608 / 1,542
607 ガラハドの最善の一手
しおりを挟む
リコ・ヴァリンを一目見てガラハドは理解した。
自分では勝つ事はできない。
帝国の実力者である事を示す深紅のマント。
その小さな体には、丸みのある肩当てと胸当て、肘から下の腕当て、膝から下への脛当てが身に着けられている。そしてそれらの装備も全て深紅に染められていた。
腰まである長く艶のある紫色の髪、そして髪と同じ紫色の瞳は、突然目の前に現れた大柄な男を観察するように見ている。
初めて見るリコ・ヴァリンは、自分の半分も生きていないだろう小柄な女だった。
だが、長年戦いに身を置いてきたガラハドは、その小さな体に秘められた驚異的な力を感じ取った。
持って生まれたものが違う。
リンジーがずいぶん恐れていたが、こうしてリコ・ヴァリンを目の前にして、その理由が分かった。
体が大きいから。腕力があるから。そんな事は問題にならない。
言うなれば戦闘におけるセンス。そのレベルが圧倒的に違っていた。
ガラハドは後ろで倒れているアラタに、チラリと目を向けた。
乗船までの七日間、ガラハドはアラタやビリージョーとも手合わせをしてきた。
アラタの技、格闘センスは目を見張る者があり、ボクシングという見た事もない素手での格闘術は、体格で大きく上回る自分を圧倒する事さえあった。
そのアラタが倒されている。
しかもリコ・ヴァリンの様子を見るに、リコ・ヴァリンは無傷だ。
つまりアラタが、一方的にボロボロにされたという事だ。
自分では勝つ事はできない。実力の差をガラハドは冷静に受け止めた。
だが・・・・・
ガラハドの武器は鉄の棒である。
およそ100cm程の長さのソレを、体格の良いガラハドは片手で軽々と操り、中心で握る事で攻撃をしながら防御の二役をこなしている。
そしてこの鉄の棒は、ただの鉄の棒ではない。先端が少し黒く汚れているが、それこそがこの魔道具、轟爆(ごうばく)の鉄棒、の能力ゆえである。
ガラハドの体勢がやや前傾になった事を受け、対峙するリコ・ヴァリンは、ガラスの剣を右手に持ち構えた。
ガラハドの武器が鉄の棒である事は、最初に投げつけられた事で分かった。
自分の武器であるガラスの剣は、斬撃を体力の続く限り撃ち続けられるが、その薄さゆえに非常にもろく、直接の斬り合いはできない。
リコ・ヴァリンは持ち前のスピードを生かし、相手の背後に回り込み直接斬りつける事もするが、それはリコ・ヴァリンだからこそ、できる芸当である。
ガラスの剣は本来、遠距離専用の武器と言ってもいい代物であった。
そんな直接戦闘に向かいガラスの剣を構え、リコ・ヴァリンはガラハドの挑戦を正面から受けるつもりだった。
ガラハドは右足を後ろに引き、今にも床を蹴って飛び込んできそうなほどに力を蓄えている。
・・・正面から来る。
目を細め、ガラハドの動きに集中する。
狙いはガラハドの首、射程に入ったら一太刀で切り裂き葬る。
目の前のこの男もかなりの実力者だという事は分かる。だが、それでも自分が負ける事はない。
しかし、遠距離攻撃で安全圏から、時間をかけて戦う事はできない。
水を踏む足元の感触に、リコ・ヴァリンは残り時間が僅かしかない事を感じ取った。
このまま浸水が進めば足場がどんどん奪われていく。
機動力に頼った戦い方の自分が、その機動力失ってしまえば、後れを取る事はないとしても、戦いが長引き、目的を果たす事ができなくなるかもしれない。そう考えたからだ。
リコ・ヴァリンは、否が応でも短期決戦をせざるを得なかった。
「フー・・・ハー・・・」
体に溜め込んだ力を解放するかのように、ガラハドは呼吸を深く吸ってゆっくりと吐き出す。
高められた気迫がピリピリとした圧力なり、リコ・ヴァリンにぶつけられる。
・・・来る
あと一呼吸の後に目の前の大柄な男は来る
リコ・ヴァリンはガラハドのどの方向からの攻撃であっても、その全てに合わせて一太刀のもとに葬る。それだけの集中力を見せていた
これはガラハドの一世一代の大博打だった
自分ではリコ・ヴァリンには勝てない
そして後ろではアラタが倒れている
この状況でガラハドが導き出した最善手は・・・・・
「ダラァッッッツ!」
気合と共に、長年使い込んだ相棒とも言える武器、轟爆の鉄棒を投げつけた。
「!?」
様々な攻撃パターンを予想し備えていたが、棒の投擲はリコ・ヴァリンの予想に無い攻撃だった。
高速で迫りくる鉄の棒は、リコ・ヴァリンの細い体など、一撃で粉砕するだろうと思わせる勢いがあった。
だが、スピードを売りにしているリコ・ヴァリンには、予想外の攻撃だったとしても、それに対処する事は十分に可能であった。
腰を落とし、鉄の棒をくぐり抜けて斬る。それが瞬時に出した答えだった。
しかし、実行に移そうとして気が付いた。
この軌道は・・・・・足元?
確かに投げられた弾道は、腰の辺りに狙いを付けられていた。
だがそれは、小柄な自分に対して的を外さないように、胴体に狙いを付けたのかと読んでいた。
だが違う。このままでは腰どころかもっと下、爪先か足元にぶつかる軌道だ。
コントロールミス?いいや、そんな事があり得るのか?この局面で愛用の武器を投げつけておいて、そんなミスをする男が、この船に密航できるのか?
なにを狙っている!?
警戒したリコ・ヴァリンは咄嗟に一歩後ろに飛んだ。
その行動が正しかったかどうか?その答えはすぐに出た。
リコ・ヴァリンは確かに見た。
自分が一歩後ろに飛んだその時、数メートル先で鉄の棒を投げたガラハドが、口の端を上げて確かに笑うのを。それは策士が罠にハメた時のような、ニヤリとした笑いだった。
その直後、一瞬前までリコ・ヴァリンが立っていた場所で、轟音とともに大きな爆炎が上がった。
ガラハドの魔道具、轟爆の鉄棒は、一定以上の力でその先端を叩きつけると、その衝撃の度合いに応じて爆発するのだ。
まともに受けていれば、リコ・ヴァリンとて無事ではすまなかった。
足に受けていれば、少なくとも骨は砕かれ、頼りの機動力は奪われていただろう。
その意味では、回避行動を選択した事は正解と言える。
ガラハドはリコ・ヴァリンには敵わない。
だが、ガラハドが全力で逃げに徹すれば、逃げ切れない事はない。
「アラタ!逃げるぞ!」
爆炎で自分とリコ・ヴァリンの間に炎の壁ができると、ガラハドは横たわるアラタの体を担ぎ上げた。190cmの長身と鍛え抜いた肉体は、人一人を担いでもまるで負担としなかった。そしてレイチェルには及ばなかったが、ガラハドもスピードはかなりのものである。
体格に見合わない軽やかな身のこなしで、折れた柱や、散らばった瓦礫、障害物を避けながら、そのまま上の階に飛び上がった。
唯一の武器を犠牲にしての逃げの一手。
これがこの場での最善手だと判断しての行動だった。
フロアから脱出する前に、一度だけ階下に顔を向けると、リコ・ヴァリンは顔を上げて、その紫色の瞳で確かにこちらを見ていた。
自分では勝つ事はできない。
帝国の実力者である事を示す深紅のマント。
その小さな体には、丸みのある肩当てと胸当て、肘から下の腕当て、膝から下への脛当てが身に着けられている。そしてそれらの装備も全て深紅に染められていた。
腰まである長く艶のある紫色の髪、そして髪と同じ紫色の瞳は、突然目の前に現れた大柄な男を観察するように見ている。
初めて見るリコ・ヴァリンは、自分の半分も生きていないだろう小柄な女だった。
だが、長年戦いに身を置いてきたガラハドは、その小さな体に秘められた驚異的な力を感じ取った。
持って生まれたものが違う。
リンジーがずいぶん恐れていたが、こうしてリコ・ヴァリンを目の前にして、その理由が分かった。
体が大きいから。腕力があるから。そんな事は問題にならない。
言うなれば戦闘におけるセンス。そのレベルが圧倒的に違っていた。
ガラハドは後ろで倒れているアラタに、チラリと目を向けた。
乗船までの七日間、ガラハドはアラタやビリージョーとも手合わせをしてきた。
アラタの技、格闘センスは目を見張る者があり、ボクシングという見た事もない素手での格闘術は、体格で大きく上回る自分を圧倒する事さえあった。
そのアラタが倒されている。
しかもリコ・ヴァリンの様子を見るに、リコ・ヴァリンは無傷だ。
つまりアラタが、一方的にボロボロにされたという事だ。
自分では勝つ事はできない。実力の差をガラハドは冷静に受け止めた。
だが・・・・・
ガラハドの武器は鉄の棒である。
およそ100cm程の長さのソレを、体格の良いガラハドは片手で軽々と操り、中心で握る事で攻撃をしながら防御の二役をこなしている。
そしてこの鉄の棒は、ただの鉄の棒ではない。先端が少し黒く汚れているが、それこそがこの魔道具、轟爆(ごうばく)の鉄棒、の能力ゆえである。
ガラハドの体勢がやや前傾になった事を受け、対峙するリコ・ヴァリンは、ガラスの剣を右手に持ち構えた。
ガラハドの武器が鉄の棒である事は、最初に投げつけられた事で分かった。
自分の武器であるガラスの剣は、斬撃を体力の続く限り撃ち続けられるが、その薄さゆえに非常にもろく、直接の斬り合いはできない。
リコ・ヴァリンは持ち前のスピードを生かし、相手の背後に回り込み直接斬りつける事もするが、それはリコ・ヴァリンだからこそ、できる芸当である。
ガラスの剣は本来、遠距離専用の武器と言ってもいい代物であった。
そんな直接戦闘に向かいガラスの剣を構え、リコ・ヴァリンはガラハドの挑戦を正面から受けるつもりだった。
ガラハドは右足を後ろに引き、今にも床を蹴って飛び込んできそうなほどに力を蓄えている。
・・・正面から来る。
目を細め、ガラハドの動きに集中する。
狙いはガラハドの首、射程に入ったら一太刀で切り裂き葬る。
目の前のこの男もかなりの実力者だという事は分かる。だが、それでも自分が負ける事はない。
しかし、遠距離攻撃で安全圏から、時間をかけて戦う事はできない。
水を踏む足元の感触に、リコ・ヴァリンは残り時間が僅かしかない事を感じ取った。
このまま浸水が進めば足場がどんどん奪われていく。
機動力に頼った戦い方の自分が、その機動力失ってしまえば、後れを取る事はないとしても、戦いが長引き、目的を果たす事ができなくなるかもしれない。そう考えたからだ。
リコ・ヴァリンは、否が応でも短期決戦をせざるを得なかった。
「フー・・・ハー・・・」
体に溜め込んだ力を解放するかのように、ガラハドは呼吸を深く吸ってゆっくりと吐き出す。
高められた気迫がピリピリとした圧力なり、リコ・ヴァリンにぶつけられる。
・・・来る
あと一呼吸の後に目の前の大柄な男は来る
リコ・ヴァリンはガラハドのどの方向からの攻撃であっても、その全てに合わせて一太刀のもとに葬る。それだけの集中力を見せていた
これはガラハドの一世一代の大博打だった
自分ではリコ・ヴァリンには勝てない
そして後ろではアラタが倒れている
この状況でガラハドが導き出した最善手は・・・・・
「ダラァッッッツ!」
気合と共に、長年使い込んだ相棒とも言える武器、轟爆の鉄棒を投げつけた。
「!?」
様々な攻撃パターンを予想し備えていたが、棒の投擲はリコ・ヴァリンの予想に無い攻撃だった。
高速で迫りくる鉄の棒は、リコ・ヴァリンの細い体など、一撃で粉砕するだろうと思わせる勢いがあった。
だが、スピードを売りにしているリコ・ヴァリンには、予想外の攻撃だったとしても、それに対処する事は十分に可能であった。
腰を落とし、鉄の棒をくぐり抜けて斬る。それが瞬時に出した答えだった。
しかし、実行に移そうとして気が付いた。
この軌道は・・・・・足元?
確かに投げられた弾道は、腰の辺りに狙いを付けられていた。
だがそれは、小柄な自分に対して的を外さないように、胴体に狙いを付けたのかと読んでいた。
だが違う。このままでは腰どころかもっと下、爪先か足元にぶつかる軌道だ。
コントロールミス?いいや、そんな事があり得るのか?この局面で愛用の武器を投げつけておいて、そんなミスをする男が、この船に密航できるのか?
なにを狙っている!?
警戒したリコ・ヴァリンは咄嗟に一歩後ろに飛んだ。
その行動が正しかったかどうか?その答えはすぐに出た。
リコ・ヴァリンは確かに見た。
自分が一歩後ろに飛んだその時、数メートル先で鉄の棒を投げたガラハドが、口の端を上げて確かに笑うのを。それは策士が罠にハメた時のような、ニヤリとした笑いだった。
その直後、一瞬前までリコ・ヴァリンが立っていた場所で、轟音とともに大きな爆炎が上がった。
ガラハドの魔道具、轟爆の鉄棒は、一定以上の力でその先端を叩きつけると、その衝撃の度合いに応じて爆発するのだ。
まともに受けていれば、リコ・ヴァリンとて無事ではすまなかった。
足に受けていれば、少なくとも骨は砕かれ、頼りの機動力は奪われていただろう。
その意味では、回避行動を選択した事は正解と言える。
ガラハドはリコ・ヴァリンには敵わない。
だが、ガラハドが全力で逃げに徹すれば、逃げ切れない事はない。
「アラタ!逃げるぞ!」
爆炎で自分とリコ・ヴァリンの間に炎の壁ができると、ガラハドは横たわるアラタの体を担ぎ上げた。190cmの長身と鍛え抜いた肉体は、人一人を担いでもまるで負担としなかった。そしてレイチェルには及ばなかったが、ガラハドもスピードはかなりのものである。
体格に見合わない軽やかな身のこなしで、折れた柱や、散らばった瓦礫、障害物を避けながら、そのまま上の階に飛び上がった。
唯一の武器を犠牲にしての逃げの一手。
これがこの場での最善手だと判断しての行動だった。
フロアから脱出する前に、一度だけ階下に顔を向けると、リコ・ヴァリンは顔を上げて、その紫色の瞳で確かにこちらを見ていた。
0
あなたにおすすめの小説
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
社畜をクビになった俺のスキルは「根回し」だけど、異世界では世界最強の裏方でした
cotonoha garden
ファンタジー
派手な攻撃魔法も、伝説級のチートもない。
社畜生活で身につけたのは、会議前の根回しと、空気を読みながら人と人をつなぐ段取り力――そして異世界で手に入れたスキルもまた、「根回し」だけだった。
『社畜の俺がもらったスキルは「根回し」だけど、なぜか世界最強らしい』は、
・追放・異世界転移ものが好き
・けれどただのざまぁで終わる話では物足りない
・裏方の仕事や調整役のしんどさに心当たりがある
そんな読者に向けた、“裏方最強”系ファンタジーです。
主人公は最初から最強ではありません。
「自分なんて代わりがきく」と思い込み、表舞台に立つ勇気を持てないままクビになった男が、異世界で「人と人をつなぐこと」の価値に向き合い、自分の仕事と存在を肯定していく物語です。
ギルド、ステータス、各国の思惑――テンプレ的な異世界要素の裏側で、
一言の声かけや、さりげない段取りが誰かの人生と戦争の行方を変えていく。
最後には、主人公が「もう誰かの歯車ではなく、自分で選んだ居場所」に立つ姿を、少しじんわりしながら見届けられるはずです。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
空を翔ける鷲医者の異世界行診録
川原源明
ファンタジー
異世界に飛ばされた外科医は、何故か巨大な鷲の姿で目を覚ました。
手術道具も病院もない世界で、彼は鋭い嘴と翼、そして医者としての知識を武器に、人助けと旅を続けることになる。
港町での診療や救助活動の最中、彼は裏社会に暗躍する組織――黒羽同盟の存在を知る。
些細な事件をきっかけに彼らの計画を阻み、やがて同盟幹部“刺青の男”との因縁が芽生える。
仲間の戦士バルグ、薬師リィナと共に各地を巡りながら、黒羽同盟の毒物流通や破壊工作を次々と阻止していく鷲医者。
だが、阻止するたびに組織の敵意は強まり、陰謀はより大きく、危険な形で彼らの旅路に絡みついていく――。
異世界の空を翔ける空飛ぶ医者と仲間たちの戦いは、いま大陸屈指の商業都市ヴァルメリアを舞台に、
黒羽同盟との避けられぬ衝突へと静かに加速していた。
冴えない経理オッサン、異世界で帳簿を握れば最強だった~俺はただの経理なんだけどな~
中岡 始
ファンタジー
「俺はただの経理なんだけどな」
ブラック企業の経理マンだった葛城隆司(45歳・独身)。
社内の不正会計を見抜きながらも誰にも評価されず、今日も淡々と帳簿を整理する日々。
そんな彼がある日、突然異世界に転生した。
――しかし、そこは剣も魔法もない、金と権力がすべての世界だった。
目覚めた先は、王都のスラム街。
財布なし、金なし、スキルなし。
詰んだかと思った矢先、喋る黒猫・モルディと出会う。
「オッサン、ここの経済はめちゃくちゃだぞ?」
試しに商店の帳簿を整理したところ、たった数日で利益が倍増。
経理の力がこの世界では「未知の技術」であることに気づいた葛城は、財務管理サービスを売りに商会を設立し、王都の商人や貴族たちの経済を掌握していく。
しかし、貴族たちの不正を暴き、金の流れを制したことで、
王国を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていく。
「お前がいなきゃ、この国はもたねえぞ?」
国王に乞われ、王国財務顧問に就任。
貴族派との経済戦争、宰相マクシミリアンとの頭脳戦、
そして戦争すら経済で終結させる驚異の手腕。
――剣も魔法もいらない。この世を支配するのは、数字だ。
異世界でただ一人、"経理"を武器にのし上がる男の物語が、今始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる