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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
★ あざといのは、どちらなのか
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「シュン……こっち見て」
大好きな恋人に全てを晒してしまっている自身の体勢。これからしてくれるであろうことへの期待。後ろ向きな気恥ずかしさと前向きな気恥ずかしさから来る照れは、俺の胸の高鳴りを強くするばかりか、無意識の内に彼から逃げようとしてしまっていた。視線だけではない。顔ごと背けてしまっていた。
彼の手は今、一方は俺の身体を支えてくれていて、もう一方は足を持ち上げてくれている。いつものように俺の顎をその長い指で掴むようなことは出来ない。だからだろう。
「寂しいな……そっぽ向かれちゃうと」
弱々しくも可愛らしい声色で呟いてくる。柔らかな髪が触れるほどに額を寄せて、高い鼻先を俺の頬へと擦り寄せてくる。いつもとは違う方法でのアプローチ。甘えているようなそれらが、俺の心を掴まない訳はなく。
「ズルいですよ……その言い方……」
恨めしげに言いながらも俺は自ら逸らしていた目を、背けていた顔を戻していた。タレ目の瞳はゆるりと緩んで目尻が下がり、形のいい唇は蕩けるような笑みを隠そうとはしていない。満足そうだ。とても。
「フフ……キュンとしちゃった? なんて」
意趣返しというよりは、ただの悪足掻きに近いと思う。こんなにドキドキされてしまっているんだ、ソレイユも少しくらいはドキドキして欲しい、そんな独りよがりな気持ちに突き動かせるまま、俺は微笑む彼の唇に自身の口を押し付けていた。
珍しく、反撃はこなかった。調子に乗って上唇を軽く食んでみても、夕焼け色の瞳は僅かに見開いたまま。
狙ってみたが彼がしてくれる時のような軽やかなリップ音を鳴らすことは出来なかった。鼻先はまだ触れ合ったままだから、長い睫毛がよく見える。ぱち、ぱち、と今あったことを飲み込もうとしているみたいに瞬かせている。
ふぅ……と。小さな溜め息。熱いそれが口に触れる。見つめてくる眼差しは、不満げに細められていた。
「……シュン」
「しました、キュンと……だいぶあざとかったですけど」
「ふぅん……気を引けたのは嬉しいけど……シュンには言われたくないなぁ」
拗ねたように唇を尖らせて、すりすりと擦り寄せてきたのは鼻先だけじゃない。開かれていた足の間に割り込むように密着してきた筋肉質な体躯。その男らしさに見合う彼のものが、下腹部へと緩く擦り合わされる。
後ろから抱き締められた時に分かってはいた。俺で興奮してくれているんだって。でも、こうして、昂ぶっている硬い熱と直に触れ合ってしまうと。
「ん……は、ぁ……なんで、ですか?」
「だって……あざと可愛いし、ズルいじゃん……言葉も、仕草も、表情も……さ」
「そんなこと……あっ」
シャワーの音がなければ、きっと耳に届いてしまっているだろう。耳を塞ぎたくなってしまつような、粘ついていて湿った音が。そう確信出来る程度には感じ入ってしまっていた。
分かってしまっていた。ますます勃ち上がらせてしまっている自身の先端から、はしたなくこぼし続けてしまっていることに。
大好きな恋人に全てを晒してしまっている自身の体勢。これからしてくれるであろうことへの期待。後ろ向きな気恥ずかしさと前向きな気恥ずかしさから来る照れは、俺の胸の高鳴りを強くするばかりか、無意識の内に彼から逃げようとしてしまっていた。視線だけではない。顔ごと背けてしまっていた。
彼の手は今、一方は俺の身体を支えてくれていて、もう一方は足を持ち上げてくれている。いつものように俺の顎をその長い指で掴むようなことは出来ない。だからだろう。
「寂しいな……そっぽ向かれちゃうと」
弱々しくも可愛らしい声色で呟いてくる。柔らかな髪が触れるほどに額を寄せて、高い鼻先を俺の頬へと擦り寄せてくる。いつもとは違う方法でのアプローチ。甘えているようなそれらが、俺の心を掴まない訳はなく。
「ズルいですよ……その言い方……」
恨めしげに言いながらも俺は自ら逸らしていた目を、背けていた顔を戻していた。タレ目の瞳はゆるりと緩んで目尻が下がり、形のいい唇は蕩けるような笑みを隠そうとはしていない。満足そうだ。とても。
「フフ……キュンとしちゃった? なんて」
意趣返しというよりは、ただの悪足掻きに近いと思う。こんなにドキドキされてしまっているんだ、ソレイユも少しくらいはドキドキして欲しい、そんな独りよがりな気持ちに突き動かせるまま、俺は微笑む彼の唇に自身の口を押し付けていた。
珍しく、反撃はこなかった。調子に乗って上唇を軽く食んでみても、夕焼け色の瞳は僅かに見開いたまま。
狙ってみたが彼がしてくれる時のような軽やかなリップ音を鳴らすことは出来なかった。鼻先はまだ触れ合ったままだから、長い睫毛がよく見える。ぱち、ぱち、と今あったことを飲み込もうとしているみたいに瞬かせている。
ふぅ……と。小さな溜め息。熱いそれが口に触れる。見つめてくる眼差しは、不満げに細められていた。
「……シュン」
「しました、キュンと……だいぶあざとかったですけど」
「ふぅん……気を引けたのは嬉しいけど……シュンには言われたくないなぁ」
拗ねたように唇を尖らせて、すりすりと擦り寄せてきたのは鼻先だけじゃない。開かれていた足の間に割り込むように密着してきた筋肉質な体躯。その男らしさに見合う彼のものが、下腹部へと緩く擦り合わされる。
後ろから抱き締められた時に分かってはいた。俺で興奮してくれているんだって。でも、こうして、昂ぶっている硬い熱と直に触れ合ってしまうと。
「ん……は、ぁ……なんで、ですか?」
「だって……あざと可愛いし、ズルいじゃん……言葉も、仕草も、表情も……さ」
「そんなこと……あっ」
シャワーの音がなければ、きっと耳に届いてしまっているだろう。耳を塞ぎたくなってしまつような、粘ついていて湿った音が。そう確信出来る程度には感じ入ってしまっていた。
分かってしまっていた。ますます勃ち上がらせてしまっている自身の先端から、はしたなくこぼし続けてしまっていることに。
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