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505 戦いの後 ②
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「・・・・・う、うぅ・・・」
薄く目をを開けると、見慣れた板張りの天井が目に入った。
あれ・・・俺は寝てるのか?
いつの間に帰った?
なんだか頭がハッキリしない。
頭の下の沈むような柔らかいマクラの感触で、自分がベットに寝ている事を理解する。
手を着いて上半身を起こすと、胸までかかっていた毛布が腰まで落ちる。
「・・・ふぅ・・・」
たったこれだけ体を動かしただけで、全身が軋むように痛む。
「・・・痛っ・・・そうだ、俺は確かあの時・・・」
体の痛みで頭が冴えて来た。
そうだ、俺はあの時偽国王を殴り飛ばした。それから・・・
「ん・・・?これは・・・」
左腕が・・・付いている?
確かあの時俺の左腕は、斬り飛ばされたはず・・・
記憶違い・・・いや、そんなはずはない・・・
切断されたはずの左腕をじっと見て眉を寄せていると、ドアノブが回る音がした。
「・・・アラタ君!」
「あ・・・カチュア!」
タオルを持ったカチュアは部屋に入って、俺が起きている事に気付くと、駆け寄って抱き着いて来た。
「アラタ君!良かった!意識が戻ったんだね!もう三日も寝たきりだったから私・・・」
「三日!?そんなに・・・ごめん、カチュア・・・また心配かけちゃったね」
俺の背中に手を回して、力いっぱいに抱き着いているカチュアは、胸に顔をうずめる形で首を横に振った。
「心配だったけど・・・今回は店長が大丈夫だよって言ってくれたから。今は寝てるけど、ちゃんと起きるから大丈夫だよって・・・だから私、待ってられたんだよ」
「そっか・・・店長さんが・・・あ、じゃあ俺の腕は店長さんが治してくれたのかな?確か白魔法も使えるんだよね?」
話しの流れから、店長さんが俺の腕をくっつけてくれたのかと思い聞いて見ると、カチュアは顔を上げて、話しが見えないと言うように首を傾げた。
「・・・腕?腕がひどい怪我だったの?怪我はしたけど、一番は光の力の使い過ぎで倒れたってしか聞いてないよ」
「・・・あぁ、うん、実は左腕にけっこう強い攻撃を受けてさ。起きたらすっかり良くなってたから」
「そうだったんだ。店長は白魔法もすごいんだよ。だから店長のヒールなら間違いないから安心してね」
そうか・・・俺が左腕を斬り飛ばされた事を、カチュアは知らないんだ。
多分レイチェルだと思うけど、腹を斬り裂かれて、左腕を切断されたなんて聞いたら、カチュアがショックを受けると思って、カチュアには知られないようにうまく話しを作ったんだ。
「・・・カチュア、俺が寝ている間の事を教えてくれないか?あれからどうなった?」
「うん、あのね・・・」
俺が意識を失ってから三日。
この三日である程度の混乱は収まったらしいが、町はまだまだ今回の偽国王の騒動が話題の中心らしい。
なんせ、城は半壊してしまったから隠しきれるものではないし、王妃アンリエール様は決着のついたその日のうちに、全国民へのメッセージを出したというのだ。
ただし、一連の経緯は説明したけれど、国王が何年も入れ替わっていたという事は伏せたそうだ。
長期間偽者が国王にとって代わっていたなんて、王族、国への不信感にしかならないという理由だ。
だから国王は帝国の侵入者によって殺されたという事にして、城で戦わざるを得なかったという話しに変えたらしい。大筋はその通りだし、俺もその方がいいとは思った。
本物の国王の遺体は見つからなかった。
偽国王と入れ替わった期間を考えれば、しかたないかもしれない。
それでも、侵入者に殺されたという設定である以上、国葬はやらなければならないので、遺品を棺に入れて行う予定だそうだ。
これらは極秘事項で、治安部隊や騎士団にも口外禁止が言い渡されているけど、人の口に戸は立てられないらしく、やはり漏れ聞こえるものはあるようだ。
闇を直接見たブロンズ騎士あたりが、噂の発生源とみられている。
「とにかくゴタゴタしてたから、昨日まではお店を閉めてたの。王妃様との話し合いとかは店長とレイチェルにまかせたけど、私達も四勇士と戦ったから、上層部の人に色々聞かれてすぐには帰れなくて、最初の日だけはみんなでお城に泊まったんだよ」
「そうだったのか・・・俺、その間もずっと寝てたんだ・・・」
「そんな事気にしないで。アラタ君は自分が倒れるまで戦ったんだから・・・みんなを護ったんだから」
みんなが大変な時に一人だけ寝ていた事が気にかかったけ、カチュアの優しい言葉と、そっと握ってくれた手の温もりが嬉しかった。
「私達は翌日には帰って来れたんだけど、店長とレイチェルはまだお城なの。王妃様と今後の事で会議してるんだって。レイチェルは昨日一度だけ帰って来たんだけど、経過報告とこれからのお店の指示だけ出して、またすぐお城に戻っちゃったの。あ、治安部隊のヴァンさんとフェンテスさんも一緒らしいよ。騎士団も、ゴールド騎士の二人と、レイマートさんとレミューさんが出席してるみたい」
レイマートという名前は初めて聞いたけど、一人思い当たる人物がいた。
俺が偽国王と戦っていた時、レミューと一緒に加勢に入ってくれた青い髪の騎士だ。
あの騎士がそうなのかもしれない。闇人形にてこずっていて、難しい状況だったから本当に助かった。
顔を合わせる事があったらお礼を言おう。
そしてヴァンとフェンテスも無事だったようで安心した。
会議に出れるくらいなら、怪我の影響もないのだろう。
治安部隊の話しが出て、俺は気になった事を聞いてみた。
「・・・うん、みんな無事みたいで安心したよ。それでさ・・・マルゴンはどうなったか分かるかな?」
マルゴンの名前に、カチュアは複雑そうな表情をした。
えっと・・・と、言葉を選んでいる。答えにくい質問をしてしまったのかと、俺も眉を寄せる。
「カチュア、ごめん。なんか、言いにくい事聞いちゃったかな?」
「うぅん、そうじゃないの。ただ、なんて言ったらいいかなって・・・えっとね、マルコスさんはあの後いなくなっちゃったの。アンカハスさんと、ヤファイさんも一緒に」
薄く目をを開けると、見慣れた板張りの天井が目に入った。
あれ・・・俺は寝てるのか?
いつの間に帰った?
なんだか頭がハッキリしない。
頭の下の沈むような柔らかいマクラの感触で、自分がベットに寝ている事を理解する。
手を着いて上半身を起こすと、胸までかかっていた毛布が腰まで落ちる。
「・・・ふぅ・・・」
たったこれだけ体を動かしただけで、全身が軋むように痛む。
「・・・痛っ・・・そうだ、俺は確かあの時・・・」
体の痛みで頭が冴えて来た。
そうだ、俺はあの時偽国王を殴り飛ばした。それから・・・
「ん・・・?これは・・・」
左腕が・・・付いている?
確かあの時俺の左腕は、斬り飛ばされたはず・・・
記憶違い・・・いや、そんなはずはない・・・
切断されたはずの左腕をじっと見て眉を寄せていると、ドアノブが回る音がした。
「・・・アラタ君!」
「あ・・・カチュア!」
タオルを持ったカチュアは部屋に入って、俺が起きている事に気付くと、駆け寄って抱き着いて来た。
「アラタ君!良かった!意識が戻ったんだね!もう三日も寝たきりだったから私・・・」
「三日!?そんなに・・・ごめん、カチュア・・・また心配かけちゃったね」
俺の背中に手を回して、力いっぱいに抱き着いているカチュアは、胸に顔をうずめる形で首を横に振った。
「心配だったけど・・・今回は店長が大丈夫だよって言ってくれたから。今は寝てるけど、ちゃんと起きるから大丈夫だよって・・・だから私、待ってられたんだよ」
「そっか・・・店長さんが・・・あ、じゃあ俺の腕は店長さんが治してくれたのかな?確か白魔法も使えるんだよね?」
話しの流れから、店長さんが俺の腕をくっつけてくれたのかと思い聞いて見ると、カチュアは顔を上げて、話しが見えないと言うように首を傾げた。
「・・・腕?腕がひどい怪我だったの?怪我はしたけど、一番は光の力の使い過ぎで倒れたってしか聞いてないよ」
「・・・あぁ、うん、実は左腕にけっこう強い攻撃を受けてさ。起きたらすっかり良くなってたから」
「そうだったんだ。店長は白魔法もすごいんだよ。だから店長のヒールなら間違いないから安心してね」
そうか・・・俺が左腕を斬り飛ばされた事を、カチュアは知らないんだ。
多分レイチェルだと思うけど、腹を斬り裂かれて、左腕を切断されたなんて聞いたら、カチュアがショックを受けると思って、カチュアには知られないようにうまく話しを作ったんだ。
「・・・カチュア、俺が寝ている間の事を教えてくれないか?あれからどうなった?」
「うん、あのね・・・」
俺が意識を失ってから三日。
この三日である程度の混乱は収まったらしいが、町はまだまだ今回の偽国王の騒動が話題の中心らしい。
なんせ、城は半壊してしまったから隠しきれるものではないし、王妃アンリエール様は決着のついたその日のうちに、全国民へのメッセージを出したというのだ。
ただし、一連の経緯は説明したけれど、国王が何年も入れ替わっていたという事は伏せたそうだ。
長期間偽者が国王にとって代わっていたなんて、王族、国への不信感にしかならないという理由だ。
だから国王は帝国の侵入者によって殺されたという事にして、城で戦わざるを得なかったという話しに変えたらしい。大筋はその通りだし、俺もその方がいいとは思った。
本物の国王の遺体は見つからなかった。
偽国王と入れ替わった期間を考えれば、しかたないかもしれない。
それでも、侵入者に殺されたという設定である以上、国葬はやらなければならないので、遺品を棺に入れて行う予定だそうだ。
これらは極秘事項で、治安部隊や騎士団にも口外禁止が言い渡されているけど、人の口に戸は立てられないらしく、やはり漏れ聞こえるものはあるようだ。
闇を直接見たブロンズ騎士あたりが、噂の発生源とみられている。
「とにかくゴタゴタしてたから、昨日まではお店を閉めてたの。王妃様との話し合いとかは店長とレイチェルにまかせたけど、私達も四勇士と戦ったから、上層部の人に色々聞かれてすぐには帰れなくて、最初の日だけはみんなでお城に泊まったんだよ」
「そうだったのか・・・俺、その間もずっと寝てたんだ・・・」
「そんな事気にしないで。アラタ君は自分が倒れるまで戦ったんだから・・・みんなを護ったんだから」
みんなが大変な時に一人だけ寝ていた事が気にかかったけ、カチュアの優しい言葉と、そっと握ってくれた手の温もりが嬉しかった。
「私達は翌日には帰って来れたんだけど、店長とレイチェルはまだお城なの。王妃様と今後の事で会議してるんだって。レイチェルは昨日一度だけ帰って来たんだけど、経過報告とこれからのお店の指示だけ出して、またすぐお城に戻っちゃったの。あ、治安部隊のヴァンさんとフェンテスさんも一緒らしいよ。騎士団も、ゴールド騎士の二人と、レイマートさんとレミューさんが出席してるみたい」
レイマートという名前は初めて聞いたけど、一人思い当たる人物がいた。
俺が偽国王と戦っていた時、レミューと一緒に加勢に入ってくれた青い髪の騎士だ。
あの騎士がそうなのかもしれない。闇人形にてこずっていて、難しい状況だったから本当に助かった。
顔を合わせる事があったらお礼を言おう。
そしてヴァンとフェンテスも無事だったようで安心した。
会議に出れるくらいなら、怪我の影響もないのだろう。
治安部隊の話しが出て、俺は気になった事を聞いてみた。
「・・・うん、みんな無事みたいで安心したよ。それでさ・・・マルゴンはどうなったか分かるかな?」
マルゴンの名前に、カチュアは複雑そうな表情をした。
えっと・・・と、言葉を選んでいる。答えにくい質問をしてしまったのかと、俺も眉を寄せる。
「カチュア、ごめん。なんか、言いにくい事聞いちゃったかな?」
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