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もしかしなくても、幼なじみはスパダリなのでは?
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ご丁寧に忠告してくれたのに、俺は一気にがぶりと食いついてしまっていた。だって、スゴく美味しそうだったんだ。お腹も滅茶苦茶空いていたんだよ。
「あっつ!」
「だから言っただろうが! おいおい火傷してねぇか? 大丈夫か?」
「だ、大丈夫……あ、何これすげぇ美味い」
衣はからっと揚がっているのに、中はしっとり。そして、やっぱり予想通りだった。しっかり、にんにくと醤油の味が染み込んでいる。
……美味しい。今まで食べた唐揚げの中で一番だ。
え? やはり俺の推しは、天才なのでは?
「ホントか? へへっ……まだまだたくさん揚げるから、ちょっと待ってな」
少し照れくさそうに笑うと、ダンは再び唐揚げを揚げ始めた。
とびきり美味しい唐揚げに、すっかり夢中で気付かなかったが……推しのエプロン姿、最高だな。
まくった袖から覗く、盛り上がった逞しい腕。
油を使っているから熱いのだろう。首もとのシャツのボタンが3つほど外されていて、何だか色っぽい。
何よりエプロンのお陰で、より強調されている雄っぱいがステキすぎる!
こんな奥さん……いや、旦那さんか、がいたら最高だな! というか欲しい。無理だけど。
「よしっ出来上がったぞ! 冷めない内に早く食べようぜ」
流石、手慣れているというか、動きに無駄がない。せっせとお皿の上に山盛りにした唐揚げをローテーブルへと運んでから、炊きたてのご飯をお椀によそっている。お母さんかな。
少しでも手伝わなければ、と俺も、二人分の取り皿やコップを並べ、付け合わせに用意されていたレタスとキュウリのサラダを運んだ。
「いただきます!」
「おうっ召し上がれ! おかわりもあるから、いっぱい食べろよ!」
気がつけば、俺は夢中で唐揚げを頬張っていた。なんせ、箸が止まらないんだ。美味しすぎて。
ご飯も結構山盛りにしてもらっていたのに、モリモリ進んでしまう。パンチの効いたにんにくと丁度良い醤油味のお陰で。
サラダでいったん口の中をリセットしてから、また唐揚げを口に運ぶ。ホント、無限にいけるな。これ。
「俺、飯おかわりすっけどシュンもするか?」
「する! お願いします!!」
いつの間にか空になったお椀を手に、台所にむかおうとするダンに俺のお椀を手渡す。
イケメンで雄っぱいが大きくて、料理が上手くて気配り上手とかスパダリかな?
「ほい、どうしたんだ? ぼーっとして」
すぐさま山盛りのお椀を2つ持ち、帰ってきたダンの瞳がきょとんと丸くなる。男らしい赤い眉を不思議そうに片方下げ、俺のご飯を手渡してくれた。
「いや、ダンみたいな旦那さんがいたら、最高だなって考えてた」
毎日、美味しい料理食べられるし。雄っぱいでかいし。カッコよくて頼もしいし。
「……だったら、俺ん所に嫁にくるか?」
「あっつ!」
「だから言っただろうが! おいおい火傷してねぇか? 大丈夫か?」
「だ、大丈夫……あ、何これすげぇ美味い」
衣はからっと揚がっているのに、中はしっとり。そして、やっぱり予想通りだった。しっかり、にんにくと醤油の味が染み込んでいる。
……美味しい。今まで食べた唐揚げの中で一番だ。
え? やはり俺の推しは、天才なのでは?
「ホントか? へへっ……まだまだたくさん揚げるから、ちょっと待ってな」
少し照れくさそうに笑うと、ダンは再び唐揚げを揚げ始めた。
とびきり美味しい唐揚げに、すっかり夢中で気付かなかったが……推しのエプロン姿、最高だな。
まくった袖から覗く、盛り上がった逞しい腕。
油を使っているから熱いのだろう。首もとのシャツのボタンが3つほど外されていて、何だか色っぽい。
何よりエプロンのお陰で、より強調されている雄っぱいがステキすぎる!
こんな奥さん……いや、旦那さんか、がいたら最高だな! というか欲しい。無理だけど。
「よしっ出来上がったぞ! 冷めない内に早く食べようぜ」
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少しでも手伝わなければ、と俺も、二人分の取り皿やコップを並べ、付け合わせに用意されていたレタスとキュウリのサラダを運んだ。
「いただきます!」
「おうっ召し上がれ! おかわりもあるから、いっぱい食べろよ!」
気がつけば、俺は夢中で唐揚げを頬張っていた。なんせ、箸が止まらないんだ。美味しすぎて。
ご飯も結構山盛りにしてもらっていたのに、モリモリ進んでしまう。パンチの効いたにんにくと丁度良い醤油味のお陰で。
サラダでいったん口の中をリセットしてから、また唐揚げを口に運ぶ。ホント、無限にいけるな。これ。
「俺、飯おかわりすっけどシュンもするか?」
「する! お願いします!!」
いつの間にか空になったお椀を手に、台所にむかおうとするダンに俺のお椀を手渡す。
イケメンで雄っぱいが大きくて、料理が上手くて気配り上手とかスパダリかな?
「ほい、どうしたんだ? ぼーっとして」
すぐさま山盛りのお椀を2つ持ち、帰ってきたダンの瞳がきょとんと丸くなる。男らしい赤い眉を不思議そうに片方下げ、俺のご飯を手渡してくれた。
「いや、ダンみたいな旦那さんがいたら、最高だなって考えてた」
毎日、美味しい料理食べられるし。雄っぱいでかいし。カッコよくて頼もしいし。
「……だったら、俺ん所に嫁にくるか?」
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