373 / 645
細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
今度は、恋人として
しおりを挟む
「うん。また、オレのバイクでシュンちゃんとお出掛けしたいなって」
デートの予定を話し始めた先輩は、最初は普段と変わらないにこやかな様子だった。でも、だんだんとその微笑みが曇っていく。
自信がなさそうな、不安そうな。そんな気持ちが表れたのはしょんぼりとした表情だげでなく、声までもがおずおずと小さくなっていってしまっていた。
「……ほら、初めて二人っきりで出掛けたショッピングモールに……今度は、恋人として、さ……どう?」
「ぜひっ」
星が瞬いたみたいだった。
「ぜひ、行きたいです! 嬉しいです!先輩となら、何処だって……よろしくお願いします!」
手を握って、俺にとっての精一杯の歓迎を伝えた瞬間、見開いたオレンジの瞳がキラキラって。
「フフ、良かった……また、一緒にクレープ食べようね」
「はい!」
先輩に笑顔が戻って、デートの約束もして、いいことづくめ。なのに、まだまだ先輩は俺を喜ばせてくれる。俺に幸せをくれようとする。
「それから、お泊りのこと……なんだけど」
「は、はい……っ」
「オレもさ、出来るだけ長く一緒に居たいからさ……シュンちゃんの迷惑にならないんだったら」
「全っ然! 先輩だったら、毎日でも大歓迎、でっ」
前のめりになっていたのは俺だけじゃなかった。
「ホントに? 本気にしちゃうよ?」
長く引き締まった腕が腰に回される。抱き寄せられて、ますます密着してしまっているのに、額までくっつけてもらえてしまった。
間近に迫っている瞳には、確かな熱が宿っていた。
ただ見つめられるだけで、鼓動が煩くなる。身体中の熱が顔に集中しているみたいに熱くなっていく。伝えたい気持ちが、言葉が、喉につっかかりそうになってしまう。それでも。
「ほ、ホントです……俺、出来ることなら、ずっと先輩と一緒に居たい……」
真っ直ぐな眼差しが、ふわりと微笑んだ。
「じゃあ、お部屋探さないとだね。ルームシェア出来るように」
ルームシェア……先輩と……先輩と!?
えっ、付き合えたばかりなのに、もう同棲? 一緒に暮らしてもらえちゃうの? 毎日先輩におはようって、お休みって言ってもらえちゃうの?
「ああ、でも、部屋借りるのはオレが卒業するまでは難しいか……それまでは、さっきの言葉に甘えて、シュンちゃんの部屋にオレが通うって形にしようか? どう?」
「へ? あ、はいっ! それで、お願いします!」
「ん、決定だね。これからもよろしくね、シュンちゃん」
なんか、つい勢いでオッケーしちゃったけど……とんでもないことが決まっちゃったんじゃ?
ぐるぐると目が回りそうになっている俺をよそに、先輩は満足そう。さらにことを進めようとする。
「じゃあ、話しもついたところで……シャワー浴びようか、一緒に」
「へ……っ」
「ん? 惜しいことしちゃったって後悔してくれてたんじゃないの?」
「そ、それは……まぁ……ただ、ちょっと今は心の準備が、ぁっ!?」
問答無用とばかりに抱き上げられていた。慌てて分厚い胸元へとしがみついた俺の背を、しっかり支えてくれながら、勝手知ったる我が家のように浴室へと向かっていく。
「はいはーい、一名様ご案なーい」
「ちょ、ソレイユ先ぱっ」
「大丈夫、やさしーく洗ってあげるから、ね?」
耳元で囁かれると、背中の辺りがそわそわしてしまう。
「シュンちゃんは、オレと一緒がイイんでしょ?」
その上、背中を優しく撫でてもらいながら、額を重ねて至近距離で見つめられてしまえば。強請るような眼差しを向けられてしまえば、もう。
「うぅ……お手柔らかに、お願いします……」
「ん、まっかせて!」
弾んだ声を上げてから、先輩は辿り着いた洗面所の扉を開けた。でも、まだ俺を下ろしてはくれない。
不思議に思い見上げれば、艷やかに微笑む瞳とかち合った。別にやましいことはない。でも、俺は反射的に目を逸らしてしまっていた。
耳元に馴染みのある熱が近づいてくる。
「……気持ちよくしてあげるね」
「ッっ……先輩っ!!」
「ゴメンってー」
からかわれているのは分かっている。だって、先輩は真面目だ。デートの約束をしたんだから、夜になるまで手を出してくれることはないだろう。
でも、俺の身体は素直に期待してしまっていた。低いトーンの囁きだけで、感じて。
だから、ちょっとくらい良いハズだ。拗ねたフリをして、逞しい雄っぱいに頬を寄せるくらい。それくらいは、許してもらえるだろう。
デートの予定を話し始めた先輩は、最初は普段と変わらないにこやかな様子だった。でも、だんだんとその微笑みが曇っていく。
自信がなさそうな、不安そうな。そんな気持ちが表れたのはしょんぼりとした表情だげでなく、声までもがおずおずと小さくなっていってしまっていた。
「……ほら、初めて二人っきりで出掛けたショッピングモールに……今度は、恋人として、さ……どう?」
「ぜひっ」
星が瞬いたみたいだった。
「ぜひ、行きたいです! 嬉しいです!先輩となら、何処だって……よろしくお願いします!」
手を握って、俺にとっての精一杯の歓迎を伝えた瞬間、見開いたオレンジの瞳がキラキラって。
「フフ、良かった……また、一緒にクレープ食べようね」
「はい!」
先輩に笑顔が戻って、デートの約束もして、いいことづくめ。なのに、まだまだ先輩は俺を喜ばせてくれる。俺に幸せをくれようとする。
「それから、お泊りのこと……なんだけど」
「は、はい……っ」
「オレもさ、出来るだけ長く一緒に居たいからさ……シュンちゃんの迷惑にならないんだったら」
「全っ然! 先輩だったら、毎日でも大歓迎、でっ」
前のめりになっていたのは俺だけじゃなかった。
「ホントに? 本気にしちゃうよ?」
長く引き締まった腕が腰に回される。抱き寄せられて、ますます密着してしまっているのに、額までくっつけてもらえてしまった。
間近に迫っている瞳には、確かな熱が宿っていた。
ただ見つめられるだけで、鼓動が煩くなる。身体中の熱が顔に集中しているみたいに熱くなっていく。伝えたい気持ちが、言葉が、喉につっかかりそうになってしまう。それでも。
「ほ、ホントです……俺、出来ることなら、ずっと先輩と一緒に居たい……」
真っ直ぐな眼差しが、ふわりと微笑んだ。
「じゃあ、お部屋探さないとだね。ルームシェア出来るように」
ルームシェア……先輩と……先輩と!?
えっ、付き合えたばかりなのに、もう同棲? 一緒に暮らしてもらえちゃうの? 毎日先輩におはようって、お休みって言ってもらえちゃうの?
「ああ、でも、部屋借りるのはオレが卒業するまでは難しいか……それまでは、さっきの言葉に甘えて、シュンちゃんの部屋にオレが通うって形にしようか? どう?」
「へ? あ、はいっ! それで、お願いします!」
「ん、決定だね。これからもよろしくね、シュンちゃん」
なんか、つい勢いでオッケーしちゃったけど……とんでもないことが決まっちゃったんじゃ?
ぐるぐると目が回りそうになっている俺をよそに、先輩は満足そう。さらにことを進めようとする。
「じゃあ、話しもついたところで……シャワー浴びようか、一緒に」
「へ……っ」
「ん? 惜しいことしちゃったって後悔してくれてたんじゃないの?」
「そ、それは……まぁ……ただ、ちょっと今は心の準備が、ぁっ!?」
問答無用とばかりに抱き上げられていた。慌てて分厚い胸元へとしがみついた俺の背を、しっかり支えてくれながら、勝手知ったる我が家のように浴室へと向かっていく。
「はいはーい、一名様ご案なーい」
「ちょ、ソレイユ先ぱっ」
「大丈夫、やさしーく洗ってあげるから、ね?」
耳元で囁かれると、背中の辺りがそわそわしてしまう。
「シュンちゃんは、オレと一緒がイイんでしょ?」
その上、背中を優しく撫でてもらいながら、額を重ねて至近距離で見つめられてしまえば。強請るような眼差しを向けられてしまえば、もう。
「うぅ……お手柔らかに、お願いします……」
「ん、まっかせて!」
弾んだ声を上げてから、先輩は辿り着いた洗面所の扉を開けた。でも、まだ俺を下ろしてはくれない。
不思議に思い見上げれば、艷やかに微笑む瞳とかち合った。別にやましいことはない。でも、俺は反射的に目を逸らしてしまっていた。
耳元に馴染みのある熱が近づいてくる。
「……気持ちよくしてあげるね」
「ッっ……先輩っ!!」
「ゴメンってー」
からかわれているのは分かっている。だって、先輩は真面目だ。デートの約束をしたんだから、夜になるまで手を出してくれることはないだろう。
でも、俺の身体は素直に期待してしまっていた。低いトーンの囁きだけで、感じて。
だから、ちょっとくらい良いハズだ。拗ねたフリをして、逞しい雄っぱいに頬を寄せるくらい。それくらいは、許してもらえるだろう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
雪解けに愛を囁く
ノルねこ
BL
平民のアルベルトに試験で負け続けて伯爵家を廃嫡になったルイス。
しかしその試験結果は歪められたものだった。
実はアルベルトは自分の配偶者と配下を探すため、身分を偽って学園に通っていたこの国の第三王子。自分のせいでルイスが廃嫡になってしまったと後悔するアルベルトは、同級生だったニコラスと共にルイスを探しはじめる。
好きな態度を隠さない王子様×元伯爵令息(現在は酒場の店員)
前・中・後プラスイチャイチャ回の、全4話で終了です。
別作品(俺様BL声優)の登場人物と名前は同じですが別人です! 紛らわしくてすみません。
小説家になろうでも公開中。
先輩たちの心の声に翻弄されています!
七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。
ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。
最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。
乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。
見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。
****
三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。
ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる