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596 ララの目
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「う、バルデス、様・・・」
よろよろと立ち上がったサリーは、左手で自分の腹を押さえていた。
淡い光は回復魔法のヒール。
ララの膝蹴りは、白魔法使いのサリーには重いダメージを与えていたが、立ち上がれる程には回復していた。
「サリー!無理をするな、横になっていろ!」
「だ、大丈夫です・・・バルデス様、申し訳ありませんでした。自分でやると言っておきながら、醜態を晒してしまいました」
立ち上がったサリーに駆け寄ると、バルデスは背中に手を回してその体を支える。
「すまなかった。あの光に一瞬視界を奪われてしまったばかりに、サリーを傷つけてしまった。不甲斐ない私を許してくれ」
「そんな・・・バルデス様が謝らないでください。私の力不足です。あんなハゲに後れを取るなんて、バルデス様の侍女として恥ずかしい限りです。申し訳ありませんでした」
辛そうに目を伏せ、言葉を絞り出すようにして謝罪を口にするバルデスに、サリーもまた頭を下げる。
「・・・サリーよ、もう二度とお前を傷つけさせない。あのハゲにはサリーの痛みを百倍にして返してやるからな」
「バルデス様・・・私なんかにもったいないお言葉です」
見つめ合う二人の間に漂う親密な空気。
二人だけの特別な時間が流れる・・・・・それを打ち破ったのは、通路奥で倒れていたララだった。
「お・・・おのれ・・・よくも、よくも、この、ララを・・・このララォォォォォーーーッ!」
膝に手を着き、体を起こすと、額から流れる血でその目を赤く染めながら、バルデスを睨み付ける。
「バルデス様、僭越ながら、あのハゲについて一つの推測を立ててみました」
「ほう、聞かせてもらおうか、サリーよ」
ララは立ち上がり一歩前に足を踏み出すと、そのまま走り出して向かって来る。
「バルデス様、ヤツはあの強い光を浴びても、的確に的を捉えて攻撃してきました。そして明鏡の水で見えないはずの私達の姿も、普通に見ていました。そこから導き出せる答えは・・・あのハゲの目は特別だという事です。視覚に悪影響を受けない。まやかしを見抜くなどです」
「なるほど、それならば説明がつくな。しかし、サリーよ、もう一つの可能性もあるのではないか?」
サリーの考察に、バルデスは頷きながら、なぞかけのように言葉を返した。
それでサリーは、バルデスが自分の考えを更に深く理解して話していると理解する。
「はい。さすがバルデス様です。実は私も、もう一つの可能性も考えておりました。それは・・・」
「ウオォォォォォォーーーッツ!」
サリーがそこまで話したところで、ララは雄叫びを上げて飛び上がり、頭上から襲いかかってきた。
「このハゲは元々目が見えないという事です」
両手を握り合わせて振り上げると、ララはそれをバルデスの頭目掛けて振り下ろした。
「同感だ、サリーよ。私もそう思った」
ララの拳が頭バルデスの頭を打ち砕くかという寸前で、バルデスの体から発せられた雷が、ララの体を弾き飛ばした。
「ッ・・・ァァ・・・!」
か細い悲鳴を上げて、ララは床に背中から落ちると、体を痙攣させている。
肉の焦げた匂いが鼻につき、バルデスは鼻と口を手で隠し、不快そうに眉を潜めた。
「・・・サリーよ、今日の夕食は肉は遠慮したいな。こやつの匂いを思い出しそうだ」
「はい。バルデス様。サリーも同じ気持ちです。夕食はバイキングのようですから、サラダとパスタにしましょう」
もう動けないだろう。
バルデスとサリーは、肉を焦がし、口から泡を吐き、痙攣するララを見て、そう確信していた。
だが、魔道剣士四人衆のララは、バルデスが視線を外した瞬間を狙ったかのように飛び起きると、懐から取り出した短剣を最短の距離で突き出し、バルデスの腹にめり込ませた。
「・・・なっ!?バ、バルデス様ッツ!」
「ふーっふっふっふ!やった!やってやりましたよ!このララがこの程度で死んだと思いましたか!?残念でしたねぇぇぇぇぇーーーーーっつ!」
サリーは悲鳴を上げ、ララの高らかに笑い声を上げた。
よろよろと立ち上がったサリーは、左手で自分の腹を押さえていた。
淡い光は回復魔法のヒール。
ララの膝蹴りは、白魔法使いのサリーには重いダメージを与えていたが、立ち上がれる程には回復していた。
「サリー!無理をするな、横になっていろ!」
「だ、大丈夫です・・・バルデス様、申し訳ありませんでした。自分でやると言っておきながら、醜態を晒してしまいました」
立ち上がったサリーに駆け寄ると、バルデスは背中に手を回してその体を支える。
「すまなかった。あの光に一瞬視界を奪われてしまったばかりに、サリーを傷つけてしまった。不甲斐ない私を許してくれ」
「そんな・・・バルデス様が謝らないでください。私の力不足です。あんなハゲに後れを取るなんて、バルデス様の侍女として恥ずかしい限りです。申し訳ありませんでした」
辛そうに目を伏せ、言葉を絞り出すようにして謝罪を口にするバルデスに、サリーもまた頭を下げる。
「・・・サリーよ、もう二度とお前を傷つけさせない。あのハゲにはサリーの痛みを百倍にして返してやるからな」
「バルデス様・・・私なんかにもったいないお言葉です」
見つめ合う二人の間に漂う親密な空気。
二人だけの特別な時間が流れる・・・・・それを打ち破ったのは、通路奥で倒れていたララだった。
「お・・・おのれ・・・よくも、よくも、この、ララを・・・このララォォォォォーーーッ!」
膝に手を着き、体を起こすと、額から流れる血でその目を赤く染めながら、バルデスを睨み付ける。
「バルデス様、僭越ながら、あのハゲについて一つの推測を立ててみました」
「ほう、聞かせてもらおうか、サリーよ」
ララは立ち上がり一歩前に足を踏み出すと、そのまま走り出して向かって来る。
「バルデス様、ヤツはあの強い光を浴びても、的確に的を捉えて攻撃してきました。そして明鏡の水で見えないはずの私達の姿も、普通に見ていました。そこから導き出せる答えは・・・あのハゲの目は特別だという事です。視覚に悪影響を受けない。まやかしを見抜くなどです」
「なるほど、それならば説明がつくな。しかし、サリーよ、もう一つの可能性もあるのではないか?」
サリーの考察に、バルデスは頷きながら、なぞかけのように言葉を返した。
それでサリーは、バルデスが自分の考えを更に深く理解して話していると理解する。
「はい。さすがバルデス様です。実は私も、もう一つの可能性も考えておりました。それは・・・」
「ウオォォォォォォーーーッツ!」
サリーがそこまで話したところで、ララは雄叫びを上げて飛び上がり、頭上から襲いかかってきた。
「このハゲは元々目が見えないという事です」
両手を握り合わせて振り上げると、ララはそれをバルデスの頭目掛けて振り下ろした。
「同感だ、サリーよ。私もそう思った」
ララの拳が頭バルデスの頭を打ち砕くかという寸前で、バルデスの体から発せられた雷が、ララの体を弾き飛ばした。
「ッ・・・ァァ・・・!」
か細い悲鳴を上げて、ララは床に背中から落ちると、体を痙攣させている。
肉の焦げた匂いが鼻につき、バルデスは鼻と口を手で隠し、不快そうに眉を潜めた。
「・・・サリーよ、今日の夕食は肉は遠慮したいな。こやつの匂いを思い出しそうだ」
「はい。バルデス様。サリーも同じ気持ちです。夕食はバイキングのようですから、サラダとパスタにしましょう」
もう動けないだろう。
バルデスとサリーは、肉を焦がし、口から泡を吐き、痙攣するララを見て、そう確信していた。
だが、魔道剣士四人衆のララは、バルデスが視線を外した瞬間を狙ったかのように飛び起きると、懐から取り出した短剣を最短の距離で突き出し、バルデスの腹にめり込ませた。
「・・・なっ!?バ、バルデス様ッツ!」
「ふーっふっふっふ!やった!やってやりましたよ!このララがこの程度で死んだと思いましたか!?残念でしたねぇぇぇぇぇーーーーーっつ!」
サリーは悲鳴を上げ、ララの高らかに笑い声を上げた。
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