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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
うん、知ってた
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これくらいはさせてよね? そうひと声かけてくれたものの、俺には拒否権がなければ、発言権すらもないようだ。俺がこれくらいって? と疑問の声を上げる間もなく、ソレイユは俺に口付け始めたのだから。
軽やかなリップ音を鳴らしながら柔らかな温もりが触れてくる。頭の上、額、目元に、頬、鼻の先にも。
もう、ソレイユにキスしてもらっていないところなんて、ないのかもしれない。
そう思い浮かべてしまうくらいには、ちゅっちゅ、ちゅっちゅ、と何度もしてもらえてしまっていた。
……満足してもらえたんだろうか。
口の端ギリギリに口付けてきたのを最後に、ソレイユは、ご馳走さま、だなんて言ってのけてから俺の頭を撫でてきた。
……全く、とんでもない人だ。最後の最後まで、こっちの心臓を高鳴らせてくるだなんて。
満足気に瞳を細めながら俺を見つめていたソレイユが、くすくすと笑い始める。どうせ俺の考えてることなんてお見通しなんだろう。分かっていて笑っているんだろう。
宥めるように頭を撫でてはくれたもののソレイユは俺の視線には応えてはくれなかった。ところでさ、と話題を変えてきた。
「さっきの写真、オレにも送ってね」
「……はい」
口にした返事の素っ気なさに、自分でも驚く。ソレイユの顔を見れなくて、端末を操作することで誤魔化した。
兎にも角にも気持ちを落ち着かせる時間が欲しい。本来なら数タップで終えてしまう作業を無理矢理引き伸ばす。余計な操作を入れてみたり、出来るだけゆっくりと指を動かしてみたり。
それでも、所詮は写真を送るだけ。彼との日頃のやりとりが残っているメッセージアプリへと画像を載せてしまえば、はい、おしまい。顔の熱が引くまで、鼓動の音が落ち着くまでなんて、とても稼げやしなかった。
ぴろんっ、とすぐ側で通知音が鳴った。間を置かずにソレイユが、ありがとう、と言ってきたので無事送れたということだろう。
頬に温かな手のひらが触れてきた。ゆるゆると撫でる手つきは、さっきと同じで宥めているような。ご機嫌をとろうとしてくれているのかもしれない。
それでも頑なに視線を端末に向けたままでいると、指先が顎の裏を撫でてきた。
俺が猫だったならゴロゴロと喉を鳴らしていたかもしれない。でも、人間の俺にとっては、ただただこそばゆいだけだった。
止める気配のない指先に堪らず顔を上げれば、オレンジの瞳が微笑んだ。嬉しそう、というよりは安心したように見えたのは気のせいだろう。
「ね、シュン」
「はい……」
「オレもおんなじの撮ってもいい?」
おんなじのとは? 続きを促すべく黙っていると、俺の頭を撫でながら強請ってきた。
「今度はオレからシュンの柔らかほっぺにキスしたい」
「やわ……」
「ダメ?」
寂しそうに瞳を細められてしまうと、眉尻を下げられてしまうと弱い。
「いっ、いえっ、良いですよ、どうぞっ」
ばっちこいとばかりに腕を広げて応えれば、ソレイユはころっと表情を明るくした。うん。知ってた。
軽やかなリップ音を鳴らしながら柔らかな温もりが触れてくる。頭の上、額、目元に、頬、鼻の先にも。
もう、ソレイユにキスしてもらっていないところなんて、ないのかもしれない。
そう思い浮かべてしまうくらいには、ちゅっちゅ、ちゅっちゅ、と何度もしてもらえてしまっていた。
……満足してもらえたんだろうか。
口の端ギリギリに口付けてきたのを最後に、ソレイユは、ご馳走さま、だなんて言ってのけてから俺の頭を撫でてきた。
……全く、とんでもない人だ。最後の最後まで、こっちの心臓を高鳴らせてくるだなんて。
満足気に瞳を細めながら俺を見つめていたソレイユが、くすくすと笑い始める。どうせ俺の考えてることなんてお見通しなんだろう。分かっていて笑っているんだろう。
宥めるように頭を撫でてはくれたもののソレイユは俺の視線には応えてはくれなかった。ところでさ、と話題を変えてきた。
「さっきの写真、オレにも送ってね」
「……はい」
口にした返事の素っ気なさに、自分でも驚く。ソレイユの顔を見れなくて、端末を操作することで誤魔化した。
兎にも角にも気持ちを落ち着かせる時間が欲しい。本来なら数タップで終えてしまう作業を無理矢理引き伸ばす。余計な操作を入れてみたり、出来るだけゆっくりと指を動かしてみたり。
それでも、所詮は写真を送るだけ。彼との日頃のやりとりが残っているメッセージアプリへと画像を載せてしまえば、はい、おしまい。顔の熱が引くまで、鼓動の音が落ち着くまでなんて、とても稼げやしなかった。
ぴろんっ、とすぐ側で通知音が鳴った。間を置かずにソレイユが、ありがとう、と言ってきたので無事送れたということだろう。
頬に温かな手のひらが触れてきた。ゆるゆると撫でる手つきは、さっきと同じで宥めているような。ご機嫌をとろうとしてくれているのかもしれない。
それでも頑なに視線を端末に向けたままでいると、指先が顎の裏を撫でてきた。
俺が猫だったならゴロゴロと喉を鳴らしていたかもしれない。でも、人間の俺にとっては、ただただこそばゆいだけだった。
止める気配のない指先に堪らず顔を上げれば、オレンジの瞳が微笑んだ。嬉しそう、というよりは安心したように見えたのは気のせいだろう。
「ね、シュン」
「はい……」
「オレもおんなじの撮ってもいい?」
おんなじのとは? 続きを促すべく黙っていると、俺の頭を撫でながら強請ってきた。
「今度はオレからシュンの柔らかほっぺにキスしたい」
「やわ……」
「ダメ?」
寂しそうに瞳を細められてしまうと、眉尻を下げられてしまうと弱い。
「いっ、いえっ、良いですよ、どうぞっ」
ばっちこいとばかりに腕を広げて応えれば、ソレイユはころっと表情を明るくした。うん。知ってた。
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