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「アラタ君、おかえりなさい!」
城から戻ると、時計の針は丁度12時差したところだった。
アラタが事務所から出て来たところを見たカチュアが、小走りで近づいて来た。
「あ、カチュア!ただいま。丁度今帰って来たんだ」
「良かった。あのね、これからお昼に入るところだったの。今日はアラタ君が帰って来る時間が分からなかったから、お弁当じゃなくてキッチン・モロニーに行こうと思ってたんだ。ケイトさんと行く約束してたんだけど、アラタ君も一緒に行こうよ!」
「そうなんだ。じゃあ、ジャレットさんに聞いてくるね。ちょっと待ってて」
そう言って、防具コーナーへと小走りに行くアラタの背中を見送ると、事務所のドアがまた開き、今度はレイチェルが出て来た。
「おや、カチュア。こんなところで何してるんだい?」
「あ、レイチェル。おかえりなさい。今ね、アラタ君をお昼に誘ったの。ジャレットさんに話してくるって」
「そうか。今日の売れ行きはどうだい?」
「うーん、相変わらず武器と防具と、回復系の魔道具を買う人が多かったよ。お城での戦いの後からずっとだけど、傷薬は前と比べて日販平均が1.5倍くらいになってる。必要に応じて買ってた人が、備蓄するようになったんだろうって、ジャレットさんは言ってたけど・・・」
ジャレットの分析は当たっていた。
偽国王に城を半壊させられた事は、国中に大きな衝撃を与えた。
帝国が攻めてきたら?その不安が自衛手段としての行動を起こさせていた。
「そうか・・・カチュア、大変じゃないかい?傷薬はカチュアが担当してるだろ?今までの1.5倍の量を作ってたら、時間がいくらあっても足りないんじゃないのか?」
「うん、確かにちょっと大変にはなったけど、ユーリが手伝ってくれるから大丈夫だよ。あとね、私とユーリが調合してる時は、エルちゃんがレジしてくれたり、品出しもやってくれるから助かってる」
同じ白魔法使いでも、カチュアとユーリでは得意分野が違う。
カチュアは体力を回復させるヒールが得意で、ユーリは状態異常を治すキュアが得意である。
それは魔道具作りにも現れており、カチュアは傷薬。ユーリは魔力回復促進薬が得意であった。
エル・ラムナリンは、以前ディーロ兄弟がレイジェスを襲撃した時、たまたま店に居合わせた少女だった。その時にユーリに助けられ、店に遊びに来るようになったのだが、よく気が付き、積極的に店の手伝いをしていたため、今ではレイジェスのアルバイト店員になっている。
「そうか、それなら良かった。まだ小さいがエルはよくやってくれているな。こう売れてくると、エルを雇用しておいて本当に良かったと思うよ」
「うん、エルちゃんも仕事楽しいみたいだから、本当に良かったよ」
そこまで話した時、後ろからアラタとケイトが並んで歩いて来た。
途中で合流したらしく、昼食の話しをしている。
「お待たせ、ジャレットさんに話してきたよ。三人で行ってきていいって」
「あ、レイチェル、おかえり。お先に休憩もらうよ」
「ああ、行ってらっしゃい。私は店内を見回って来よう」
アラタとカチュアとケイトを手を振って見送ると、レイチェルは最初に防具コーナーへと移動した。
レイチェルが店を留守にしがちになったため、現在はジャレットが責任者として店を回しているためだ。
防具コーナーではジャレットがイスに腰をかけて、ペンを持ち買い取り台帳に目を落としていた。
自慢のロングウルフに、黒の革ジャン、インナーはやはりタンクトップというスタイルだ。
「ジャレット、お疲れ様」
「ん、おー!レイチーじゃねぇか。おかえり。今、アラやん達三人で休憩入れたから、レイチーはその後シーちゃんとユーリと一緒に入れよ」
カウンターの前に来たレイチェルに、ジャレットは軽く手を上げた。
「あぁ、じゃあそうさせてもらおうかな。話しがあるんだが、となりいいかい?」
「城の事か?いいぞ」
イスを出して勧めると、レイチェルはカウンターの中に入り腰を下ろした。
「どこから話そうか・・・そうだな、まず・・・」
レイチェルは、今日城でアンリエール女王に謁見した事、そしてその帰りにバリオスに会って話してきた事をジャレットに伝えた。
ビリージョーが爵位をもらう事や、ディリアンのベナビデス家に財産の一部が戻る事など、ジャレットは関心して耳を傾けていた。
「へぇ・・・それじゃあ、みんな満足できる褒美をもらったんだな。ロンズデールとの同盟も女王陛下は前向きなんだろ?このまま決まりそうだな」
一通りの報告を聞くと、ジャレットは腕を組んで、うんうんと二度三度頷いた。
「そうだな。同盟は問題ないだろう。帝国との兵力差もこれで埋まった。それにロンズデールには戦争の歴史はなくても、手練れは多かった。個人の力量も確かなものだぞ」
「そうか、魔道剣士ってのもその流れなら解散しそうだけど、まぁ兵士として残る事にはなるだろうしな。機会があれば手合わせしてみたいもんだ。ところで、店長の事だけどよ・・・」
「ん、店長がどうした?」
「マジで俺ら全員を、鍛え直すって言ってたの?」
「ああ、言っていた。ミゼルとリカルドは逃げそうだなとも言っていたな。
ジャレットは左手を右の肩に置くと腕をグルリと回すと、そのまま首も音を鳴らし回した。
「・・・そっかぁ、んじゃ気合入れねぇとな。多分よ、城での俺らの戦いが、あんまり不甲斐ないからガッカリしてんだ。こんなんじゃ帝国とやっても死ぬだけだぞ!ってな」
「フッ、理由は少し違うと思うが、前向きなのはいい事だな。お互い頑張ろうな」
嫌がるどころか張り切るジャレットを見て、レイチェルは目を細めた。
城から戻ると、時計の針は丁度12時差したところだった。
アラタが事務所から出て来たところを見たカチュアが、小走りで近づいて来た。
「あ、カチュア!ただいま。丁度今帰って来たんだ」
「良かった。あのね、これからお昼に入るところだったの。今日はアラタ君が帰って来る時間が分からなかったから、お弁当じゃなくてキッチン・モロニーに行こうと思ってたんだ。ケイトさんと行く約束してたんだけど、アラタ君も一緒に行こうよ!」
「そうなんだ。じゃあ、ジャレットさんに聞いてくるね。ちょっと待ってて」
そう言って、防具コーナーへと小走りに行くアラタの背中を見送ると、事務所のドアがまた開き、今度はレイチェルが出て来た。
「おや、カチュア。こんなところで何してるんだい?」
「あ、レイチェル。おかえりなさい。今ね、アラタ君をお昼に誘ったの。ジャレットさんに話してくるって」
「そうか。今日の売れ行きはどうだい?」
「うーん、相変わらず武器と防具と、回復系の魔道具を買う人が多かったよ。お城での戦いの後からずっとだけど、傷薬は前と比べて日販平均が1.5倍くらいになってる。必要に応じて買ってた人が、備蓄するようになったんだろうって、ジャレットさんは言ってたけど・・・」
ジャレットの分析は当たっていた。
偽国王に城を半壊させられた事は、国中に大きな衝撃を与えた。
帝国が攻めてきたら?その不安が自衛手段としての行動を起こさせていた。
「そうか・・・カチュア、大変じゃないかい?傷薬はカチュアが担当してるだろ?今までの1.5倍の量を作ってたら、時間がいくらあっても足りないんじゃないのか?」
「うん、確かにちょっと大変にはなったけど、ユーリが手伝ってくれるから大丈夫だよ。あとね、私とユーリが調合してる時は、エルちゃんがレジしてくれたり、品出しもやってくれるから助かってる」
同じ白魔法使いでも、カチュアとユーリでは得意分野が違う。
カチュアは体力を回復させるヒールが得意で、ユーリは状態異常を治すキュアが得意である。
それは魔道具作りにも現れており、カチュアは傷薬。ユーリは魔力回復促進薬が得意であった。
エル・ラムナリンは、以前ディーロ兄弟がレイジェスを襲撃した時、たまたま店に居合わせた少女だった。その時にユーリに助けられ、店に遊びに来るようになったのだが、よく気が付き、積極的に店の手伝いをしていたため、今ではレイジェスのアルバイト店員になっている。
「そうか、それなら良かった。まだ小さいがエルはよくやってくれているな。こう売れてくると、エルを雇用しておいて本当に良かったと思うよ」
「うん、エルちゃんも仕事楽しいみたいだから、本当に良かったよ」
そこまで話した時、後ろからアラタとケイトが並んで歩いて来た。
途中で合流したらしく、昼食の話しをしている。
「お待たせ、ジャレットさんに話してきたよ。三人で行ってきていいって」
「あ、レイチェル、おかえり。お先に休憩もらうよ」
「ああ、行ってらっしゃい。私は店内を見回って来よう」
アラタとカチュアとケイトを手を振って見送ると、レイチェルは最初に防具コーナーへと移動した。
レイチェルが店を留守にしがちになったため、現在はジャレットが責任者として店を回しているためだ。
防具コーナーではジャレットがイスに腰をかけて、ペンを持ち買い取り台帳に目を落としていた。
自慢のロングウルフに、黒の革ジャン、インナーはやはりタンクトップというスタイルだ。
「ジャレット、お疲れ様」
「ん、おー!レイチーじゃねぇか。おかえり。今、アラやん達三人で休憩入れたから、レイチーはその後シーちゃんとユーリと一緒に入れよ」
カウンターの前に来たレイチェルに、ジャレットは軽く手を上げた。
「あぁ、じゃあそうさせてもらおうかな。話しがあるんだが、となりいいかい?」
「城の事か?いいぞ」
イスを出して勧めると、レイチェルはカウンターの中に入り腰を下ろした。
「どこから話そうか・・・そうだな、まず・・・」
レイチェルは、今日城でアンリエール女王に謁見した事、そしてその帰りにバリオスに会って話してきた事をジャレットに伝えた。
ビリージョーが爵位をもらう事や、ディリアンのベナビデス家に財産の一部が戻る事など、ジャレットは関心して耳を傾けていた。
「へぇ・・・それじゃあ、みんな満足できる褒美をもらったんだな。ロンズデールとの同盟も女王陛下は前向きなんだろ?このまま決まりそうだな」
一通りの報告を聞くと、ジャレットは腕を組んで、うんうんと二度三度頷いた。
「そうだな。同盟は問題ないだろう。帝国との兵力差もこれで埋まった。それにロンズデールには戦争の歴史はなくても、手練れは多かった。個人の力量も確かなものだぞ」
「そうか、魔道剣士ってのもその流れなら解散しそうだけど、まぁ兵士として残る事にはなるだろうしな。機会があれば手合わせしてみたいもんだ。ところで、店長の事だけどよ・・・」
「ん、店長がどうした?」
「マジで俺ら全員を、鍛え直すって言ってたの?」
「ああ、言っていた。ミゼルとリカルドは逃げそうだなとも言っていたな。
ジャレットは左手を右の肩に置くと腕をグルリと回すと、そのまま首も音を鳴らし回した。
「・・・そっかぁ、んじゃ気合入れねぇとな。多分よ、城での俺らの戦いが、あんまり不甲斐ないからガッカリしてんだ。こんなんじゃ帝国とやっても死ぬだけだぞ!ってな」
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