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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
★ 言葉でも、行動でも
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……もっと言葉でも伝えた方がいいだろうか。
そう思い口を離せば、先輩は甘えるように擦り寄ってきた。物足りなさそうに歪んだ唇が、触れ合いの続きを求めるように口づけてくる。
「ん、ふふっ……」
つい俺は笑みをこぼしてしまっていた。
だって、あんまりにも可愛かったから。それに嬉しくて仕方がなかったんだ。先輩から求めてくれていることがさ。
とはいえ、何も知らない先輩からしてみたら、あまりいい気はしなかっただろう。
耳まで真っ赤に染まった端正な顔は、何だかバツが悪そう。眉間にシワを寄せて、視線をゆらゆらと彷徨わせている。
それでもどこかしらくっついてはいたいのか、俺の手を握り締めてきた。少し震えながらも絡めてくる指に、胸の奥が擽ったくなる。
愛しさが、込み上げてくる。
「すみません……もっと言葉で先輩のことが好きだって伝えようかと思っていたんですけど……」
鼓動が高鳴る熱に背中を押されたのだろう。俺は空いている方の手で、シャープな彼の顎を掴んでいた。
「行動の方が……良いですか?」
奪っていた。見せつけるみたいに音を鳴らして。
上唇を軽く食んで離した時、黄色の瞳に俺が映った。見慣れた顔の、見たことのない不敵な表情に、こんな顔も出来るんだなと、自分のことながら他人事のように思った。
自分でも大胆なことをしたなとは思っただけあって、先輩にとっても予想外らしかった。先輩は固まってしまったみたいに、ただただ俺を見つめていた。
調子に乗り過ぎたかなと過ぎりかけていた不安は、すぐさま杞憂になった。
「……駄目か?」
「へ?」
「……どっちもじゃ……駄目か?」
言葉も行動も欲してくれた、静かだけれど熱のこもった声によって。
「ふふ、欲張りですね……でも、その気持ちも分かります。俺も……どっちも欲しいですから」
「シュン……」
「サルファー先輩……大好きですよ……これからもいっぱい伝えますから……先輩が寂しいって思う暇がなくなるくらい……」
「それは、頼もしいな……」
緩やかな笑みを描いた唇にキスを送れば、ますます嬉しそうに笑みが深くなる。
また甘えるように、高い鼻先を寄せてきた先輩に口づけて。そんな風に俺が率先していたもんだから、すっかり浮かれてしまっていた。主導権を握った気分になっていたのだ。
今回は、俺が先輩を気持ちよくしてあげようかな……
先輩からの可愛らしいキスのお強請りに応えながら、内心ほくそ笑んでいた俺の余裕はあっという間に消え失せることになる。
「じゃあ……今度は俺からも伝えないとな……」
「へ……?」
「ちょっとしたことで一喜一憂するほどに……君が好きで堪らないってことを……言葉でも、行動でも……」
優しく微笑んでいる瞳に灯っていた熱。焦がれるような眼差しに釘付けになっている内に、半開きのままの口を塞がれた。
「んむっ……ん、ふ、ぅ……」
柔い温もりが触れ合ったかと思えば、熱く濡れた体温が俺の口内へと潜り込んできた。
俺と同じとは思えない大きくて長い舌が、反射的に奥へと縮み込んでいた俺の舌を絡め取る。宥めるように優しく舌先から根元まで舐め上げていく。
俺達が混ざり合う音が頭に響く。
気がつけば俺は、心地よさを追うことだけに没頭していた。先輩の巧みな舌の動きに合わせて、夢中で舌を伸ばしていたんだ。
「ん、んっ……んん……は、ふ……」
不意に先輩が離れていってしまう。
寂しさと物足りなさで胸が切ない音を鳴らした。俺達を繋いでいた透明な糸が無情にも切れて、伸ばしたままの舌先がひやりと外気に触れて。
「……ぁ……さるふぁ……」
「は……もう、目がとろんとしているな……可愛い……」
続きをして欲しくて、必死に舌を伸ばす俺を嬉しそうに見下ろす先輩。すでに立場は逆転していた。
でも、今の俺にとってはそんなこと、どうでも良かった。
もう、先輩のことしか……先輩に愛してもらうことしか、考えられないのだから。
そう思い口を離せば、先輩は甘えるように擦り寄ってきた。物足りなさそうに歪んだ唇が、触れ合いの続きを求めるように口づけてくる。
「ん、ふふっ……」
つい俺は笑みをこぼしてしまっていた。
だって、あんまりにも可愛かったから。それに嬉しくて仕方がなかったんだ。先輩から求めてくれていることがさ。
とはいえ、何も知らない先輩からしてみたら、あまりいい気はしなかっただろう。
耳まで真っ赤に染まった端正な顔は、何だかバツが悪そう。眉間にシワを寄せて、視線をゆらゆらと彷徨わせている。
それでもどこかしらくっついてはいたいのか、俺の手を握り締めてきた。少し震えながらも絡めてくる指に、胸の奥が擽ったくなる。
愛しさが、込み上げてくる。
「すみません……もっと言葉で先輩のことが好きだって伝えようかと思っていたんですけど……」
鼓動が高鳴る熱に背中を押されたのだろう。俺は空いている方の手で、シャープな彼の顎を掴んでいた。
「行動の方が……良いですか?」
奪っていた。見せつけるみたいに音を鳴らして。
上唇を軽く食んで離した時、黄色の瞳に俺が映った。見慣れた顔の、見たことのない不敵な表情に、こんな顔も出来るんだなと、自分のことながら他人事のように思った。
自分でも大胆なことをしたなとは思っただけあって、先輩にとっても予想外らしかった。先輩は固まってしまったみたいに、ただただ俺を見つめていた。
調子に乗り過ぎたかなと過ぎりかけていた不安は、すぐさま杞憂になった。
「……駄目か?」
「へ?」
「……どっちもじゃ……駄目か?」
言葉も行動も欲してくれた、静かだけれど熱のこもった声によって。
「ふふ、欲張りですね……でも、その気持ちも分かります。俺も……どっちも欲しいですから」
「シュン……」
「サルファー先輩……大好きですよ……これからもいっぱい伝えますから……先輩が寂しいって思う暇がなくなるくらい……」
「それは、頼もしいな……」
緩やかな笑みを描いた唇にキスを送れば、ますます嬉しそうに笑みが深くなる。
また甘えるように、高い鼻先を寄せてきた先輩に口づけて。そんな風に俺が率先していたもんだから、すっかり浮かれてしまっていた。主導権を握った気分になっていたのだ。
今回は、俺が先輩を気持ちよくしてあげようかな……
先輩からの可愛らしいキスのお強請りに応えながら、内心ほくそ笑んでいた俺の余裕はあっという間に消え失せることになる。
「じゃあ……今度は俺からも伝えないとな……」
「へ……?」
「ちょっとしたことで一喜一憂するほどに……君が好きで堪らないってことを……言葉でも、行動でも……」
優しく微笑んでいる瞳に灯っていた熱。焦がれるような眼差しに釘付けになっている内に、半開きのままの口を塞がれた。
「んむっ……ん、ふ、ぅ……」
柔い温もりが触れ合ったかと思えば、熱く濡れた体温が俺の口内へと潜り込んできた。
俺と同じとは思えない大きくて長い舌が、反射的に奥へと縮み込んでいた俺の舌を絡め取る。宥めるように優しく舌先から根元まで舐め上げていく。
俺達が混ざり合う音が頭に響く。
気がつけば俺は、心地よさを追うことだけに没頭していた。先輩の巧みな舌の動きに合わせて、夢中で舌を伸ばしていたんだ。
「ん、んっ……んん……は、ふ……」
不意に先輩が離れていってしまう。
寂しさと物足りなさで胸が切ない音を鳴らした。俺達を繋いでいた透明な糸が無情にも切れて、伸ばしたままの舌先がひやりと外気に触れて。
「……ぁ……さるふぁ……」
「は……もう、目がとろんとしているな……可愛い……」
続きをして欲しくて、必死に舌を伸ばす俺を嬉しそうに見下ろす先輩。すでに立場は逆転していた。
でも、今の俺にとってはそんなこと、どうでも良かった。
もう、先輩のことしか……先輩に愛してもらうことしか、考えられないのだから。
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