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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
いきなり情報量が多すぎる
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ふと、視界が開けていく。ボヤけている視界にピントが合ってくる。俺を見下ろしていた鼻筋の通った顔が、ぱぁっと明るくなった。
「ああ、シュンちゃん、気がついたんだね……大丈夫? どこか、辛いところとか、ない?」
どうやら、ほんの少しの間、俺は気を失ってしまっていたようだ。ソレイユ先輩が、俺を横抱きの形で抱き支えてくれていた。
「大丈夫、です……」
「そっか……良かった」
先輩に抱き締めてもらえているのは嬉しい。でも、ずっと寄り掛かりっぱなしってのは。身体を起こそうとしたものの上手く力が入らない。
藻掻いていたのがバレたのだろう。大きな手から宥めるようによしよしと背中を撫でられた。
「ああ、遠慮しないで……このままでいていいんだよ。それとも……オレの腕の中じゃあ落ち着かない?」
「い、いえ、そんな……嬉しいです……」
それに、安心出来るし……そりゃあ、別の意味では落ち着かなくなっちゃいそうだけどさ。
「フフ、じゃあ、もっと抱き締めちゃおうかな?」
「おわ……っ」
有言実行、筋肉質な長い腕はすぐさま俺を抱き寄せてきた。ますます密着した温もりに対して、意識しない方がムリな話で。つい間の抜けた声を上げてしまったていた。
「シュンちゃん、かーわいい」
くふくふと楽しそうに笑いながら、先輩が頬を寄せてくる。いやいや、俺のセリフでわ? 可愛いのは明らかに先輩の方でわ?
心の中では思っていても、口に出す勇気はとてもとても。されるがままになっていると、ずっと放置していた疑問が再び湧いてきた。
それにしても、一体何で? 身体がまともに動かせないくらいに、俺、疲れ切って……
気を失う寸前の記憶を掘り起こそうとしたところで見てしまった。惜しげもなく晒されたままの、鍛え抜かれた肉体美を。
途端に、ぶわりと思い出されていく。スゴく嬉しかったんだけれども、それでも顔を覆い隠したくなる先輩とのひと時を。
最後の最後に腹周りに感じることが出来た自分以外の熱い迸りを。
「あ、うぁ……」
「ん、どうかした? やっぱり、どこか……」
「い、いえっ、ただ、嬉しいなって……先輩と、一緒に出来たみたいだから……」
「シュンちゃん……」
不安そうだった瞳が瞬いて、白い頬がほんのりと染まっていく。むいっと尖らせた唇が、ぽつぽつと呟き始めた。
「ダメだよ、そんな可愛いこと言ったら……また、オレ、我慢出来なくなっちゃうでしょ?」
咎めるように言いながらも、先輩は満更でもなさそう。見つめてくる眼差しに宿っているのは照ればかりではない。あのひと時と同じ熱が……俺を求めてくれて。
「しなくても……いいんじゃないですか?」
大胆なことを言ったなと思いつつも、俺は内心ほくそ笑んでいた。
あからさまに良いリアクションを先輩がしてくれたのだ。幅の広い肩を僅かに震わせた彼の頬には、更に赤みが差し始めている。やっぱり、先輩も。
「だって、その……まだ練習、してくれていないし……約束、してくれたじゃないですか……今日からしよ」
「誤解がないように先に言っておくね」
「は、はい」
今度は俺が肩をびくりと跳ねさせる側になってしまっていた。まさか遮られるとは思わなかったもんだから。
温かい手のひらが頬に添えられた。優しい手つきで撫でてくれながら、先輩が瞳を彷徨わせる。
深く息を吸って、吐いて。ゆるりと見つめてきた瞳は、真っ直ぐだった。頼もしく骨ばっているのにキレイな手が、俺の手に重ねられる。繋いでもらえただけなのに、指先がジンと熱くなった。
「……オレも、シたいよ……出来ることならシュンちゃんのこと、一日中可愛がってあげたい……」
その言葉だけで俺は舞い上がってしまっていた。可愛がってもらっていた時のように、淡い感覚を覚えてしまっていた。
「っ……はぃ……」
「ただ、さ……デートもしたいから……夜まで待って欲し」
「で、デートしてくれるんですか!? って、えっ、きょ、今日も泊まっていてくれるんですか!?」
いきなり情報量が多すぎる。怒涛の勢いで襲ってきた嬉しさに、頭がくらくらしてしまいそうだ。
つい大きな声を上げてしまっていた俺をきょとんと見つめていた瞳が、嬉しそうに微笑んだ。
「ああ、シュンちゃん、気がついたんだね……大丈夫? どこか、辛いところとか、ない?」
どうやら、ほんの少しの間、俺は気を失ってしまっていたようだ。ソレイユ先輩が、俺を横抱きの形で抱き支えてくれていた。
「大丈夫、です……」
「そっか……良かった」
先輩に抱き締めてもらえているのは嬉しい。でも、ずっと寄り掛かりっぱなしってのは。身体を起こそうとしたものの上手く力が入らない。
藻掻いていたのがバレたのだろう。大きな手から宥めるようによしよしと背中を撫でられた。
「ああ、遠慮しないで……このままでいていいんだよ。それとも……オレの腕の中じゃあ落ち着かない?」
「い、いえ、そんな……嬉しいです……」
それに、安心出来るし……そりゃあ、別の意味では落ち着かなくなっちゃいそうだけどさ。
「フフ、じゃあ、もっと抱き締めちゃおうかな?」
「おわ……っ」
有言実行、筋肉質な長い腕はすぐさま俺を抱き寄せてきた。ますます密着した温もりに対して、意識しない方がムリな話で。つい間の抜けた声を上げてしまったていた。
「シュンちゃん、かーわいい」
くふくふと楽しそうに笑いながら、先輩が頬を寄せてくる。いやいや、俺のセリフでわ? 可愛いのは明らかに先輩の方でわ?
心の中では思っていても、口に出す勇気はとてもとても。されるがままになっていると、ずっと放置していた疑問が再び湧いてきた。
それにしても、一体何で? 身体がまともに動かせないくらいに、俺、疲れ切って……
気を失う寸前の記憶を掘り起こそうとしたところで見てしまった。惜しげもなく晒されたままの、鍛え抜かれた肉体美を。
途端に、ぶわりと思い出されていく。スゴく嬉しかったんだけれども、それでも顔を覆い隠したくなる先輩とのひと時を。
最後の最後に腹周りに感じることが出来た自分以外の熱い迸りを。
「あ、うぁ……」
「ん、どうかした? やっぱり、どこか……」
「い、いえっ、ただ、嬉しいなって……先輩と、一緒に出来たみたいだから……」
「シュンちゃん……」
不安そうだった瞳が瞬いて、白い頬がほんのりと染まっていく。むいっと尖らせた唇が、ぽつぽつと呟き始めた。
「ダメだよ、そんな可愛いこと言ったら……また、オレ、我慢出来なくなっちゃうでしょ?」
咎めるように言いながらも、先輩は満更でもなさそう。見つめてくる眼差しに宿っているのは照ればかりではない。あのひと時と同じ熱が……俺を求めてくれて。
「しなくても……いいんじゃないですか?」
大胆なことを言ったなと思いつつも、俺は内心ほくそ笑んでいた。
あからさまに良いリアクションを先輩がしてくれたのだ。幅の広い肩を僅かに震わせた彼の頬には、更に赤みが差し始めている。やっぱり、先輩も。
「だって、その……まだ練習、してくれていないし……約束、してくれたじゃないですか……今日からしよ」
「誤解がないように先に言っておくね」
「は、はい」
今度は俺が肩をびくりと跳ねさせる側になってしまっていた。まさか遮られるとは思わなかったもんだから。
温かい手のひらが頬に添えられた。優しい手つきで撫でてくれながら、先輩が瞳を彷徨わせる。
深く息を吸って、吐いて。ゆるりと見つめてきた瞳は、真っ直ぐだった。頼もしく骨ばっているのにキレイな手が、俺の手に重ねられる。繋いでもらえただけなのに、指先がジンと熱くなった。
「……オレも、シたいよ……出来ることならシュンちゃんのこと、一日中可愛がってあげたい……」
その言葉だけで俺は舞い上がってしまっていた。可愛がってもらっていた時のように、淡い感覚を覚えてしまっていた。
「っ……はぃ……」
「ただ、さ……デートもしたいから……夜まで待って欲し」
「で、デートしてくれるんですか!? って、えっ、きょ、今日も泊まっていてくれるんですか!?」
いきなり情報量が多すぎる。怒涛の勢いで襲ってきた嬉しさに、頭がくらくらしてしまいそうだ。
つい大きな声を上げてしまっていた俺をきょとんと見つめていた瞳が、嬉しそうに微笑んだ。
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