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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
またしても
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もう分かっている。これからしてもらえることなんて。ソレイユから頬にキスしてもらえて、その瞬間をソレイユが写真に撮る、それだけ。
さっきはいきなりだった。抱き締めてもらえるなんて、その上、頬を寄せてもらえるなんて思えなくて。間の抜けた驚き顔と、真っ赤な顔を晒してしまっていた。
でも、今回は分かっている。ソレイユも待っていてくれているから、心の準備をすることも出来る。だから、絶好のチャンスなんだ。俺も真っ赤な顔を晒さずに、ソレイユと笑顔で映ることが出来るんだ。
……出来る、ハズなんだ。
「しゅーん、ほぉらぁ、笑顔、笑顔。大丈夫だよ、取って食うようなことはしないからさ」
引き締まった腕を俺の腰に回しながら、ソレイユが笑う。
彼が掲げている端末の画面には、身を寄せ合う俺達が映っていた。楽しそうに笑うソレイユと相変わらず真っ赤な俺が。
「それは……分かってるんですけど……」
分かってるけどっ、緊張しちゃうんだよっ……!!
すぐ近くに感じるのは恋人の温もり。頬に触れてしまっているのは柔らかな肌と、潮風に吹かれて揺れるさらりとした髪。感じられるそれらだけでも胸がいっぱいになってしまうというのに。
気持ちを落ち着かせようと深呼吸をすれば、彼の香りが鼻を擽ってくるのだ。シャボンのような清潔感のある香りと、少し甘酸っぱい柑橘系が混ざったような。
俺と同じボディーソープを使っているのに、お揃いだとは思えない良い香り。嗅覚でもソレイユが側にいることを改めて実感させられてしまえば、落ち着いていられるハズが。
「シュン」
柔らかな声が俺の名を呼ぶ。また胸の内に甘い感覚が広がってしまう。
「は、はい……」
ますます胸が高鳴ってしまったが、呼んでもらえたのに目を合わせない訳には。
顔だけそちらへと向ければ、彼の表情は真剣そのもので思わず息を呑んだ。
「好き」
「っ……」
たったの二文字が俺の心を激しく揺さぶってくる。ぐっと引き結んでいた口元が、込み上げてくる喜びでだらしなく緩んでいってしまう。
とはいえ、ソレイユにとっては知ったこっちゃないんだろう。微笑みながら、また俺に伝えてくれたんだ。
「好きだよ」
「っ、ぅ……」
ぴろりろりんっ。
「は……?」
勇気を出して、俺もと。ソレイユが好きだと伝えようとしていたところで頬に柔らかな感触が触れて。続けざまに鳴ったのは無機質だけど明るい電子音。
聞き覚えがない訳がない。でも、認めたくはなかった。なかったんだけど。
「うんっ、いーねー! 自然な笑顔のシュンも可愛くて好きだけど、オレのこと好きって堪らないっていうこの笑顔も、ぐっとくる可愛さがあるよねぇ」
端末を操作しながら、一人で納得しているように頷くソレイユ。その手元を恐る恐る覗いてみれば、容赦なく現実を突き付けられた。
画面に映るのは恋人よろしく身を寄せ合っている俺達。嬉しそうに瞳を細めながら俺の頰へと口付けているソレイユと、だらしのない笑顔を浮かべながら耳まで真っ赤に染めている俺だった。
さっきはいきなりだった。抱き締めてもらえるなんて、その上、頬を寄せてもらえるなんて思えなくて。間の抜けた驚き顔と、真っ赤な顔を晒してしまっていた。
でも、今回は分かっている。ソレイユも待っていてくれているから、心の準備をすることも出来る。だから、絶好のチャンスなんだ。俺も真っ赤な顔を晒さずに、ソレイユと笑顔で映ることが出来るんだ。
……出来る、ハズなんだ。
「しゅーん、ほぉらぁ、笑顔、笑顔。大丈夫だよ、取って食うようなことはしないからさ」
引き締まった腕を俺の腰に回しながら、ソレイユが笑う。
彼が掲げている端末の画面には、身を寄せ合う俺達が映っていた。楽しそうに笑うソレイユと相変わらず真っ赤な俺が。
「それは……分かってるんですけど……」
分かってるけどっ、緊張しちゃうんだよっ……!!
すぐ近くに感じるのは恋人の温もり。頬に触れてしまっているのは柔らかな肌と、潮風に吹かれて揺れるさらりとした髪。感じられるそれらだけでも胸がいっぱいになってしまうというのに。
気持ちを落ち着かせようと深呼吸をすれば、彼の香りが鼻を擽ってくるのだ。シャボンのような清潔感のある香りと、少し甘酸っぱい柑橘系が混ざったような。
俺と同じボディーソープを使っているのに、お揃いだとは思えない良い香り。嗅覚でもソレイユが側にいることを改めて実感させられてしまえば、落ち着いていられるハズが。
「シュン」
柔らかな声が俺の名を呼ぶ。また胸の内に甘い感覚が広がってしまう。
「は、はい……」
ますます胸が高鳴ってしまったが、呼んでもらえたのに目を合わせない訳には。
顔だけそちらへと向ければ、彼の表情は真剣そのもので思わず息を呑んだ。
「好き」
「っ……」
たったの二文字が俺の心を激しく揺さぶってくる。ぐっと引き結んでいた口元が、込み上げてくる喜びでだらしなく緩んでいってしまう。
とはいえ、ソレイユにとっては知ったこっちゃないんだろう。微笑みながら、また俺に伝えてくれたんだ。
「好きだよ」
「っ、ぅ……」
ぴろりろりんっ。
「は……?」
勇気を出して、俺もと。ソレイユが好きだと伝えようとしていたところで頬に柔らかな感触が触れて。続けざまに鳴ったのは無機質だけど明るい電子音。
聞き覚えがない訳がない。でも、認めたくはなかった。なかったんだけど。
「うんっ、いーねー! 自然な笑顔のシュンも可愛くて好きだけど、オレのこと好きって堪らないっていうこの笑顔も、ぐっとくる可愛さがあるよねぇ」
端末を操作しながら、一人で納得しているように頷くソレイユ。その手元を恐る恐る覗いてみれば、容赦なく現実を突き付けられた。
画面に映るのは恋人よろしく身を寄せ合っている俺達。嬉しそうに瞳を細めながら俺の頰へと口付けているソレイユと、だらしのない笑顔を浮かべながら耳まで真っ赤に染めている俺だった。
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