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何だか全部夢だったみたいだ
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「見たところ問題なさそうですけど、念のため保健室で詳しく調べましょう」
保険医の先生がサルファー先輩を促す。
「すみません、ちょっとだけいいですか?」
サルファー先輩が先生に断りを入れて俺の側へやって来た。
「シュン、俺達が最初に出会った場所、覚えているか?」
「はい。練習場ですよね」
「放課後、そこのベンチで待っていてくれないか? 渡したいものがあるんだ」
大きな手が俺の手を包み込むようにそっと握る。真剣な光を宿した黄色の瞳に胸がとくりと跳ねた。
「……分かりました。待ってます、俺」
「シュン……」
「はいはーい。その為にもちゃんと治療しようねー」
陽気な声が俺とサルファー先輩の間に割って入る。ソレイユ先輩だ。引き締まった長い腕が先輩の肩をガシリと掴み、無理やり二人三脚の状態で引き摺っていく。
「ちょっソル! 一人で歩けるぞ俺は! おいっ聞いているのか!?」
「元気だなー……先輩達」
ダンが俺を後ろから抱き締めながら呟いた。
放課後、俺はダンとグレイ先生と別れて練習場のベンチに一人座っていた。
ダンは俺が一人でいることにあまりいい顔をしていなかったが、何かあったら連絡する、と説得するとしぶしぶ了承してくれた。
障壁が壊れてしまった事を先生に謝ると、真っ青な顔をして抱き締められ逆に何度も謝られてしまった。
もっと強固な術を施す為、ブレスレットは一時的に先生が預かることとなり、次はもっと早く駆け付けるからね、と約束してもらえた。
ぼんやりと赤く染まっていく空を眺めていると……今日あったことが、まるで夢でも見ていたかのように錯覚してしまう。
「すまない、遅くなってしまったな」
待ち人の声が頭上から降ってきた。サルファー先輩が俺の隣に腰掛ける。
その額には、やはり先程と同じ……いや、それ以上に厳重に包帯が巻かれていて、否が応でも現実だったのだと思い知らされる。
「先輩、その頭……」
「あぁ、これか。少し切れただけだというのに大げさだろう?」
あっけらかんと笑う先輩が俺の頭を宥めるように撫でてくれる。安心させてくれようとしてる……それは、分かる。でも俺は、聞かずにはいられなかったんだ。
「……本当に大丈夫なんですか?」
返ってきたのはまたしても爽やかな微笑みだった。内容は、とてもじゃないが笑えなかったけど。
「これくらいの怪我、俺達にとっては日常茶飯事だよ。昔ソルと一騎討ちした時なんか吹っ飛ばされてうっかり壁に激突したこともあったからな」
「大丈夫だったんですか!?」
「今日と同じだ。少しふらついたが、かすり傷ですんだよ。それ以来、ソルが俺に手心を加えることはなくなってしまったがな」
先輩が遠い目をしながら苦笑する。
「だからもうそんな顔をするな。君の笑顔が俺は好きだ。だから笑ってくれないか?」
保険医の先生がサルファー先輩を促す。
「すみません、ちょっとだけいいですか?」
サルファー先輩が先生に断りを入れて俺の側へやって来た。
「シュン、俺達が最初に出会った場所、覚えているか?」
「はい。練習場ですよね」
「放課後、そこのベンチで待っていてくれないか? 渡したいものがあるんだ」
大きな手が俺の手を包み込むようにそっと握る。真剣な光を宿した黄色の瞳に胸がとくりと跳ねた。
「……分かりました。待ってます、俺」
「シュン……」
「はいはーい。その為にもちゃんと治療しようねー」
陽気な声が俺とサルファー先輩の間に割って入る。ソレイユ先輩だ。引き締まった長い腕が先輩の肩をガシリと掴み、無理やり二人三脚の状態で引き摺っていく。
「ちょっソル! 一人で歩けるぞ俺は! おいっ聞いているのか!?」
「元気だなー……先輩達」
ダンが俺を後ろから抱き締めながら呟いた。
放課後、俺はダンとグレイ先生と別れて練習場のベンチに一人座っていた。
ダンは俺が一人でいることにあまりいい顔をしていなかったが、何かあったら連絡する、と説得するとしぶしぶ了承してくれた。
障壁が壊れてしまった事を先生に謝ると、真っ青な顔をして抱き締められ逆に何度も謝られてしまった。
もっと強固な術を施す為、ブレスレットは一時的に先生が預かることとなり、次はもっと早く駆け付けるからね、と約束してもらえた。
ぼんやりと赤く染まっていく空を眺めていると……今日あったことが、まるで夢でも見ていたかのように錯覚してしまう。
「すまない、遅くなってしまったな」
待ち人の声が頭上から降ってきた。サルファー先輩が俺の隣に腰掛ける。
その額には、やはり先程と同じ……いや、それ以上に厳重に包帯が巻かれていて、否が応でも現実だったのだと思い知らされる。
「先輩、その頭……」
「あぁ、これか。少し切れただけだというのに大げさだろう?」
あっけらかんと笑う先輩が俺の頭を宥めるように撫でてくれる。安心させてくれようとしてる……それは、分かる。でも俺は、聞かずにはいられなかったんだ。
「……本当に大丈夫なんですか?」
返ってきたのはまたしても爽やかな微笑みだった。内容は、とてもじゃないが笑えなかったけど。
「これくらいの怪我、俺達にとっては日常茶飯事だよ。昔ソルと一騎討ちした時なんか吹っ飛ばされてうっかり壁に激突したこともあったからな」
「大丈夫だったんですか!?」
「今日と同じだ。少しふらついたが、かすり傷ですんだよ。それ以来、ソルが俺に手心を加えることはなくなってしまったがな」
先輩が遠い目をしながら苦笑する。
「だからもうそんな顔をするな。君の笑顔が俺は好きだ。だから笑ってくれないか?」
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