勇者の抜け殻〜スキル【装備】で成り上がる〜

観測オニーちゃん

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空を超えし願い星

第十六話 70階層②

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 瞬時に飛び退く魔神族の初老。
 ソラの闘術【絶】により完全に絶たれた気配に気づかず突然現れた謎の鎧騎士に警戒する。
「何者ですか?!」
「貴方にガラクタ呼ばわりされた物ですよ」
 するとアルが背負っていたステラ・ヴァーミリオンの鎧を思い出した初老はソラへ嫌悪の眼差しを送る。
「なるほど。勇者の鎧が鎧人形として誕生したのですね。差し詰め貴方はと言ったところでしょうか。全く忌々しい!」
 鎧人形は世界的に見て個体数の少ない希少種と呼ばれている。その種族が保有する【装備】は極めて異質にして強力なスキルとされ世界各地に存在する名高い武人は皆鎧人形族なのではないかとまで噂されている戦闘種族だ。
 ソラは、とりあえずアルの傷を直しケンさんを再装備する。一応ケンさんにだけ自由に着け外しできるよう設定しておいたため今回、ケンさんの判断でアル君に着いて行ったらしい。
「アル君、後でお説教ですからね」
「......ごめんなさい」
 しょぼくれるアルに対しソラは頭を撫でる。
「無事でよかったです」
 そして、アル君を後方へ下がらせ初老へと向き直り鑑定魔術をかける。

魂核値  : X
名前   :ジャック(仮)
種族   :魔神
レベル  :100/100
攻撃   :21085
魔力   :55555
物防   :66698
魔防   :72541
俊敏   :24321
精神   :200
スキル  :【追跡者】【斬殺者】
概念   :【切断】
SP.0

「楽に死ねると思わないことです」
 圧倒的なステータスでもソラは怯まず星斬りを構え挑発する。
相手も刃物を生み出しそれに応えた。
「生まれたての赤ん坊如きに私が遅れを取るとでも?」
 次の瞬間二人は同時に動き出し向かってくる刃物を破壊しつつソラは相手の懐に潜り込む。
 しかし、闘術【水平線ホライゾン】を放つも転移の魔術で避けられ距離を空けられてしまう。
「死になさい」
 幾千万の刃物が生み出され【斬殺者】【追跡者】を発動しソラへと襲いかかる。そしてソラを中心にドーム状に刃物で取り囲まれてしまった。
「チェックメイトです」
 刃物は一斉に射出され衝撃波が轟き砂埃が舞う。
 確実にやったという手応えを感じジャックはほくそ笑むがしかし、次の瞬間左腕が宙へと舞っていた。
「くっ!」
 驚愕の表情を浮かべ冷や汗を垂れ流すジャック。
 すかさず唐突に現れたソラから離れると同時に回復の魔術で左腕を再生させた。先程のソラは幻影の魔術で作り出したフェイクであり光クリスタルがあったからこそできた魔術である。
「真っ二つとはいきませんでしたが貴方のその間抜けヅラを見れて大いに満たされました。次で終わりにします」
 そして両者は振り出しに戻り向かい合う。
「ケンさん、出来ますか?」
 話し合いをせず突然の意思確認に全てを知るケンさんは応える。
「無論や」
「では頼みましたよ」
 ソラは魔力を激らせジャックへとかけ出す。
「残念ですが、それは自殺行為です」
 概念【斬撃】から生み出したトラップ、【設置斬撃】を起動させる。
「見えます」
 しかし、ソラは設置された斬撃を淡い白銀色を纏った星斬りによって破壊した。
「ば、馬鹿な?!」
 本来霊子とは魔霊素生命体にしか操れない特別な分子で通常の魔族では視認も出来ないとされている。ここでソラはケンさんのサポートにより霊素を魔素で覆い、その霊素を覆った魔素にのみ属性色を付け加える事で霊素の位置を把握。霊子で構成された概念攻撃は霊素以外の元素を透過してしまう性質から感知が難しい。そして霊素に触れたら同じく魔素も揺らぐ様設定したため概念の感知に成功した。
 次に霊子の接触だが霊素を纏った魔素自体に魔術を施すことで元素を動かし霊素同士を掛け合わせ魔力、霊子へと変換。次に同じ容量で霊子を纏った魔力を動かし星斬りに纏えば概念への接触を可能にさせた。全てはケンさんの超越的な演算能力で成り立つ技術である。
 ソラは次々に【設置斬撃】を破壊しジャックの懐へと潜る。
「オリジナル闘剣術【概念斬り】!」
 ジャックは最後の抵抗として生み出した刃物を盾にするがソラは全て破壊し概念魂事両断した。
「あぁ、申し訳ありません。魔神王様......」
 パラパラと体が崩壊し概念魂を破壊されたジャックは永遠の消滅を迎える。

ドロップアイテム
血塗られし怨嗟のナイフ【希少級】
受肉前の持ち主が所有していたナイフ。55555人の悲しき魂が宿っている。
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