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1335 青い瞳の女の影
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「なっ!?」
それを目にした時、俺は目を開いて驚きの声を上げていた。
視線の先でゴールド騎士の、フェリックス・ダラキアンが突然倒れたからだ。
フェリックスが地面を蹴って、シャンテル・ガードナーの首を刎ねるまでにかかる時間は一秒にも満たない。魔法使いのシャンテルが、この刹那の一瞬に反応できるはずがない。
つまり反撃は不可能という事になるが、であればなぜフェリックスが倒れたのか説明がつかない。
あの一瞬でいったい何があったんだ?
俺の目はあの瞬間のフェリックスの動きを追う事ができた。
フェリックスの剣がシャンテルの首に向けて振られたその時、急に体を動かす力が消えてしまったかのように、ガクッと砂の上に崩れ落ちたんだ。その間シャンテルは微動だにしなかった。
いったい何が・・・・・
「・・・苦しい思いをさせて申し訳ありません。ですがすぐに楽になりますからね。抗わずにそのまま眠りについてください」
倒れ伏すフェリックスの元に、シャンテルが近づき声をかける。
そこで俺は我に返った。
まずい!止めを刺す気だ!
「やめろぉぉぉぉぉーーーーーーーーッツ!」
俺は地面を強く蹴ると、拳を握り締めてシャンテル・ガードナーに背後から飛び掛かった。
咄嗟の事だった。策も何もない。
フェリックスがなぜ倒れたのか?何をされたのか?謎は全く解けない。
しかしここで行かなければ、フェリックスが殺される事だけは間違いない。それだけは阻止しなければならない。
しかし振りかぶった拳をシャンテル・ガードナーの頭に叩きこもうとして、ふいに体が固まった。
そして拳を放つまでの刹那の時に、様々な思いが俺の脳を駆け巡った。
本当に殴るのか?俺が女性を?光の力を使わなくても、今の俺が女性を全力で殴りつければどうなる?
いや、これは戦争だ!すでに男は何人もこの拳で殺しているんだ。
今更女性だからと言って拳を引くのか!?そんな甘い考えでこの先も戦っていけるのか!?
・・・・・俺は
「・・・くそっ!」
握った拳を開き、俺はシャンテル・ガードナーの肩に手を伸ばして取り押さえようとした。
駄目だ!やっぱりどうしても殴れない!戦争だからと言って女性を殴ったら、俺はカチュアともう笑って話せない気がする。カチュアは俺を責めないだろう。けれどきっと心を痛めるはずだ。カチュアを悲しませる戦い方はできない!
戦争だからと言っても超えてはならない一線がある。自己満足の綺麗ごとだとしても、俺は女性は殴らない!
腕力は俺の方が上なんだ、殴らなくても取り押さえればいい!
そして伸ばした右手がシャンテル・ガードナーの肩に触れようとしたその時、腰まである長い金色の髪が風になびき、絹糸のように細い髪の揺れる隙間から、まるで宝石のように透き通った青い瞳と目が合った。
「お優しい方ですね」
凛とした声音がやけにハッキリと耳に届いた。
まるでシャンテル・ガードナーの声以外、全ての音が消えてしまったのかのように、俺の脳はこの青い瞳の女性の声だけを認識した。周囲の騒音など一切気にならない、いや聞こえなくなっていた。
そしてシャンテル・ガードナーの青い瞳が悲し気に伏せられた次の瞬間、俺の全身から一気に力が抜け落ちて、俺は砂の上に頭から倒れ込んだ。
なん、だ・・・こ、これは・・・?
疲れ果ててもう一歩も歩けないだとか、腕が上がらないだとか、そんな次元の話しじゃない。
全身にまったく力が入らなくて、指の一本でさえ動かせない。
「う・・・ぐぅ・・・こ、れ・・・は・・・・・」
体中の力が無くなる。そう、これはそうとしか表現ができない。
しかもゆるやかに徐々に無くなるのではなく、百あったものが一気にゼロになる感覚だ。
視界も急速に悪くなり、さっきまで見えていた景色がぼやけだして、耳に聞こえる音も遠くなっていった。
攻撃を受けた覚えはない。確実に何かをされているが、それが何なのか全く想像もつかない。
しかし体から力が無くなっていく今の自分の状態が、非常に危険である事だけは理解できた。
痛みは無い。息苦しさを感じるわけでもない。
けれど体は動かせず、物も見えなくなり、音も聞こえなくなっていく。これではまるで・・・・・
まずい・・・・・このまま意識を失う事だけは絶対にダメだ!
「・・・まだ聞こえますか?今あなたの身に何が起きているか、ご説明いたします」
薄れゆく意識を懸命に繋ぎ止める俺の顔に、青い瞳の女の影が落ちた。
それを目にした時、俺は目を開いて驚きの声を上げていた。
視線の先でゴールド騎士の、フェリックス・ダラキアンが突然倒れたからだ。
フェリックスが地面を蹴って、シャンテル・ガードナーの首を刎ねるまでにかかる時間は一秒にも満たない。魔法使いのシャンテルが、この刹那の一瞬に反応できるはずがない。
つまり反撃は不可能という事になるが、であればなぜフェリックスが倒れたのか説明がつかない。
あの一瞬でいったい何があったんだ?
俺の目はあの瞬間のフェリックスの動きを追う事ができた。
フェリックスの剣がシャンテルの首に向けて振られたその時、急に体を動かす力が消えてしまったかのように、ガクッと砂の上に崩れ落ちたんだ。その間シャンテルは微動だにしなかった。
いったい何が・・・・・
「・・・苦しい思いをさせて申し訳ありません。ですがすぐに楽になりますからね。抗わずにそのまま眠りについてください」
倒れ伏すフェリックスの元に、シャンテルが近づき声をかける。
そこで俺は我に返った。
まずい!止めを刺す気だ!
「やめろぉぉぉぉぉーーーーーーーーッツ!」
俺は地面を強く蹴ると、拳を握り締めてシャンテル・ガードナーに背後から飛び掛かった。
咄嗟の事だった。策も何もない。
フェリックスがなぜ倒れたのか?何をされたのか?謎は全く解けない。
しかしここで行かなければ、フェリックスが殺される事だけは間違いない。それだけは阻止しなければならない。
しかし振りかぶった拳をシャンテル・ガードナーの頭に叩きこもうとして、ふいに体が固まった。
そして拳を放つまでの刹那の時に、様々な思いが俺の脳を駆け巡った。
本当に殴るのか?俺が女性を?光の力を使わなくても、今の俺が女性を全力で殴りつければどうなる?
いや、これは戦争だ!すでに男は何人もこの拳で殺しているんだ。
今更女性だからと言って拳を引くのか!?そんな甘い考えでこの先も戦っていけるのか!?
・・・・・俺は
「・・・くそっ!」
握った拳を開き、俺はシャンテル・ガードナーの肩に手を伸ばして取り押さえようとした。
駄目だ!やっぱりどうしても殴れない!戦争だからと言って女性を殴ったら、俺はカチュアともう笑って話せない気がする。カチュアは俺を責めないだろう。けれどきっと心を痛めるはずだ。カチュアを悲しませる戦い方はできない!
戦争だからと言っても超えてはならない一線がある。自己満足の綺麗ごとだとしても、俺は女性は殴らない!
腕力は俺の方が上なんだ、殴らなくても取り押さえればいい!
そして伸ばした右手がシャンテル・ガードナーの肩に触れようとしたその時、腰まである長い金色の髪が風になびき、絹糸のように細い髪の揺れる隙間から、まるで宝石のように透き通った青い瞳と目が合った。
「お優しい方ですね」
凛とした声音がやけにハッキリと耳に届いた。
まるでシャンテル・ガードナーの声以外、全ての音が消えてしまったのかのように、俺の脳はこの青い瞳の女性の声だけを認識した。周囲の騒音など一切気にならない、いや聞こえなくなっていた。
そしてシャンテル・ガードナーの青い瞳が悲し気に伏せられた次の瞬間、俺の全身から一気に力が抜け落ちて、俺は砂の上に頭から倒れ込んだ。
なん、だ・・・こ、これは・・・?
疲れ果ててもう一歩も歩けないだとか、腕が上がらないだとか、そんな次元の話しじゃない。
全身にまったく力が入らなくて、指の一本でさえ動かせない。
「う・・・ぐぅ・・・こ、れ・・・は・・・・・」
体中の力が無くなる。そう、これはそうとしか表現ができない。
しかもゆるやかに徐々に無くなるのではなく、百あったものが一気にゼロになる感覚だ。
視界も急速に悪くなり、さっきまで見えていた景色がぼやけだして、耳に聞こえる音も遠くなっていった。
攻撃を受けた覚えはない。確実に何かをされているが、それが何なのか全く想像もつかない。
しかし体から力が無くなっていく今の自分の状態が、非常に危険である事だけは理解できた。
痛みは無い。息苦しさを感じるわけでもない。
けれど体は動かせず、物も見えなくなり、音も聞こえなくなっていく。これではまるで・・・・・
まずい・・・・・このまま意識を失う事だけは絶対にダメだ!
「・・・まだ聞こえますか?今あなたの身に何が起きているか、ご説明いたします」
薄れゆく意識を懸命に繋ぎ止める俺の顔に、青い瞳の女の影が落ちた。
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