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689 大臣バルカルセルの提案
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青と白、海と生きるロンズデール国のイメージカラーだ。
光沢がある暗めのブルーのスーツに、清潔感のある白いシャツ、首から下げている青いの金具が付いた紐はループタイという物だ。
背は高くないが、がっしりとした大きな体で、年齢の割にはボリュームのある白髪は後ろに撫でつけられている。
「やぁ、よく来てくれた!待っていたぞ!」
従者の案内で通された大臣の執務室に入ると、大臣のバルカルセルはアラタ達の顔を見るなりイスから立ち上がり、大きく笑って迎え入れた。
「大臣、ご報告に上がりました」
ガラハドが前に出て一礼をすると、大臣は軽く手を振って頭を上げるように促した。
「いやいや、そうかしこまる事はない。昨日の内に早馬で帰って来た兵からおおまかには聞いていた。お前達はこの国の英雄だ。詳しく聞かせてくれ」
ソファに座るよう手を向けられ、アラタ達がそれぞれ腰を下ろすと、ビリージョーが代表して口を開いた。
「そうですね。長くなるかもしれませんが、順にご説明いたします。まず船に潜入した我々は・・・」
ビリージョーの説明の途中で、何度か口を挟んで不明点の確認などをする事はあったが、バルカルセルは基本的に話しの腰を折る事はせずに、最後まで説明を受けた。
「・・・まぁ、だいたいこんなところです。帝国との関係はこれまで通りとはいかないでしょう。いや、もう完全に決別したと言っていいでしょう」
ビリージョーが話しを終えると、バルカルセルは目を閉じて深く息を付いた。
早馬のからの一報を聞いた時には、国王やリンジー達の安否が確認でき、そして船が沈んだという事だけを耳にしていたが、当事者からの報告は想像以上に凄まじいものだった。
浸水に鮫、そしてカーンを始めとする魔道剣士や、帝国との戦いは全滅していてもおかしくなかった。
全員無事に帰還できたのは幸運だった。
報告を受けて、それを飲み込むために考えを整理しているのだろう。
腕を組んで目を閉じて押し黙る大臣に、誰も言葉をかけず、ただ黙って座っていた。
「・・・船を沈没させたのは、おそらく帝国だろうな・・・」
やがてポツリと呟いて目を開けると、大臣バルカルセルは宙に目をやって言葉を続けた。
「クルーズ船を成功させても帝国に不利益はない。むしろ裏で進めていた国売りの交渉も進ませる事ができただろう。だが、帝国の大臣を招待しておいて、その船が沈没なんてしてみろ?どれほどの賠償を要求されるか想像できるだろ?そこにつけこんで、今回一気に決めようとしたのだろうな」
「なるほど・・・しかし大臣、そうすると帝国は事を急いだように思えるのですが、なぜでしょう?これまでも時間をかけて侵略を進めてきたのに、なぜ突然こんなに強引な手段をとったのでしょうか?事実、帝国は失敗し貴重な戦力を失った」
船を破壊しなければ、少なくとも全滅する事はなかっただろう。
しかしそこまでのリスクをおかしてまで、今回のクルーズでロンズデールを確実に支配下に置こうとした。なぜだ?
レイチェルの疑問に、バルカルセルは思い当たる事があったようだ。
レイチェルの目を真っすぐに見て、真剣みを帯びた声で答えた。
「おそらくだが、クインズベリーの一戦だろう。キミ達が偽国王を倒した事実が、帝国に焦りをもたらしたのではないかと思う。クインズベリーが反撃の準備を整える前に、ロンズデールを完全に取り込んで牽制したかったのだろう」
大臣の推測にレイチェルは得心がいったようだ。
唇を隠すように指先を当て、なるほどと頷いた。
「さて、これからの事だが、こうなった以上、もう帝国との戦争は避けられないだろう。だが、大陸一の軍事国家の帝国を相手にして、ロンズデールに勝ち目はないだろう。そこで提案がある」
大臣のあらたまった言い方に、全員の視線が集まった。
ここでの提案とはなんだ?当然の疑問に、大臣はそれぞれの視線を受け止めて答えた。
「ロンズデールはクインズベリーとの同盟を希望する」
光沢がある暗めのブルーのスーツに、清潔感のある白いシャツ、首から下げている青いの金具が付いた紐はループタイという物だ。
背は高くないが、がっしりとした大きな体で、年齢の割にはボリュームのある白髪は後ろに撫でつけられている。
「やぁ、よく来てくれた!待っていたぞ!」
従者の案内で通された大臣の執務室に入ると、大臣のバルカルセルはアラタ達の顔を見るなりイスから立ち上がり、大きく笑って迎え入れた。
「大臣、ご報告に上がりました」
ガラハドが前に出て一礼をすると、大臣は軽く手を振って頭を上げるように促した。
「いやいや、そうかしこまる事はない。昨日の内に早馬で帰って来た兵からおおまかには聞いていた。お前達はこの国の英雄だ。詳しく聞かせてくれ」
ソファに座るよう手を向けられ、アラタ達がそれぞれ腰を下ろすと、ビリージョーが代表して口を開いた。
「そうですね。長くなるかもしれませんが、順にご説明いたします。まず船に潜入した我々は・・・」
ビリージョーの説明の途中で、何度か口を挟んで不明点の確認などをする事はあったが、バルカルセルは基本的に話しの腰を折る事はせずに、最後まで説明を受けた。
「・・・まぁ、だいたいこんなところです。帝国との関係はこれまで通りとはいかないでしょう。いや、もう完全に決別したと言っていいでしょう」
ビリージョーが話しを終えると、バルカルセルは目を閉じて深く息を付いた。
早馬のからの一報を聞いた時には、国王やリンジー達の安否が確認でき、そして船が沈んだという事だけを耳にしていたが、当事者からの報告は想像以上に凄まじいものだった。
浸水に鮫、そしてカーンを始めとする魔道剣士や、帝国との戦いは全滅していてもおかしくなかった。
全員無事に帰還できたのは幸運だった。
報告を受けて、それを飲み込むために考えを整理しているのだろう。
腕を組んで目を閉じて押し黙る大臣に、誰も言葉をかけず、ただ黙って座っていた。
「・・・船を沈没させたのは、おそらく帝国だろうな・・・」
やがてポツリと呟いて目を開けると、大臣バルカルセルは宙に目をやって言葉を続けた。
「クルーズ船を成功させても帝国に不利益はない。むしろ裏で進めていた国売りの交渉も進ませる事ができただろう。だが、帝国の大臣を招待しておいて、その船が沈没なんてしてみろ?どれほどの賠償を要求されるか想像できるだろ?そこにつけこんで、今回一気に決めようとしたのだろうな」
「なるほど・・・しかし大臣、そうすると帝国は事を急いだように思えるのですが、なぜでしょう?これまでも時間をかけて侵略を進めてきたのに、なぜ突然こんなに強引な手段をとったのでしょうか?事実、帝国は失敗し貴重な戦力を失った」
船を破壊しなければ、少なくとも全滅する事はなかっただろう。
しかしそこまでのリスクをおかしてまで、今回のクルーズでロンズデールを確実に支配下に置こうとした。なぜだ?
レイチェルの疑問に、バルカルセルは思い当たる事があったようだ。
レイチェルの目を真っすぐに見て、真剣みを帯びた声で答えた。
「おそらくだが、クインズベリーの一戦だろう。キミ達が偽国王を倒した事実が、帝国に焦りをもたらしたのではないかと思う。クインズベリーが反撃の準備を整える前に、ロンズデールを完全に取り込んで牽制したかったのだろう」
大臣の推測にレイチェルは得心がいったようだ。
唇を隠すように指先を当て、なるほどと頷いた。
「さて、これからの事だが、こうなった以上、もう帝国との戦争は避けられないだろう。だが、大陸一の軍事国家の帝国を相手にして、ロンズデールに勝ち目はないだろう。そこで提案がある」
大臣のあらたまった言い方に、全員の視線が集まった。
ここでの提案とはなんだ?当然の疑問に、大臣はそれぞれの視線を受け止めて答えた。
「ロンズデールはクインズベリーとの同盟を希望する」
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