そうだ、ロビン・・・てめぇが、俺に避けられてると知ってるくせに頭下げてきやがったんだ
・・・ん?なんだよ?お前達・・・そんな目で見るんじゃねぇよ。俺に何を期待してんだ?
お前らが勝手に俺に託したんだろ?あの場面でなんで自分の身を護らねぇ?
・・・・・・・・分かってるよ、俺にもな、クソみてぇな俺にも意地の一つってのもあるんだよ
このまま死んだら俺に付いて来たてめぇらが馬鹿にされちまうからな!
満身創痍だったがビボルは力を振り絞り、右手を伸ばしてミラーの足首を掴んだ
・・・自分の魔道具が毒だった事を、今日ほど喜んだ日は無い
「なぁ、ミラーよ・・・体に、直接、毒を・・流される、気分は・・・どうだ?苦しいか?苦しい、よなぁ?」
残りの魔力を全て毒に変え、ミラーに叩き込んだ
掴んだ足の反応で、ミラーが倒れた事を理解する
終わりだ・・・俺の毒は回るのも早けりゃ、生半可なキュアで解毒できない
ミラーはもう死ぬ
背中になにかが突き刺さるような強い衝撃を受け、喉の奥からこみ上げる鉄臭い何かが口から吐き出される
・・・・・あぁ・・・俺はここまでだな・・・
・・・もう、何も見えねぇ
自分の周りで誰かが大声で騒ぎ立てている事は分かる
だが、言葉が耳に入って来ても頭に入ってこなかった
さっきまであれだけ体中を襲った激しい痛みも感じ無くなり、不思議と体が楽になっていく
そして、それに伴い体がどんどん冷たくなっていく事も分かる
・・・ロビン、悪いな・・・勝つことはできなかった
・・・けどよ・・・ミラーだけは始末した・・・・・これで、ゆる・・・せ・・・・・
目を開けたまま前を見据えてビボルは息絶えた
その死に顔に苦しみは見えず、不敵な笑みを浮かべていた
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