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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
いつかの勝負を俺とも
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「満足?」
満足、しちゃいけないのだろうか? 言葉の意図が分からずに聞き返してしまっていた。
ソレイユは小さく、あ、と呟いたかと思えば、口を手で覆い隠す。それでも足りないと思ったのか、素早く顔を背けてしまった。
本来言うつもりのなかった、無意識の発言だったんだろう。緩いウェーブのかかった髪から覗く耳が赤い。
……気にはなる。いや、気にならない訳がないだろう。普通。
でも、聞いたとしても教えてはくれなさそうだな。それよりも、この微妙な空気をどうにかした方が。
「あっ」
「な、なにっ? どうしたの?」
「良かったらさ、俺達もしてみない? 対決。どっちが、よりいい感じの貝殻を見つけられるか。どう?」
俺としては名案のつもりだった。目的だった、ソレイユと海で遊ぶってのも果たすことが出来るし、空気も変えることが出来る。まさに一石二鳥ってヤツ。
けれども、ソレイユは勢いよく振り向いたまま、目を丸くしている。まぁ、俺にしては珍しく彼の言いたいことが分かるけど。
「……他の遊びの方が良かった?」
「いや……やりたいっ、シュンと一緒に……」
「良かった。話聞いてて楽しそうだなって思ってたからさ」
「そっか……」
大きな手のひらが頭を優しく撫でてくれる。
俺が敢えて聞かないようにしていると分かったんだろう。ソレイユも聞くことはなかった。整った顔に、いつもの人の良さそうな笑みが戻る。
「それでさ、イイ感じって……何を基準にそう判断するの?」
「ソレイユとサルファー先輩の時は? 勝負、してたんだよね?」
「オレ達の時のは参考に出来ないっていうか……しない方がイイと思うよ……最終的にはプレゼン勝負になってたからさ。どれだけ自分の方のがスゴいかっていう」
「ああ……」
何か、それもまた想像出来るような。
自分がゲットした魚やカニ、貝殻を見せつけ合う幼い二人。俺の魚の方がヒレがカッコいいぞ? オレの魚のヒレの方がキラキラしてるもんねっ! って感じで言い合う、その姿を。
頭に浮かんでいる微笑ましいやり取りに、思わず口元も緩んでしまっていたらしい。
「そんなに笑わないでよー……子供の時の話なんだからさぁ」
「はは、ごめん、ごめん」
拗ねてしまったのか、大きな手の動きは頭を撫でてくれるというよりは、髪をかき混ぜるように変わってしまう。それでも、笑うのは止められなかった。撫でる加減は優しいままだから。
「それで、勝敗は?」
「そうだねー……オレがサルフを言い負か、んんっ」
明らかに、言い負かした、と言いかけていたのに、咳払い一つで誤魔化せたと思っているらしい。
誤魔化せたことにしたいらしい。何事もなかったような顔をしながら、話を続ける。
「……オレのプレゼンの方が上手くて、サルフが納得せざるを得なかった時もあれば、逆に俺が負けを認めざるを得なかった時もあったかな」
「へぇ、それって見た目的に?」
「うん。単にサイズが大きいだけじゃなくて、見た目もカッコよかったりキレイだったりした時には、ね。まぁ、それでもオレの見つけたヤツの方がカッコよくて、キレイな時もあったんだけどさ」
満足、しちゃいけないのだろうか? 言葉の意図が分からずに聞き返してしまっていた。
ソレイユは小さく、あ、と呟いたかと思えば、口を手で覆い隠す。それでも足りないと思ったのか、素早く顔を背けてしまった。
本来言うつもりのなかった、無意識の発言だったんだろう。緩いウェーブのかかった髪から覗く耳が赤い。
……気にはなる。いや、気にならない訳がないだろう。普通。
でも、聞いたとしても教えてはくれなさそうだな。それよりも、この微妙な空気をどうにかした方が。
「あっ」
「な、なにっ? どうしたの?」
「良かったらさ、俺達もしてみない? 対決。どっちが、よりいい感じの貝殻を見つけられるか。どう?」
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けれども、ソレイユは勢いよく振り向いたまま、目を丸くしている。まぁ、俺にしては珍しく彼の言いたいことが分かるけど。
「……他の遊びの方が良かった?」
「いや……やりたいっ、シュンと一緒に……」
「良かった。話聞いてて楽しそうだなって思ってたからさ」
「そっか……」
大きな手のひらが頭を優しく撫でてくれる。
俺が敢えて聞かないようにしていると分かったんだろう。ソレイユも聞くことはなかった。整った顔に、いつもの人の良さそうな笑みが戻る。
「それでさ、イイ感じって……何を基準にそう判断するの?」
「ソレイユとサルファー先輩の時は? 勝負、してたんだよね?」
「オレ達の時のは参考に出来ないっていうか……しない方がイイと思うよ……最終的にはプレゼン勝負になってたからさ。どれだけ自分の方のがスゴいかっていう」
「ああ……」
何か、それもまた想像出来るような。
自分がゲットした魚やカニ、貝殻を見せつけ合う幼い二人。俺の魚の方がヒレがカッコいいぞ? オレの魚のヒレの方がキラキラしてるもんねっ! って感じで言い合う、その姿を。
頭に浮かんでいる微笑ましいやり取りに、思わず口元も緩んでしまっていたらしい。
「そんなに笑わないでよー……子供の時の話なんだからさぁ」
「はは、ごめん、ごめん」
拗ねてしまったのか、大きな手の動きは頭を撫でてくれるというよりは、髪をかき混ぜるように変わってしまう。それでも、笑うのは止められなかった。撫でる加減は優しいままだから。
「それで、勝敗は?」
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