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第二章 名無しの絵本
018話 盗みしもの
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薄暗い森の中を一人の方羽根の精霊がひた走る。しかし、その精霊を狙う聖騎士達の気配は確実にその距離を縮めつつあった。
容姿は完全に少年だがどこか大人びた雰囲気を感じさせる。
「逃げられませんよ。その絵本を返しなさい」
そして、気がつくと精霊の目の前には明らかに背後にいる聖騎士とは格が違う真っ白な鎧に身を包む聖騎士がいた。
「四大聖騎士王、【閃光】のナタリア・グレイサーか」
四大聖騎士王。
聖皇国アルターニが誇る最高戦力にして聖皇国の守護者。ただ、世間には公表されていない秘匿された戦力であるため四大聖騎士王を知るものはアルターニ皇国の重鎮のみとされる。
「博識ですね。流石は叡智の大精霊殿」
「まぁね。僕は全てを知っている」
「であれば、その本がどのような代物かわかるはずですよ?」
「当然。君たちより知っているさ」
次の瞬間方羽の精霊の足元に青白く発光する幾何学模様の魔法陣が展開された。
「なにを!?」
「【閃光】さん。来るのが少し遅かったですね。魔力は既に回復しています」
そう言い残し、方羽の精霊は魔法陣の中へ消えていった。
「取り逃しましたか。ですが既にマーキング済みです」
ナタリアはマジックバックから古びたコンパスを取り出し針先から赤い光が灯るとそれは南西を指し示した。
「この方角はライベリア王国でしょうか?」
自身に与えられた任務をこなすため、ナタリアは颯爽と光の如き速さでその場を後にした。
容姿は完全に少年だがどこか大人びた雰囲気を感じさせる。
「逃げられませんよ。その絵本を返しなさい」
そして、気がつくと精霊の目の前には明らかに背後にいる聖騎士とは格が違う真っ白な鎧に身を包む聖騎士がいた。
「四大聖騎士王、【閃光】のナタリア・グレイサーか」
四大聖騎士王。
聖皇国アルターニが誇る最高戦力にして聖皇国の守護者。ただ、世間には公表されていない秘匿された戦力であるため四大聖騎士王を知るものはアルターニ皇国の重鎮のみとされる。
「博識ですね。流石は叡智の大精霊殿」
「まぁね。僕は全てを知っている」
「であれば、その本がどのような代物かわかるはずですよ?」
「当然。君たちより知っているさ」
次の瞬間方羽の精霊の足元に青白く発光する幾何学模様の魔法陣が展開された。
「なにを!?」
「【閃光】さん。来るのが少し遅かったですね。魔力は既に回復しています」
そう言い残し、方羽の精霊は魔法陣の中へ消えていった。
「取り逃しましたか。ですが既にマーキング済みです」
ナタリアはマジックバックから古びたコンパスを取り出し針先から赤い光が灯るとそれは南西を指し示した。
「この方角はライベリア王国でしょうか?」
自身に与えられた任務をこなすため、ナタリアは颯爽と光の如き速さでその場を後にした。
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