気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

今度は、恋人として

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「うん。また、オレのバイクでシュンちゃんとお出掛けしたいなって」

 デートの予定を話し始めた先輩は、最初は普段と変わらないにこやかな様子だった。でも、だんだんとその微笑みが曇っていく。

 自信がなさそうな、不安そうな。そんな気持ちが表れたのはしょんぼりとした表情だげでなく、声までもがおずおずと小さくなっていってしまっていた。

「……ほら、初めて二人っきりで出掛けたショッピングモールに……今度は、恋人として、さ……どう?」

「ぜひっ」

 星が瞬いたみたいだった。

「ぜひ、行きたいです! 嬉しいです!先輩となら、何処だって……よろしくお願いします!」

 手を握って、俺にとっての精一杯の歓迎を伝えた瞬間、見開いたオレンジの瞳がキラキラって。

「フフ、良かった……また、一緒にクレープ食べようね」

「はい!」

 先輩に笑顔が戻って、デートの約束もして、いいことづくめ。なのに、まだまだ先輩は俺を喜ばせてくれる。俺に幸せをくれようとする。

「それから、お泊りのこと……なんだけど」

「は、はい……っ」

「オレもさ、出来るだけ長く一緒に居たいからさ……シュンちゃんの迷惑にならないんだったら」

「全っ然! 先輩だったら、毎日でも大歓迎、でっ」

 前のめりになっていたのは俺だけじゃなかった。

「ホントに? 本気にしちゃうよ?」

 長く引き締まった腕が腰に回される。抱き寄せられて、ますます密着してしまっているのに、額までくっつけてもらえてしまった。

 間近に迫っている瞳には、確かな熱が宿っていた。

 ただ見つめられるだけで、鼓動が煩くなる。身体中の熱が顔に集中しているみたいに熱くなっていく。伝えたい気持ちが、言葉が、喉につっかかりそうになってしまう。それでも。

「ほ、ホントです……俺、出来ることなら、ずっと先輩と一緒に居たい……」

 真っ直ぐな眼差しが、ふわりと微笑んだ。

「じゃあ、お部屋探さないとだね。ルームシェア出来るように」

  ルームシェア……先輩と……先輩と!?

 えっ、付き合えたばかりなのに、もう同棲? 一緒に暮らしてもらえちゃうの? 毎日先輩におはようって、お休みって言ってもらえちゃうの?

「ああ、でも、部屋借りるのはオレが卒業するまでは難しいか……それまでは、さっきの言葉に甘えて、シュンちゃんの部屋にオレが通うって形にしようか? どう?」

「へ? あ、はいっ! それで、お願いします!」

「ん、決定だね。これからもよろしくね、シュンちゃん」

 なんか、つい勢いでオッケーしちゃったけど……とんでもないことが決まっちゃったんじゃ?

 ぐるぐると目が回りそうになっている俺をよそに、先輩は満足そう。さらにことを進めようとする。

「じゃあ、話しもついたところで……シャワー浴びようか、一緒に」

「へ……っ」

「ん? 惜しいことしちゃったって後悔してくれてたんじゃないの?」

「そ、それは……まぁ……ただ、ちょっと今は心の準備が、ぁっ!?」

 問答無用とばかりに抱き上げられていた。慌てて分厚い胸元へとしがみついた俺の背を、しっかり支えてくれながら、勝手知ったる我が家のように浴室へと向かっていく。

「はいはーい、一名様ご案なーい」

「ちょ、ソレイユ先ぱっ」

「大丈夫、やさしーく洗ってあげるから、ね?」

 耳元で囁かれると、背中の辺りがそわそわしてしまう。

「シュンちゃんは、オレと一緒がイイんでしょ?」

 その上、背中を優しく撫でてもらいながら、額を重ねて至近距離で見つめられてしまえば。強請るような眼差しを向けられてしまえば、もう。

「うぅ……お手柔らかに、お願いします……」

「ん、まっかせて!」

 弾んだ声を上げてから、先輩は辿り着いた洗面所の扉を開けた。でも、まだ俺を下ろしてはくれない。

 不思議に思い見上げれば、艷やかに微笑む瞳とかち合った。別にやましいことはない。でも、俺は反射的に目を逸らしてしまっていた。

 耳元に馴染みのある熱が近づいてくる。

「……気持ちよくしてあげるね」

「ッっ……先輩っ!!」

「ゴメンってー」

 からかわれているのは分かっている。だって、先輩は真面目だ。デートの約束をしたんだから、夜になるまで手を出してくれることはないだろう。

 でも、俺の身体は素直に期待してしまっていた。低いトーンの囁きだけで、感じて。

 だから、ちょっとくらい良いハズだ。拗ねたフリをして、逞しい雄っぱいに頬を寄せるくらい。それくらいは、許してもらえるだろう。
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