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1238 西へ向かう者達
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「レイチェル、こっちだ」
レイジェスのメンバー達がインターバウルの外に出ると、大勢の兵達の中からゴールド騎士のアルベルト・ジョシュアが片手を上げて声をかけてきた。
その隣には透明感のある長く青い髪のもう一人のゴールド騎士、レイマート・ハイランドが腕を組んで立っていた。
「ジョシュア、それにレイマート、よろしく頼むぞ」
騎士団第一部隊隊長アルベルト・ジョシュア。
騎士団第二部隊隊長レイマート・ハイランド。
この二人は中間地点インターバウルから、西の山脈パウンド・フォーへと向かうメンバーである。
パウンド・フォー攻略の総司令官は軍の副団長カルロス・フォスターだが、その下で部隊の指揮を執る中心人物の二人だ。
「よぅ、またあの山だぜ?俺もお前もつくづく山に縁があるな」
レイチェルの顔を見ると、レイマートは少し眉を寄せて苦笑いをして見せた。
パウンド・フォーで闇の蛇と戦ってから、まだ半年も経っていないのだ。レイマートの言いたい事もレイチェルは十分に理解できた。
「しかたないさ。私もお前も、そういう運命だと思う事にしようじゃないか。真面目な話し、一度山頂付近まで登っているんだ。闇の蛇とも戦っているし、私達程の適任者はいないだろう」
「まぁ、やるしかねぇんだけどな。それで、お前んとこのあの光の使い手、サカキ・アラタはこっちには来ないんだよな?」
「ああ、アラタは北のユナニマス大川に行く。パウンド・フォーに行くレイジェスのメンバーは、まず私。それからミゼル・アルバラード。リカルド・ガルシア。ユーリ・ロサリオ。ケイト・ハワード。そして、アゲハ・シンジョウの合計6人だ」
レイマートの質問に、レイチェルは自分の後ろに立つ仲間達に手を向けた。
北に向かうメンバー達とはすでに別れており、残った6人は西の攻略組である。
それぞれが偽国王との戦いの後、アルベルトやレイマートとも顔を合わせているが、ここからの命運を共にする仲間としてあらためて名前を告げた。
「アラタの光の力が無い事は不安材料ではあるが、私とお前達の闘気、そしてアゲハの風の精霊の力も、闇と戦う事のできる力だ。大丈夫、何が来ても負けやしないさ」
それは楽観的に口にした言葉ではない。
事実、セドコン村の戦いではハビエルの闇に追い詰められたのだ。
闘気を持っていようとも、光りの力無くして、本物の闇と戦う事は困難を極める。
だがこれから戦地へ赴くのならば、気持ちで後ろを向くわけにはいかない。
絶対に勝つ。その精神が勝敗を左右するものだ。
アルベルトもレイマートもそれは十分に分かっている。
だからこそレイチェルの言葉に、そうだな、と頷く。そしてレイマートが思い出したように口を開いた。
「ああ、それと昨日騎士団で話し合ったんだが、エミリーをこっちに連れて来る事にした。おーい、エミリー」
後方で待機している騎士団に顔を向けて呼びかけると、青いローブを纏った、薄緑色の長い髪の女性が小走りに近づいてきた。
背丈はレイマートより10センチ程低く、165cmくらいに見える。
アルベルトとジョシュアの前まで来ると、女性はレイチェル達に向かって一礼をして、自己紹介を始めた。
「こんにちは、私はエミリー・マーシルです。青魔法使いでシルバー騎士の序列九位です」
「ああ、キミとはパウンド・フォーで会ったな」
見覚えのある顔に、レイチェルが軽く頷いて言葉を返した。
エミリー・マーシルはレイマート達と一緒に、パウンド・フォーで多くの闇の蛇に襲われたため、洞窟に避難して救援を待つ事になった。その時に駆けつけたメンバーの一人がレイチェルである。
「はい、その節は本当にお世話になりました。皆さんのおかげで、私達は無事に帰って来る事ができました」
「同郷の人間として当然の事をしただけさ。それに山を降りる時は、キミの魔道具にずいぶん助けられた。あ、そうか・・・それでキミがこっちに来るのか?」
思い当たるところがあり、レイチェルがエミリーとレイマートの顔を交互に見ると、レイマートは正解だと言うように、ニっと笑って見せた。
「その通りだ。エミリーの魔道具、消身の壺は、闇からも身を隠せる。光の力を持つサカキ・アラタがいない分、闇に対抗できる力は一つでも多く欲しいからな。それに暗くなった場合、川より山の方が危険だろ?」
北のユナニマス大川は砂漠地帯という事もあり、全体的に見通しは良い。
対してパウンド・フォーは山の中であり、小さな蛇もまだ数多く残っている。暗くなった時の事を考えれば、姿を隠せる消身の壺は絶対に欲しい。
「なるほど、確かにその通りだ。消身の壺の有用性はパウンド・フォーで経験したが、障害物の多い山中で身を隠せるのは本当に助かる。敵の不意打ちも防げるし、足元の蛇に噛まれる心配もない。エミリー、頼りにさせてもらうよ」
「はい、お任せください!」
一度パウンド・フォーから生還している事もあるのだろう。
ニコリと笑って答えるエミリーからは、以前より自分に対して自信を持っているように感じられた。
「パウンド・フォーは俺達で突破する。やってやろうぜ」
そしてアルベルトが拳を握り締め、力強く言葉を発すると、レイジェスのメンバー達もその顔をしっかりと見つめ、おう!と、大きく頷いて応えた。
レイジェスのメンバー達がインターバウルの外に出ると、大勢の兵達の中からゴールド騎士のアルベルト・ジョシュアが片手を上げて声をかけてきた。
その隣には透明感のある長く青い髪のもう一人のゴールド騎士、レイマート・ハイランドが腕を組んで立っていた。
「ジョシュア、それにレイマート、よろしく頼むぞ」
騎士団第一部隊隊長アルベルト・ジョシュア。
騎士団第二部隊隊長レイマート・ハイランド。
この二人は中間地点インターバウルから、西の山脈パウンド・フォーへと向かうメンバーである。
パウンド・フォー攻略の総司令官は軍の副団長カルロス・フォスターだが、その下で部隊の指揮を執る中心人物の二人だ。
「よぅ、またあの山だぜ?俺もお前もつくづく山に縁があるな」
レイチェルの顔を見ると、レイマートは少し眉を寄せて苦笑いをして見せた。
パウンド・フォーで闇の蛇と戦ってから、まだ半年も経っていないのだ。レイマートの言いたい事もレイチェルは十分に理解できた。
「しかたないさ。私もお前も、そういう運命だと思う事にしようじゃないか。真面目な話し、一度山頂付近まで登っているんだ。闇の蛇とも戦っているし、私達程の適任者はいないだろう」
「まぁ、やるしかねぇんだけどな。それで、お前んとこのあの光の使い手、サカキ・アラタはこっちには来ないんだよな?」
「ああ、アラタは北のユナニマス大川に行く。パウンド・フォーに行くレイジェスのメンバーは、まず私。それからミゼル・アルバラード。リカルド・ガルシア。ユーリ・ロサリオ。ケイト・ハワード。そして、アゲハ・シンジョウの合計6人だ」
レイマートの質問に、レイチェルは自分の後ろに立つ仲間達に手を向けた。
北に向かうメンバー達とはすでに別れており、残った6人は西の攻略組である。
それぞれが偽国王との戦いの後、アルベルトやレイマートとも顔を合わせているが、ここからの命運を共にする仲間としてあらためて名前を告げた。
「アラタの光の力が無い事は不安材料ではあるが、私とお前達の闘気、そしてアゲハの風の精霊の力も、闇と戦う事のできる力だ。大丈夫、何が来ても負けやしないさ」
それは楽観的に口にした言葉ではない。
事実、セドコン村の戦いではハビエルの闇に追い詰められたのだ。
闘気を持っていようとも、光りの力無くして、本物の闇と戦う事は困難を極める。
だがこれから戦地へ赴くのならば、気持ちで後ろを向くわけにはいかない。
絶対に勝つ。その精神が勝敗を左右するものだ。
アルベルトもレイマートもそれは十分に分かっている。
だからこそレイチェルの言葉に、そうだな、と頷く。そしてレイマートが思い出したように口を開いた。
「ああ、それと昨日騎士団で話し合ったんだが、エミリーをこっちに連れて来る事にした。おーい、エミリー」
後方で待機している騎士団に顔を向けて呼びかけると、青いローブを纏った、薄緑色の長い髪の女性が小走りに近づいてきた。
背丈はレイマートより10センチ程低く、165cmくらいに見える。
アルベルトとジョシュアの前まで来ると、女性はレイチェル達に向かって一礼をして、自己紹介を始めた。
「こんにちは、私はエミリー・マーシルです。青魔法使いでシルバー騎士の序列九位です」
「ああ、キミとはパウンド・フォーで会ったな」
見覚えのある顔に、レイチェルが軽く頷いて言葉を返した。
エミリー・マーシルはレイマート達と一緒に、パウンド・フォーで多くの闇の蛇に襲われたため、洞窟に避難して救援を待つ事になった。その時に駆けつけたメンバーの一人がレイチェルである。
「はい、その節は本当にお世話になりました。皆さんのおかげで、私達は無事に帰って来る事ができました」
「同郷の人間として当然の事をしただけさ。それに山を降りる時は、キミの魔道具にずいぶん助けられた。あ、そうか・・・それでキミがこっちに来るのか?」
思い当たるところがあり、レイチェルがエミリーとレイマートの顔を交互に見ると、レイマートは正解だと言うように、ニっと笑って見せた。
「その通りだ。エミリーの魔道具、消身の壺は、闇からも身を隠せる。光の力を持つサカキ・アラタがいない分、闇に対抗できる力は一つでも多く欲しいからな。それに暗くなった場合、川より山の方が危険だろ?」
北のユナニマス大川は砂漠地帯という事もあり、全体的に見通しは良い。
対してパウンド・フォーは山の中であり、小さな蛇もまだ数多く残っている。暗くなった時の事を考えれば、姿を隠せる消身の壺は絶対に欲しい。
「なるほど、確かにその通りだ。消身の壺の有用性はパウンド・フォーで経験したが、障害物の多い山中で身を隠せるのは本当に助かる。敵の不意打ちも防げるし、足元の蛇に噛まれる心配もない。エミリー、頼りにさせてもらうよ」
「はい、お任せください!」
一度パウンド・フォーから生還している事もあるのだろう。
ニコリと笑って答えるエミリーからは、以前より自分に対して自信を持っているように感じられた。
「パウンド・フォーは俺達で突破する。やってやろうぜ」
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