異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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「カカーチェ様、現在黒魔法兵と交戦中のクインズベリーの魔法使いですが、四勇士のシャクール・バルデスのようです」

砂漠に流れる大川を挟んで帝国側では、副団長のアーロン・カカーチェの一歩後ろに立つ大柄な男が、戦況の報告を行っていた。

カカーチェよりも頭二つは高く、身長は2メートル近くあるかもしれない。短く刈り上げた金髪、鋭く細い青い目、年齢は三十代半ばくらいだろう。
がっしりとしてバランスの取れた体付きから、典型的な体力型だと一目で分かる。しかしただ立っているだけでも感じられるオーラのようなものが、この男の潜在能力の高さが、体力型の中でも抜きんでたものであると教えていた。

「四勇士・・・ふむ、国王に化けて潜り込んでいたマウリシオの報告にあったな。クインズベリーの守護者として、城を第一に護っているとか。めったに人前に出てこんと聞いておったが、フッ、アンリエールめ・・・戦争に勝つため引っ張り出してきおったのか?」

クックックと笑うカカーチェを見て、大柄な男は訊ねた。

「カカーチェ様・・・クインズベリーの女王を知っておられるのですか?」

この笑い方は、単にクインズベリー国女王のアンリエールの存在を知っているものではない。
もっと個人的な何か、少なくとも面識がなければ出ない笑いだ。
そう感じた大柄な男の質問に、カカーチェは振り返って答えた。

「クックック・・・なぁに、もう三十年以上も昔の事じゃ。まだクインズベリーと帝国が積極的に交流を持っていた頃、魔法の指南のためにワシがクインズベリーに行った事があってな、その時まだ小さな娘っ子じゃったアンリエールと会った事があるんじゃ」

「それは・・・聞いた事があります。剣や魔法を両国で高め合う事を目的とし、両国で優れた剣士や魔法使いを派遣して指南をすると」

「そう、それじゃ。ガルバン、お主が生まれた頃くらいかのう?まぁ指南と言っても他国に手の内をさらけ出す事はせんからな。少しの手ほどきはしてやるが、必要以上に伸ばす事はせんかった。クインズベリーも同じだったはずじゃ。それで当時、時期幹部として名が上がっておったワシが出向いたわけじゃが、訓練中にいつの間にか幼子が紛れ込んでおってな、興味深そうにワシをじっと見るんじゃ・・・」

カカーチェはそこで一度言葉を切ると、当時を懐かしむように空に目を向けた。

ガルバンと呼ばれた大柄な男は口を挟む事なく、カカーチェの次の言葉を待った。
そしてカカーチェは一つ息をつくと、ガルバンに顔を向けて話しの確信に触れた。

「・・・それが王女アンリエールじゃった。謁見の時に女王と一緒におったから顔は覚えておった。なぜこんな訓練場に王女がいるのか分からんかったが、アンリエールは何が面白いのかじっとワシを見るんじゃ。その時ワシはな、ふと、アンリエールが白魔法使いと聞いた事を思い出した。それでほんの遊び心でアンリエールに言ったんじゃ、王女様も訓練してみますか?とな」

「・・・それで王女は、カカーチェ様から魔法の教えを受けたのですか?」

「・・・あれは天才といっていい。あの年でワシの教えた事をみるみる吸収していきよった。あの時ばかりはワシも純粋に魔法使いとして、この才気ある魔法使いを育てたいと思ったほどじゃ。惜しむらくはアンリエールが王女だった事じゃ・・・身分が魔法使いよりも、王女としてのアンリエールを求めた。もし白魔法使いとして研鑽を積んでおれば、今頃大陸に名をはせた白魔法使いになっておったじゃろう・・・」

カカーチェはスっと遠くの空に視線を送り、そして口を閉ざした。

ガルバンもカカーチェの複雑な心中を察してか、言葉をかける事はしなかった。
そして時間にして十数秒ほどの沈黙の後、カカーチェはフッと笑って口を開いた。


「あの小さかった女子が今は女王となり、ワシと戦う事になるとはな・・・ガルバンよ、長生きすると面白い事もあるものよな、特に人と人との縁とやらは実に面白い・・・」

カカーチェはクックックと笑うと腕を組み、上空でぶつかり合う魔力と魔力、クインズベリーの四勇士シャクール・バルデスと、帝国の荒くれ者ロバート・フラナガンの戦いを見やった。


アンリエールよ、この二人の戦いは、ワシと貴様の代理戦争よな。

貴様の国の守護者とやらがどれほどの者か、このフラナガンを相手にどこまでやれるのか?
しかと見極めさせてもらうぞ。







「・・・ふぅ、私はシャクール・バルデスと言う。覚えておけ」

シャクール・バルデスは、わずかに乱れた銀色の前髪をかき上げると、正面の真紅のローブを纏った男を観察するように見た。

「・・・あ?いきなりなんだよ?」

フラナガンは首を傾げると、眉間にシワを寄せてシャクールを見る。

「私の名だ、親切心で教えてあげたのだよ。私の爆裂弾を弾き飛ばすとはすごいじゃないか?貴様が思ったよりもやるものだからね、自分が死ぬ時に、自分に勝った男の名前くらいは知っておきたいのではないかと思ってね。余計なお世話だったかな?」

自分は素晴らしい申し出をしている。シャクールの口調から本気でそう思っている事が伝わり、フラナガンの額に青筋が浮き出た。


「・・・ずいぶん舐めた事言ってくれんじゃねぇか?おもしれぇよ、俺にそんな事言ったのはてめぇが初めてだぜ。いいだろう、だったら俺の名も教えてやるよ。俺はロバート・フラナガンだ。てめぇを殺す男として覚えとけぇぇぇぇぇーーーーーーッツ!」

激高したフラナガンの体から魔力がほとばしり、シャクールの体を打ち付ける!

「いや、必要ない。これから死ぬ男の名に何の意味があるのかね?」

シャクールの体から放出された魔力が、フラナガンの魔力を押し返しす。


「貴様もこの川に沈めてやろう」

シャクールが頭上に右手を上げると、黒い雲が集まりだした。

「・・・あ?なんだこれ?空が急に暗く・・・」

「焼かれて死ぬがいい!」

シャクールが右手を振り下ろすと、強烈な光とともに黒い雲を切り裂いて雷が落ちた!
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