異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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1421 形勢逆転

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「はぁ~・・・おいおい、本当に千人足らずで道を作りやがったな」

魔導剣士隊が帝国軍に風穴を開けると、ガラハドが驚きと感心から大きく息をついた。

アランとヴァージニアが強い事は知っていたが、それでもここまでだとは思わなかった。
そして隊員一人一人が、並み以上の力を持っている。帝国兵にも決して引けを取っていない。新生魔導剣士隊は、想像以上の強さだった。

「ええ、あの二人の実力は確かなものよ。それに剣士一人一人が魔道具を使った変則的な戦い方をするから、相手としてはやりにくいのよ。初見の帝国兵がそうそう対処できるものではないわ」

ガラハドの隣で戦いを見ているリンジーは、こうなると分かっていたような満足気な表情だった。

それもそのはずだ。今の魔導剣士隊はアランとヴァージニアが率いているが、その二人を見出したのはリンジーであり、国王へ進言し、魔導剣士隊の再結成を実現させたのもリンジーなのだ。

魔導剣士ではない自分がいつまでも関与しているわけにはいかないと、ある程度形ができたところでリンジーは身を引いたが、彼らがどれだけの力を持ち、育ったのかは十分に理解しているつもりだ。

「さて、私達もそろそろ行こうと思うのだけど、ファビアナ、魔蝶はどう?」

リンジーは自分達より一歩後ろに立つ、ファビアナに顔を向けた。
ファビアナの偵察用魔道具の魔蝶が、敵の魔力干渉によって狂わされた事について、現状を確認しているのだ。

「ごめん、やっぱりまだ駄目みたい。さっきも話したけど、敵が魔蝶に魔力干渉をしていて、視界が妨害されているみたいなの。まだ魔蝶には敵の魔力が残っているから、今飛ばしても結果は同じだと思う」

悔しそうに唇を結び眉を下げるファビアナに、リンジーは優しく言葉をかけた。

「そう、分かったわ。魔力干渉の効果時間はかなり長いみたいね。敵も厄介な使い手がいるみたいね」

「ファビアナの魔蝶が使えねぇのは痛いが、魔道剣士隊が道は作ったんだ。現状はあいつらの後に続くしかねぇだろ?」

ガラハドもリンジーの後に言葉を紡いだ。

敵陣の偵察ができれば、配置、人数、陣形、装備、あらゆる情報が手に入り、戦いをする上で非常に有利になる。人数で劣るロンズデール軍にとって、魔蝶を戦術に組み込む事ができるとできないでは、天と地ほどの差があった。

それゆえに、魔蝶が封じられた事は痛手である。しかし使えないのならば、いつまでも拘っていてもしかたがない。ガラハドの言う通り、今の最適でなんとかするしかないのだ。

「じゃあ、行きましょうか。ファビアナ、もう少し時間が経てば敵の魔力も抜けて、魔蝶が使えるようになるかもしれないわ。それまであなたは後ろに下がってて」

リンジーの言葉にファビアナは頷くと、後方へと下がって行った。

青魔法使いのファビアナは、結界でロンズデール軍の兵士達を護る事はできる。それも大事な役目だが、魔蝶はファビアナにしか使う事ができない。代わりがいないのだ。
万一にも負傷させるわけにはいかず、魔力を温存させる事も考えると、後方に下げるというリンジーの判断は当然である。ファビアナ自身も何度も言われた事であるため、大人しく従うのだった。

そしてファビアナが後ろに下がった事を確認すると、リンジーは拳を上げて号令を発した。

「勇敢なるロンズデールの兵達よ!魔導剣士隊が道を切り開いた!ここで帝国を叩く!私に続け!」


リンジーを先頭に、ロンズデール軍が突撃をかけた!






「パ、パロ様!ぜ、前線が大きく崩されています!こ、このままでは!」

帝国軍第三師団副団長アルヘニス・パロの元に、部隊長の男が息を切らせながら駆け込んだ。
形勢は大きく傾いていた。先刻まで帝国が優勢に進めていたはずが、ロンズデールの秘めていた戦力が想定外に大きかったのだ。

「ハンプトンもジェイムスもあっさりやられるとはなぁ・・・・・ロンズデールを見くびっていたようだな」

報告を受けたアルヘニス・パロは、第三師団を不甲斐ないと思うよりも、第三師団を相手にここまで戦えるロンズデール軍を認めるようになっていた。

師団長ザビル・アルバレスを倒すための隠し玉、ビンセントとアドニス。そして新生魔道剣士隊の活躍によって、ロンズデールの勢いは止められない程に高まっていた。

このままでは押し切られるのは時間の問題だろう。ここから形勢をくつがえすには、特別な手を打つ必要がある。爆発の上級魔法、光源爆裂弾でも撃てば、また形勢も変えられるだろう。しかし味方を巻き添えにしてしまう事と、貴重な水源であるリングマガ湿地帯に、大きなダメージを与えてしまうためにできない。

ではどうするか?
考えるまでもない、残された手は一つしかないのだから。


「・・・しかたねぇなぁ、俺が出るか」


無精髭を撫で、ニヤリと笑うその顔からは、面倒そうな口ぶりとは裏腹に、逆境を楽しんでいるようにさえ見えた。
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