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1379 外道
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「屍のナイフ・・・あれほど悪趣味な物は見た事がありません。カラコスは魔道具と言っていますが、あんな物は魔道具ではありません、ただの呪われたナイフです」
シーサケットは心底不快感を露わにしながら、言葉を吐き捨てた。
「死体を切り付ければ自由に動かせる。ありゃあカラコスの歪んだ思想を具現化したようなナイフだ。まぁお前には悪趣味に見えるだろうが、俺にはなかなか有効に見えるぜ。えぐさで言ったら俺の魔道具、血巣蟲(ちそうちゅう)だって似たようなもんだからな?」
ジェリメール・カシレロの魔道具、血巣蟲(ちそうちゅう)は、カシレロの血液を蟲に変えて標的を襲わせる魔道具である。以前一度カシレロと戦ったレイチェルも、この血巣蟲によって追い込まれた事がある。凶悪な魔道具である。
「いいえ、カシレロ様の血巣蟲とはまったく別です。ヤツは仲間の死体をまるで盾にように扱ったり、いくらなんでも許し難い行為をします。強さだけは認めますが、ヤツは確実に一線を越えています」
「フハハハハ、お前は本当にカラコスの事が嫌いなんだな?分かったよ、さっきも言っただろ?この戦いが終わったらカラコスは始末するってよ。だからそうカリカリすんなよ?」
「いっその事、ロンズデールと相打ちにでもなれば・・・」
独り言のように呟いたその言葉を拾うと、カシレロはこれまでのニヤニヤした笑みを消して答えた。
「相打ち?・・・いやぁ、そりゃ無理じゃねぇのか?カラコスは師団長の俺と同程度の魔力を持っている。カラコスに攻撃を加えるには、まずはその結界を破る必要がある。まぁ難しいと思うが、結界を破ったとするぞ?次に出てくるのがおそらく屍のナイフだ。死体を自在に操れるって事は、痛みも感じねぇし死なねぇ軍団作れるって事だよな?お前そんなのに勝てるか?」
フリオサザール・カラコスの前には、男女合わせて五体の死体が並び立った。
ソフィアは勝気な性格で精神的にもタフである。だが死体が動いた事にはさすがに動揺を隠しきれなった。その少しの隙をついて、カラコスは周囲の死体を切り付け、意のままに動かせる死体の数を増やしたのだ。
「くっ、お前・・・仲間をなんだと思ってるんだ!」
カラコスが何をしたのか、頭では理解できた。
だが人道的にどうなのか?決して許される事ではない。なぜこんな事ができるのか?
敵も味方も関係ない。ソフィアは死者を冒涜するカラコスの行為が許せなかった。
「あぁ?仲間だ?てめぇこそ何言ってんだよ?こいつらはもう死んでんだよ、死体に仲間もクソもねぇだろ?」
「お前、このゲス野郎!」
なおも嘲笑するカラコス。
この男には仲間意識というものなど皆無であり、自分以外はどうでもいい存在なのだ。
だからこそ躊躇わず死体を盾にできるし、この屍のナイフを作るために、千人以上の帝国兵を実験体にもできたのだ。
怒りをそのまま言葉にしてぶつけると、ソフィアは強く地面を蹴った。
「ククククク!お優しいこったなぁ!だったらその可哀そうな兵士をてめぇが受け止めてやれよ!」
五体の死体の後ろに身を隠すカラコスが、左手に持つ屍のナイフを振るうと、一体の死者がソフィアに向かって走り出した!
「なにッ!?」
爆発によって手足が折れ曲がっているため、その走り方はひどく不格好で、今にも転びそうにバタついたものだった。
「おら!どうした!?早く受け止めてやらねぇとそいつ倒れちまうぜ!あーはははははは!」
体中いたるところから血をまき散らし、折れた手足で歪な音を立てながら走ってくる帝国兵を目にし、ソフィアの怒りが爆発した。
「ふ、ふざけるなぁぁぁーーーーーーッツ!」
自分に向かってくる死者を躱すと、ソフィアはさらに地面を強く蹴って跳びあがった!
カラコスの頭上を取って左脚を高々と上げる!
「ククククク!おいおい、なんでアイツを受け止めてやんねぇんだよ?かわいそうに、結局ぶっ倒れちまった。てめぇのせいだぞ?」
「このクズ野郎!脳天たたき割ってやる!」
ソフィアは己の頭の上にまでピンと上がった左足を、怒りを込めて振り下ろす!
「バカが!もう忘れたのかよ!」
「ッ!」
カラコスの頭を捉えたはずのソフィアの踵落としは、割って入った死体の背中を打ち砕いた。
「やっちまぇぇぇぇーーーーーッツ!」
カラコスが左手に持つナイフを、ソフィアに突きつけて叫ぶと、残り三体の兵の死体がソフィアに向かって飛びかかった!
「このっ!外道がぁぁぁッツ!」
ソフィアはギリッと歯を噛み鳴らすと、拳を握りしめて右足を軸に腰を回し、左の蹴りを繰り出そうとした。
しかしその時・・・
バンッ!と衝突音が響き、三体の帝国兵の死体が、青く輝く結界にぶつかり後ろに弾き飛ばされた。
「え?これは・・・」
突然目の前に張られた結界に、ソフィアが後ろを振り返ると、青魔法使いのニールが右手を前に出して魔力を放出していた。
「ソフィア、悪いなお前一人だけ戦わせて、ここからは俺らも加勢する」
そしてニールの後ろには、さっきまでカラコスの異様な圧に気圧されていた、ロンズデール兵が武器を構えて立ち並んでいた。その目にはもう怯えは無い。
「・・・あぁ?なんだよてめぇら?ガン首揃えて俺とやろうってか?・・・ククククク、笑わせてくれるぜ、まとめてかかればなんとかなると思ったか?なめんじゃねぇぞォォォッ!」
カラコスの漆黒に染まった目が吊り上がり、深い闇のような大口を開けて叫ぶと、その体から闇の瘴気が噴き出した!
「なっ!?あ、あれは!」
「さぁて、始めようか?てめぇらロンズデール軍と俺の率いる死体の軍団で戦争だ」
カラコスの背後には、息絶えていたはずの帝国兵達の死体がずらりと立ち並んでいた。
シーサケットは心底不快感を露わにしながら、言葉を吐き捨てた。
「死体を切り付ければ自由に動かせる。ありゃあカラコスの歪んだ思想を具現化したようなナイフだ。まぁお前には悪趣味に見えるだろうが、俺にはなかなか有効に見えるぜ。えぐさで言ったら俺の魔道具、血巣蟲(ちそうちゅう)だって似たようなもんだからな?」
ジェリメール・カシレロの魔道具、血巣蟲(ちそうちゅう)は、カシレロの血液を蟲に変えて標的を襲わせる魔道具である。以前一度カシレロと戦ったレイチェルも、この血巣蟲によって追い込まれた事がある。凶悪な魔道具である。
「いいえ、カシレロ様の血巣蟲とはまったく別です。ヤツは仲間の死体をまるで盾にように扱ったり、いくらなんでも許し難い行為をします。強さだけは認めますが、ヤツは確実に一線を越えています」
「フハハハハ、お前は本当にカラコスの事が嫌いなんだな?分かったよ、さっきも言っただろ?この戦いが終わったらカラコスは始末するってよ。だからそうカリカリすんなよ?」
「いっその事、ロンズデールと相打ちにでもなれば・・・」
独り言のように呟いたその言葉を拾うと、カシレロはこれまでのニヤニヤした笑みを消して答えた。
「相打ち?・・・いやぁ、そりゃ無理じゃねぇのか?カラコスは師団長の俺と同程度の魔力を持っている。カラコスに攻撃を加えるには、まずはその結界を破る必要がある。まぁ難しいと思うが、結界を破ったとするぞ?次に出てくるのがおそらく屍のナイフだ。死体を自在に操れるって事は、痛みも感じねぇし死なねぇ軍団作れるって事だよな?お前そんなのに勝てるか?」
フリオサザール・カラコスの前には、男女合わせて五体の死体が並び立った。
ソフィアは勝気な性格で精神的にもタフである。だが死体が動いた事にはさすがに動揺を隠しきれなった。その少しの隙をついて、カラコスは周囲の死体を切り付け、意のままに動かせる死体の数を増やしたのだ。
「くっ、お前・・・仲間をなんだと思ってるんだ!」
カラコスが何をしたのか、頭では理解できた。
だが人道的にどうなのか?決して許される事ではない。なぜこんな事ができるのか?
敵も味方も関係ない。ソフィアは死者を冒涜するカラコスの行為が許せなかった。
「あぁ?仲間だ?てめぇこそ何言ってんだよ?こいつらはもう死んでんだよ、死体に仲間もクソもねぇだろ?」
「お前、このゲス野郎!」
なおも嘲笑するカラコス。
この男には仲間意識というものなど皆無であり、自分以外はどうでもいい存在なのだ。
だからこそ躊躇わず死体を盾にできるし、この屍のナイフを作るために、千人以上の帝国兵を実験体にもできたのだ。
怒りをそのまま言葉にしてぶつけると、ソフィアは強く地面を蹴った。
「ククククク!お優しいこったなぁ!だったらその可哀そうな兵士をてめぇが受け止めてやれよ!」
五体の死体の後ろに身を隠すカラコスが、左手に持つ屍のナイフを振るうと、一体の死者がソフィアに向かって走り出した!
「なにッ!?」
爆発によって手足が折れ曲がっているため、その走り方はひどく不格好で、今にも転びそうにバタついたものだった。
「おら!どうした!?早く受け止めてやらねぇとそいつ倒れちまうぜ!あーはははははは!」
体中いたるところから血をまき散らし、折れた手足で歪な音を立てながら走ってくる帝国兵を目にし、ソフィアの怒りが爆発した。
「ふ、ふざけるなぁぁぁーーーーーーッツ!」
自分に向かってくる死者を躱すと、ソフィアはさらに地面を強く蹴って跳びあがった!
カラコスの頭上を取って左脚を高々と上げる!
「ククククク!おいおい、なんでアイツを受け止めてやんねぇんだよ?かわいそうに、結局ぶっ倒れちまった。てめぇのせいだぞ?」
「このクズ野郎!脳天たたき割ってやる!」
ソフィアは己の頭の上にまでピンと上がった左足を、怒りを込めて振り下ろす!
「バカが!もう忘れたのかよ!」
「ッ!」
カラコスの頭を捉えたはずのソフィアの踵落としは、割って入った死体の背中を打ち砕いた。
「やっちまぇぇぇぇーーーーーッツ!」
カラコスが左手に持つナイフを、ソフィアに突きつけて叫ぶと、残り三体の兵の死体がソフィアに向かって飛びかかった!
「このっ!外道がぁぁぁッツ!」
ソフィアはギリッと歯を噛み鳴らすと、拳を握りしめて右足を軸に腰を回し、左の蹴りを繰り出そうとした。
しかしその時・・・
バンッ!と衝突音が響き、三体の帝国兵の死体が、青く輝く結界にぶつかり後ろに弾き飛ばされた。
「え?これは・・・」
突然目の前に張られた結界に、ソフィアが後ろを振り返ると、青魔法使いのニールが右手を前に出して魔力を放出していた。
「ソフィア、悪いなお前一人だけ戦わせて、ここからは俺らも加勢する」
そしてニールの後ろには、さっきまでカラコスの異様な圧に気圧されていた、ロンズデール兵が武器を構えて立ち並んでいた。その目にはもう怯えは無い。
「・・・あぁ?なんだよてめぇら?ガン首揃えて俺とやろうってか?・・・ククククク、笑わせてくれるぜ、まとめてかかればなんとかなると思ったか?なめんじゃねぇぞォォォッ!」
カラコスの漆黒に染まった目が吊り上がり、深い闇のような大口を開けて叫ぶと、その体から闇の瘴気が噴き出した!
「なっ!?あ、あれは!」
「さぁて、始めようか?てめぇらロンズデール軍と俺の率いる死体の軍団で戦争だ」
カラコスの背後には、息絶えていたはずの帝国兵達の死体がずらりと立ち並んでいた。
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