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「これは・・・!」
魔法ではない。フェリックス・ダラキアンの七色の剣から放たれた七色の波動は、ラザレナがこれまで見た事のないエネルギーだった。
これは魔導具によるものか?しかしこの力が魔道具で出せるものだろうか?
いや待て、このエネルギーは何かに似ている。もしやこの力は精霊!?
それに気が付くと同時に、この七色の波動をくらってはまずいと瞬時に判断した。
ラザレナは強く地面を蹴って上空へと逃れ、七色の波動を躱した。
しかし上に跳んだ自分より、更に高い場所から声が降ってきた。
「すぐに上に逃げるのは悪手じゃない?」
「!?」
ラザレナが顔を上げると、そこには金髪の女戦士ラクエルが、ニヤリと笑って待ち構えていた。
こいつ!いつの間に上を取られた!?
いや、それよりもこの女、こいつシャンテルの足元に倒れていたはずでは!?
ラザレナが驚きに目を開くと、ラクエルは右手に握っていた白いナイフを振り下ろした!
とっさに右手に持つ深紅の片手剣で受けたが、体重を乗せて上から叩きつけるラクエルの一撃は、ラザレナを地面へと吹っ飛ばした。
「よし!」
確かな手ごたえに、ラクエルは拳を握り締めてニヤリと笑った。
ラクエルの一撃はラザレナの剣に防がれたため、ダメージは与えていない。しかしそれで充分だった。
肝心なのは、ラクエルの持つ白いナイフ、氷結のナイフの能力にこそあるのだから。
勢いよく地面に衝突しそうになったラザレナだが、体を縦に回転させて軽やかに砂の上に着地すると、そのまま地面を蹴って後ろに飛び退いた。
あの女、確かにシャンテルの足元に倒れていたはず。死んでいなかった?いや、私はずっとシャンテルを見ていたけど、あの女は間違いなくシャンテルの死の魔力を浴びていた。
ではいったいどうして?
「・・・っ!?」
そこまで考えて異変に気が付いた。
・・・冷たい?指、動かない?冷気?
後ろに跳びながら妙に冷たい右手に目を向けて、ラザレナは眉を上げた。
ラクエルの魔道具、氷結のナイフは、触れた物を氷で固める能力を持っている。
氷結のナイフを深紅の片手剣で受けたという事は、その剣は当然氷漬けにされるという事である。
そして刃を凍らせた次は、剣を握る右腕にも浸食は進んでいたのだ。
指先が氷で固められ、握っている剣を離す事もできない。
深紅の片手剣、血狂刃を封じられ、ラザレナもこの腕ではまともには戦えないだろう。
戦闘で片腕が使えないという大きなハンデを負ったはずだが、この状況でラザレナは笑った。
「・・・あら?すごい。ふふふ、面白い事するじゃない」
ラザレナにとっての戦いとは狩りである。
もちろんラザレナが狩る側で、他は全て獲物である。
しかしただ狩るだけではつまらない。
最後に自分が仕留める事は決まっているが、獲物は抵抗するからこそ楽しいのである。
これまでの狩りは逃げる獲物ばかりでまったく楽しめなかった。
しかしこのクインズベリー軍はどうだ?
爪と牙を持ち、自分に一撃を食らわせる者までいる。
「うふふ、面白いわ。最高じゃない」
「何も面白くねぇよ」
後方に跳躍したラザレナが砂の上に足を着いたその時、ラザレナの背後に何者かが立った。
気配を感じたその瞬間、ラザレナは腰を深く落とした。
その直後、頭上を銀色に輝く鋭い何かが掠め、ラザレナの赤い髪を数本斬り払った。
「チッ!速い!」
背後からの攻撃を仕掛けたのはジャレット・キャンベルだった。
予想以上の反応速度を見せたラザレナに躱されてしまったが、ジャレットはすぐにオーラブレードを頭上に掲げ、ラザレナの頭を目掛けて振り下ろした!
「ぐッ!?」
しかしジャレットがオーラブレードを振り下ろしたその時、ラザレナは左手を軸に体を独楽のように回し、ジャレットの足を蹴り払っていた。
「パワーはありそうだけど、スピードはいまいちね?それじゃ私を捉える事はできないわね」
それは足払いと言うには強烈過ぎる蹴りだった。
両足が浮かされ受け身もとれずに、ジャレットは背中から砂の上に落とされる。
「このっ・・・うぐっ!」
「この右手、凍ってるけど使えないわけじゃないのよね。先は尖ってるから、刺したり斬ったりできそうだと思わない?」
体を起こそうとしたジャレットの腹を踏みつけ、ラザレナは氷漬けにされた自分の右手で、ジャレットの頬を撫でた。スッと皮膚が裂けて縦に一本の線が入ると、一筋の赤い血が流れた。
「ところで・・あなたもシャンテルの横に転がっていたわよね?どういう事かしら?死んだはずだけど、なんで生きてるの?もしかして最初から死んでなかったのかしら?」
「うっせぇよボケ!この足をどけろ!」
「あらあら・・・ふふふ、下品ねぇ?まぁいいわ、言葉が通じないなら、この口いらないわよね?このまま刺して右の頬と左の頬を繋げてあげようかしら?」
「・・・へっ、できるもんならやってみろよ?」
腹を踏みつけられ、氷で固められた刃の切っ先を突き付けられながらも、ジャレットはニヤリと笑った。
この状況でなぜここまで余裕があるのか?ラザレナが眉を顰(ひそ)めると、後ろから飛び掛かって来た男が、ラザレナの両脇の下から腕を刺しこんで羽交い絞めにした。
「押さえた!」
叫んだのは黒髪黒目の男、アラタだった。
「あら?あなたも復活したの?本当にどういう事?」
背後から体を押さえつけられても、ラザレナに焦りの色はまるで見られなかった。
それどころか話す言葉には余裕さえ感じられる。首を回して後ろに目を向け、自分を押さえる黒髪の男を見ると、この男もシャンテルの足元に倒れていたと気が付き、怪訝そうに眉根を寄せた。
「悪いけどこのまま拘束させてもら・・・!?」
そこまで言った時、突然アラタの視界が上下逆転し、思考が停止した一瞬の後、背中から地面に投げ落とされた。
「がぁっ!」
「うふふ、砂の上で良かったわね」
砂の上に両手両足を投げ出して倒れるアラタの顔を上から覗き込み、ラザレナは目を細めて笑った。
羽交い絞めにされていたラザレナだったが、肩と肘の関節を本来の可動域以上に曲げ、アラタの腕に隙間ができた瞬間にするりと抜け出すと、そのまま自由の利く左手一本でアラタの胸倉を掴み、力任せに投げ飛ばしたのだ。
「おい、てめぇ・・・アラやんから離れろよ」
「ふふふ・・・いい目だわ。本当に素敵ね、あなた達・・・」
立ち上がったジャレットが、オーラブレードをラザレナに突き付けると、ラザレナはジャレットを見つめ、それから後ろを振り返った。
「そのオーラ、最初に撃った波動はあなたね?」
背後から向けられる凄まじい闘気、ラザレナが感じ取ったオーラの主は、ゴールド騎士フェリックス・ダラキアンだった。
七色の淡い光を放つ幻想の剣を携えながら、ゆっくりとラザレナに歩き近づく。
「あんたを倒せばこの戦場はボクらの勝ちみたいだね。悪いけどここで斬らせてもらうよ」
「いい・・・いいわ、その真っすぐな殺意。とても素敵だわ」
フェリックスは一目でラザレナの力量を見抜いた。そしてお互いの射程内ギリギリで足を止めると、薄紫色の瞳をスッと細めて剣を構え、臨戦態勢に入った。
「右手を凍らせたのにそれだけ動けるなんてね・・・あんた何者?多対一だけどさ、これは戦争だから文句はないよね?」
横から入って来た声に、ラザレナは対峙するフェリックスから視線を外すと、自分の左手側に顔を向けた。
そこには自分の右腕を氷漬けにしたラクエル・エンリケスが立っていた。
ラザレナの間合いギリギリで足を止め、隙を伺うように鋭い視線を向けている。
「ああ、これね?氷なんて私には通用しないわよ、ほら、この通り」
ラクエルの視線が自分の右手に向いている事を見て、ラザレナは剣先から手首まで、氷で固められた右手を顔の横にまで持ち上げた。そして目を細めて微笑んだ次の瞬間、氷漬けの右手が炎に包まれた。
「っ!?・・・マジかぁ、あんた火を使う魔道具でも持ってんの?」
一瞬にして溶かされた氷は、水の塊となってバシャッと零れ落ち、砂の中に吸収されていった。
ラザレナの右手首から深紅の剣の切っ先にかけては、水分を蒸発させた白い煙が立ち昇っているが、その白い肌には火傷の跡など微塵も見えない。
「魔道具?いいえ、そんなチンケな物ではないわ。これは火の精霊の力よ。私は火の精霊から特に強い加護を受けているの。ふふふ、だからこの程度の氷じゃ、私を封じるなんてできないわよ」
自分を凍らせたラクエルに対し、いくらでも無力化できる、そう見せつけるように視線を送るラザレナ。
「だったら正面から実力でねじ伏せてやるよ」
ラザレナの右手側、ラクエルと挟む形でジャレットが会話に割って入る。
「あら、あなたにできるのかしら?たった今私に倒されたあなたに」
ラザレナが嘲笑するように言葉を返すと、その背中にもう一人の男が言葉をぶつけた。
「できるさ。俺達はお前ら帝国なんかに負けない!」
ラザレナが振り返ると、黒髪黒目の男アラタが、拳を握り締めてラザレナ射貫くように睨みつけていた。
「・・・本当に素敵な人達ね。こんなにゾクゾクするのは久しぶりよ。いいわ、みんなまとめてかかってらっしゃい!血狂刃の本性を見せてあげるわ!」
ラザレナ・シールズの赤い瞳がギラリと光ると、右手に握る真紅の片手剣から、燃え盛る赤い炎が噴きあがった。
魔法ではない。フェリックス・ダラキアンの七色の剣から放たれた七色の波動は、ラザレナがこれまで見た事のないエネルギーだった。
これは魔導具によるものか?しかしこの力が魔道具で出せるものだろうか?
いや待て、このエネルギーは何かに似ている。もしやこの力は精霊!?
それに気が付くと同時に、この七色の波動をくらってはまずいと瞬時に判断した。
ラザレナは強く地面を蹴って上空へと逃れ、七色の波動を躱した。
しかし上に跳んだ自分より、更に高い場所から声が降ってきた。
「すぐに上に逃げるのは悪手じゃない?」
「!?」
ラザレナが顔を上げると、そこには金髪の女戦士ラクエルが、ニヤリと笑って待ち構えていた。
こいつ!いつの間に上を取られた!?
いや、それよりもこの女、こいつシャンテルの足元に倒れていたはずでは!?
ラザレナが驚きに目を開くと、ラクエルは右手に握っていた白いナイフを振り下ろした!
とっさに右手に持つ深紅の片手剣で受けたが、体重を乗せて上から叩きつけるラクエルの一撃は、ラザレナを地面へと吹っ飛ばした。
「よし!」
確かな手ごたえに、ラクエルは拳を握り締めてニヤリと笑った。
ラクエルの一撃はラザレナの剣に防がれたため、ダメージは与えていない。しかしそれで充分だった。
肝心なのは、ラクエルの持つ白いナイフ、氷結のナイフの能力にこそあるのだから。
勢いよく地面に衝突しそうになったラザレナだが、体を縦に回転させて軽やかに砂の上に着地すると、そのまま地面を蹴って後ろに飛び退いた。
あの女、確かにシャンテルの足元に倒れていたはず。死んでいなかった?いや、私はずっとシャンテルを見ていたけど、あの女は間違いなくシャンテルの死の魔力を浴びていた。
ではいったいどうして?
「・・・っ!?」
そこまで考えて異変に気が付いた。
・・・冷たい?指、動かない?冷気?
後ろに跳びながら妙に冷たい右手に目を向けて、ラザレナは眉を上げた。
ラクエルの魔道具、氷結のナイフは、触れた物を氷で固める能力を持っている。
氷結のナイフを深紅の片手剣で受けたという事は、その剣は当然氷漬けにされるという事である。
そして刃を凍らせた次は、剣を握る右腕にも浸食は進んでいたのだ。
指先が氷で固められ、握っている剣を離す事もできない。
深紅の片手剣、血狂刃を封じられ、ラザレナもこの腕ではまともには戦えないだろう。
戦闘で片腕が使えないという大きなハンデを負ったはずだが、この状況でラザレナは笑った。
「・・・あら?すごい。ふふふ、面白い事するじゃない」
ラザレナにとっての戦いとは狩りである。
もちろんラザレナが狩る側で、他は全て獲物である。
しかしただ狩るだけではつまらない。
最後に自分が仕留める事は決まっているが、獲物は抵抗するからこそ楽しいのである。
これまでの狩りは逃げる獲物ばかりでまったく楽しめなかった。
しかしこのクインズベリー軍はどうだ?
爪と牙を持ち、自分に一撃を食らわせる者までいる。
「うふふ、面白いわ。最高じゃない」
「何も面白くねぇよ」
後方に跳躍したラザレナが砂の上に足を着いたその時、ラザレナの背後に何者かが立った。
気配を感じたその瞬間、ラザレナは腰を深く落とした。
その直後、頭上を銀色に輝く鋭い何かが掠め、ラザレナの赤い髪を数本斬り払った。
「チッ!速い!」
背後からの攻撃を仕掛けたのはジャレット・キャンベルだった。
予想以上の反応速度を見せたラザレナに躱されてしまったが、ジャレットはすぐにオーラブレードを頭上に掲げ、ラザレナの頭を目掛けて振り下ろした!
「ぐッ!?」
しかしジャレットがオーラブレードを振り下ろしたその時、ラザレナは左手を軸に体を独楽のように回し、ジャレットの足を蹴り払っていた。
「パワーはありそうだけど、スピードはいまいちね?それじゃ私を捉える事はできないわね」
それは足払いと言うには強烈過ぎる蹴りだった。
両足が浮かされ受け身もとれずに、ジャレットは背中から砂の上に落とされる。
「このっ・・・うぐっ!」
「この右手、凍ってるけど使えないわけじゃないのよね。先は尖ってるから、刺したり斬ったりできそうだと思わない?」
体を起こそうとしたジャレットの腹を踏みつけ、ラザレナは氷漬けにされた自分の右手で、ジャレットの頬を撫でた。スッと皮膚が裂けて縦に一本の線が入ると、一筋の赤い血が流れた。
「ところで・・あなたもシャンテルの横に転がっていたわよね?どういう事かしら?死んだはずだけど、なんで生きてるの?もしかして最初から死んでなかったのかしら?」
「うっせぇよボケ!この足をどけろ!」
「あらあら・・・ふふふ、下品ねぇ?まぁいいわ、言葉が通じないなら、この口いらないわよね?このまま刺して右の頬と左の頬を繋げてあげようかしら?」
「・・・へっ、できるもんならやってみろよ?」
腹を踏みつけられ、氷で固められた刃の切っ先を突き付けられながらも、ジャレットはニヤリと笑った。
この状況でなぜここまで余裕があるのか?ラザレナが眉を顰(ひそ)めると、後ろから飛び掛かって来た男が、ラザレナの両脇の下から腕を刺しこんで羽交い絞めにした。
「押さえた!」
叫んだのは黒髪黒目の男、アラタだった。
「あら?あなたも復活したの?本当にどういう事?」
背後から体を押さえつけられても、ラザレナに焦りの色はまるで見られなかった。
それどころか話す言葉には余裕さえ感じられる。首を回して後ろに目を向け、自分を押さえる黒髪の男を見ると、この男もシャンテルの足元に倒れていたと気が付き、怪訝そうに眉根を寄せた。
「悪いけどこのまま拘束させてもら・・・!?」
そこまで言った時、突然アラタの視界が上下逆転し、思考が停止した一瞬の後、背中から地面に投げ落とされた。
「がぁっ!」
「うふふ、砂の上で良かったわね」
砂の上に両手両足を投げ出して倒れるアラタの顔を上から覗き込み、ラザレナは目を細めて笑った。
羽交い絞めにされていたラザレナだったが、肩と肘の関節を本来の可動域以上に曲げ、アラタの腕に隙間ができた瞬間にするりと抜け出すと、そのまま自由の利く左手一本でアラタの胸倉を掴み、力任せに投げ飛ばしたのだ。
「おい、てめぇ・・・アラやんから離れろよ」
「ふふふ・・・いい目だわ。本当に素敵ね、あなた達・・・」
立ち上がったジャレットが、オーラブレードをラザレナに突き付けると、ラザレナはジャレットを見つめ、それから後ろを振り返った。
「そのオーラ、最初に撃った波動はあなたね?」
背後から向けられる凄まじい闘気、ラザレナが感じ取ったオーラの主は、ゴールド騎士フェリックス・ダラキアンだった。
七色の淡い光を放つ幻想の剣を携えながら、ゆっくりとラザレナに歩き近づく。
「あんたを倒せばこの戦場はボクらの勝ちみたいだね。悪いけどここで斬らせてもらうよ」
「いい・・・いいわ、その真っすぐな殺意。とても素敵だわ」
フェリックスは一目でラザレナの力量を見抜いた。そしてお互いの射程内ギリギリで足を止めると、薄紫色の瞳をスッと細めて剣を構え、臨戦態勢に入った。
「右手を凍らせたのにそれだけ動けるなんてね・・・あんた何者?多対一だけどさ、これは戦争だから文句はないよね?」
横から入って来た声に、ラザレナは対峙するフェリックスから視線を外すと、自分の左手側に顔を向けた。
そこには自分の右腕を氷漬けにしたラクエル・エンリケスが立っていた。
ラザレナの間合いギリギリで足を止め、隙を伺うように鋭い視線を向けている。
「ああ、これね?氷なんて私には通用しないわよ、ほら、この通り」
ラクエルの視線が自分の右手に向いている事を見て、ラザレナは剣先から手首まで、氷で固められた右手を顔の横にまで持ち上げた。そして目を細めて微笑んだ次の瞬間、氷漬けの右手が炎に包まれた。
「っ!?・・・マジかぁ、あんた火を使う魔道具でも持ってんの?」
一瞬にして溶かされた氷は、水の塊となってバシャッと零れ落ち、砂の中に吸収されていった。
ラザレナの右手首から深紅の剣の切っ先にかけては、水分を蒸発させた白い煙が立ち昇っているが、その白い肌には火傷の跡など微塵も見えない。
「魔道具?いいえ、そんなチンケな物ではないわ。これは火の精霊の力よ。私は火の精霊から特に強い加護を受けているの。ふふふ、だからこの程度の氷じゃ、私を封じるなんてできないわよ」
自分を凍らせたラクエルに対し、いくらでも無力化できる、そう見せつけるように視線を送るラザレナ。
「だったら正面から実力でねじ伏せてやるよ」
ラザレナの右手側、ラクエルと挟む形でジャレットが会話に割って入る。
「あら、あなたにできるのかしら?たった今私に倒されたあなたに」
ラザレナが嘲笑するように言葉を返すと、その背中にもう一人の男が言葉をぶつけた。
「できるさ。俺達はお前ら帝国なんかに負けない!」
ラザレナが振り返ると、黒髪黒目の男アラタが、拳を握り締めてラザレナ射貫くように睨みつけていた。
「・・・本当に素敵な人達ね。こんなにゾクゾクするのは久しぶりよ。いいわ、みんなまとめてかかってらっしゃい!血狂刃の本性を見せてあげるわ!」
ラザレナ・シールズの赤い瞳がギラリと光ると、右手に握る真紅の片手剣から、燃え盛る赤い炎が噴きあがった。
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