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ソレイユ先輩からキスされてしまったんだが? おでこだけど!
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不意に、隣から聞こえてきた呆れたような声。思わず勢いよく振り向いてしまった先で、げんなりとした顔のソレイユ先輩と目が合う。
……いかん、完全にソレイユ先輩の事忘れてた。
え? じゃあ、見られた? 見られちゃってるじゃん! 俺のだらしない顔!! 自業自得とはいえ、滅茶苦茶恥ずかしいんだが!?
「なっ……お、俺は別に、そんなつもりじゃ!」
「うっわー……無意識かよ、ごちそうさま。んじゃ、お邪魔虫はとっとと去りますか」
顔を真っ赤にしながら立ち上がり反論するサルファー先輩を、ソレイユ先輩はさらっとスルーする。
「シュンちゃん頑張ってね。サルフに泣かされそうになったら、オレのところにおいで? オレが叩きのめしてやるからさ」
耳元でこっそり囁かれたかと思えば、額に柔らかい感触を感じた。
わざとらしいリップ音と、視界のほとんどを占めるソレイユ先輩の笑顔……もしかしなくても俺、き、キスされたのか?
「ふぇっ?!」
「ふふ、顔真っ赤にしちゃって可愛いねぇ……キミのこと、ますます気に入っちゃったかも」
「ソル!?」
うっとりと瞳を細めるソレイユ先輩の後ろで、サルファー先輩の顔がおかしなことになっている。驚きと怒りが混じった表情もさることながら、顔色が真っ青になったかと思えば真っ赤になったり……とにかく大変だ。
「うるさいなぁ……ただの挨拶だよ、挨拶。じゃあね、シュンちゃん。また、お話ししようね」
よしよしと頭を撫でてくれたソレイユ先輩が、大きな肩をわなわな震わせている先輩に、んべっと舌を出す。すくっと立ち上がり、手をひらひらと振りながら一目散に走っていってしまった。
「おい、待てっ! 貴様、シュンになんてことをっ!!」
先輩が声を荒げて呼び止めるも時すでに遅く、ソレイユ先輩の高い背は、みるみるうちに見えなくなってしまった。
「……すまないシュン、悪いヤツじゃないんだが、その……」
「大丈夫ですよ、ちゃんと分かってますから。ずっと俺の話し相手になってくれましたし。ジュースも奢ってもらっちゃって」
「そうかそれなら良かった」
そう微笑みかけると、ほっと表情を緩めた先輩だったが、すぐさまはっと申し訳無さそうに沈んでしまう。
「……しかし、どうしたものか。今から着替えてするにしても、基礎トレーニングくらいしか出来ないな……いや、遅れた俺が悪いんだが……申し訳ない」
……これは、話を切り出すチャンスなのでは?
拳を握り、自分で自分の背中を押す。立ち上がった勢いのまま、俺は先輩の大きな手を握り締めた。
「……先輩……二人きりで、話したいことがあるんですけど……今からじゃ、駄目ですか?」
少し見上げた先にある、黄色の瞳がきょとんと丸くなる。ぱちぱちと長い睫毛を瞬かせた彼の頬が、じょじょにほんのりと染まっていった。
「そ、それは構わないが……ここだと、人目につくだろう? 何処か……ふ、二人っきりになれるところに場所を移そうか?」
俺の手を握り返してくれながら、そわそわと周囲を見回している。確かに、先輩の言う通りだ。ざっと見ただけでも、ちらほら人影が見えるな。
「じゃあ、俺の部屋に来ませんか? 先輩が良ければですけど」
すぐ近くだし、誰かに聞かれる心配もないだろう。最近はダンがよく来てくれていたから、部屋も片付いているし……先輩を招いても問題は無いハズだ。
「い、良いのか? 俺が、君の部屋に行っても……」
先輩の顔が、さらに真っ赤になっていく。俺と、視線を合わせてくれようとしているんだろうか。鍛え上げられた大きな背を丸めながら、前のめりな体勢で俺を見つめた。
「別に良いですよ? ダンもよく泊まっていきますし……」
「泊まる? 彼が? 君の部屋に?」
……いかん、完全にソレイユ先輩の事忘れてた。
え? じゃあ、見られた? 見られちゃってるじゃん! 俺のだらしない顔!! 自業自得とはいえ、滅茶苦茶恥ずかしいんだが!?
「なっ……お、俺は別に、そんなつもりじゃ!」
「うっわー……無意識かよ、ごちそうさま。んじゃ、お邪魔虫はとっとと去りますか」
顔を真っ赤にしながら立ち上がり反論するサルファー先輩を、ソレイユ先輩はさらっとスルーする。
「シュンちゃん頑張ってね。サルフに泣かされそうになったら、オレのところにおいで? オレが叩きのめしてやるからさ」
耳元でこっそり囁かれたかと思えば、額に柔らかい感触を感じた。
わざとらしいリップ音と、視界のほとんどを占めるソレイユ先輩の笑顔……もしかしなくても俺、き、キスされたのか?
「ふぇっ?!」
「ふふ、顔真っ赤にしちゃって可愛いねぇ……キミのこと、ますます気に入っちゃったかも」
「ソル!?」
うっとりと瞳を細めるソレイユ先輩の後ろで、サルファー先輩の顔がおかしなことになっている。驚きと怒りが混じった表情もさることながら、顔色が真っ青になったかと思えば真っ赤になったり……とにかく大変だ。
「うるさいなぁ……ただの挨拶だよ、挨拶。じゃあね、シュンちゃん。また、お話ししようね」
よしよしと頭を撫でてくれたソレイユ先輩が、大きな肩をわなわな震わせている先輩に、んべっと舌を出す。すくっと立ち上がり、手をひらひらと振りながら一目散に走っていってしまった。
「おい、待てっ! 貴様、シュンになんてことをっ!!」
先輩が声を荒げて呼び止めるも時すでに遅く、ソレイユ先輩の高い背は、みるみるうちに見えなくなってしまった。
「……すまないシュン、悪いヤツじゃないんだが、その……」
「大丈夫ですよ、ちゃんと分かってますから。ずっと俺の話し相手になってくれましたし。ジュースも奢ってもらっちゃって」
「そうかそれなら良かった」
そう微笑みかけると、ほっと表情を緩めた先輩だったが、すぐさまはっと申し訳無さそうに沈んでしまう。
「……しかし、どうしたものか。今から着替えてするにしても、基礎トレーニングくらいしか出来ないな……いや、遅れた俺が悪いんだが……申し訳ない」
……これは、話を切り出すチャンスなのでは?
拳を握り、自分で自分の背中を押す。立ち上がった勢いのまま、俺は先輩の大きな手を握り締めた。
「……先輩……二人きりで、話したいことがあるんですけど……今からじゃ、駄目ですか?」
少し見上げた先にある、黄色の瞳がきょとんと丸くなる。ぱちぱちと長い睫毛を瞬かせた彼の頬が、じょじょにほんのりと染まっていった。
「そ、それは構わないが……ここだと、人目につくだろう? 何処か……ふ、二人っきりになれるところに場所を移そうか?」
俺の手を握り返してくれながら、そわそわと周囲を見回している。確かに、先輩の言う通りだ。ざっと見ただけでも、ちらほら人影が見えるな。
「じゃあ、俺の部屋に来ませんか? 先輩が良ければですけど」
すぐ近くだし、誰かに聞かれる心配もないだろう。最近はダンがよく来てくれていたから、部屋も片付いているし……先輩を招いても問題は無いハズだ。
「い、良いのか? 俺が、君の部屋に行っても……」
先輩の顔が、さらに真っ赤になっていく。俺と、視線を合わせてくれようとしているんだろうか。鍛え上げられた大きな背を丸めながら、前のめりな体勢で俺を見つめた。
「別に良いですよ? ダンもよく泊まっていきますし……」
「泊まる? 彼が? 君の部屋に?」
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