気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件～恋人ルート～

マッチョな先生と恋人同士になった件（グレイルート）

★ ……呼んだかい？

　想像の中の先生が、楽しそうに微笑んだ。

『こんなに濡らして……気持ちいいんだね、可愛いよ……』

　そう、俺に甘く囁きながら前を、後ろを触れてくれる。ゴツゴツした大人の手が俺のものを優しく握り込んで、太くて節くれ立った指が俺の穴を。

　そんな、浅ましく汚れた想像をしながら俺は、自分のものを擦り上げ、しこりを指の腹で軽くつついた。

　とん、とん、と触れる度に固く閉じているハズの目の前が、ぱちぱちと瞬く。全身に広がっていく心地のいい波。じわじわ感じる熱がもっと欲しくて、指の動きに合わせて腰をヘコヘコと揺らしてしまう。

　とっくの昔に完全に直立した俺の淫茎は、すっかり濡れそぼってしまっていた。

　震える先端から漏らしっぱなしの先走り。後から後からトロトロこぼれてしまうそれが、手を動かす度にいやらしい音を響かせる。

　激しく高鳴りっぱなしの鼓動に紛れて……ちゅこ、ちゅこと。ねっとりとした水音が、俺の鼓膜を揺らす度に背筋を淡い感覚が駆け抜けていく。

　……どうしよう……気持ちいい……先生の、前なのに……俺、一人で気持ちよくなっちゃってる……

　先生が寝ているすぐ側で、はしたなく下半身を晒しながら前と後ろを慰める。消えてしまいたい恥ずかしさに、頭がくらくらしてしまう。

　背徳感っていうのかな。今、俺は、スゴくいけないことをしてるんだって、そう思う度にますます昂ってしまっていたんだ。

　手の動きが、段々と変わっていく。激しく、早く、大胆になっていく。準備の為じゃない、自分がもっと気持ちよくなれる為の、上り詰める為の動きへと。

　もう、この時点で俺は、すっかり忘れてしまっていた。本来の目的が抜け落ちていたんだ。

　強すぎる快楽に、溺れてしまっている頭の中を占めているのは、ただ一つ。イきたいって、想像の中の先生によってイかされたいっていう……独りよがりな、みっともない欲求だけ。

『もっと気持ちよくなりたいのかい？　だったら、お願いしないと……ちゃんと出来るよね？　シュン君はイイ子だもの、ね？』

　頭の中で、優しい声が甘く囁く。青空のように透き通った青い瞳が、悪戯っぽく微笑む。

　俺にとって都合のいい先生の幻に促されるまま、俺はお願いしてしまっていた。

「っ………せ、んせ、ぁっ、いい……そこ、気持ちい……もっと、もっとして下さ……んっ、は、ぁ……お願い……グレイ、せんせっ……」

「……呼んだかい？」

　優しいけれども、どこか艷やかな声。ポツリと呟かれた声が、妙に大きく聞こえた。