気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

文字の大きさ
407 / 645
細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ イイよ、イッちゃって……ていうか、イかせる

しおりを挟む
 急な恥ずかしさが彼の可愛さによって一気に和らいだからだろうか。笑ってはいけないのに込み上げてきてしまう。

「んふ、ふふ……」

「シュンちゃん?」

 ああ、案の定、俺を見つめる先輩の眼差しが不思議そうになってしまった。それどころじゃあ、このままじゃ彼の機嫌を損ねてしまうのに。

「ん、ごめ……ふふ、気持ちいいよ……」

 笑ってはいけないと思えば思うほど込み上げてきてしまう。

 フォロー、もとい素直に感じていたことを伝えたのだけれども、いまだに笑いが収まっていないのだから説得力はなく。彼の眉間にシワを刻ませてしまった。

「何それ……なーんか素直に喜べないんだけどぉ……」

「ごめんって……ふふ、先輩が可愛くて……ひぁ……」

 拗ねたように尖らせていた唇が、再び俺に食らいついてきた。強く吸われて首横に鋭い刺激を微かに感じたが、それすらもすぐに心地よさへと変換されていく。

 おまけに手の動きも。あの淡い感覚を引き出すように両の乳首を優しく摘んできたのだ。一方はそのまま指の腹で撫で擦られて、もう一方は爪の先で乳頭を擽るように弄られて、たちまち俺は余裕をなくしていった。

 お腹が痛くなってしまうほどツボにハマっていた笑いが、あっという間に収まってしまっていた。開きっぱなしの口から出てくるのは、もう情けなく上擦った声だけ。

「あっ、んぁ……先ぱ……あっ、あっ……」

 呼びかけても先輩は何も答えてはくれない。繰り返し首に吸い付きながら乳首を触り、俺を追い詰めようとしている。

 怒らせてしまったんだろう。そりゃあ、そうだ。甘やかしてもらえている最中に、急に笑い始めてしまったんだから。それでも、優しく追い詰めてくれているだけ、続けてくれているだけ恵まれている。やっぱり先輩は優しい。

「ふぁ、ごめんなさ……んん、気持ち、あっ、いい……先輩、先輩……」

 俺が直接的な言葉でちゃんと限界を訴えられなくとも、先輩にはお見通しのようだ。

「イイよ、イッちゃって……ていうか、イかせる」

 宣言した声のトーンは低く、かち合えた眼差しは鋭かった。

「あ……っ」

 掴まれたように胸の奥がきゅっと締め付けられた。告げられただけなのに、見つめられただけなのに。

 本気を出される前からその調子なのだ。首元を吸われながら、さっきよりも強めに乳首を攻め立てられてしまえば、もう。

「んぅっ……ひ、ぁ……あ、あぁっ……っ」

 腰から頭の天辺へ。一直線に俺を貫くように駆け抜けていった激しい感覚に、思わず俺はしがみついてしまっていた。頼もしい先輩の背中に腕を回して、引き締まった腰に足を回して、全身で。さらには上質な布地の服に爪を立ててしまっていた。

 疼きっぱなしだった下腹部の熱が解放された。その事実をジンと熱を持っている余韻が、下着の内側をさらに濡らしてしまった感覚が、俺に伝えてくる。

 気恥ずかしくて仕方がないけれども、事実なんだと分からせてくる。乳首だけで、俺、イって。

「可愛いね……ちゃんとイけてイイ子だね……」

 心にじんわりと染み渡るような優しい声だった。カッコいいのだけれども、ほんの少し怖さも感じてしまうさっきの宣言とのギャップがスゴい。夢中になってしまう。どうでもよくなって。

 今更、か……恥ずかしいところなんて、いっぱい見てもらってるんだし。

 囁いた唇が柔らかく微笑んでいる。滲んでしまっていた目元に口づけてくれてから、まだ息が整っていない口に重ねてくれる。口内にぬるりと入ってきて、擦り寄ってきてくれた舌が熱い。

「ん……んぅ、ふ……ん……」

 まだ、深いキスを交わしていたかった。けれども先輩は離れていってしまう。舌先を軽く吸ってくれてから口を離した。

 俺達を繋ぐように引いた透明の糸が名残惜しくて、追いかけようと顔を上げたところで指先に止められてしまう。彼の人差し指が、どちらかのもので濡れてしまっていた唇をなぞるように撫でていく。

「大丈夫……ここからは、たっぷり甘やかしてあげるからね……」

 望み通りに口づけてもらえて、堪らず俺は舌を伸ばした。くすりとこぼれた小さな笑みが、熱い吐息が唇に触れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。 主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。 他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆ 〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定) アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。 それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【超重要】 ☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ) また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん) ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな! (まぁ「長編」設定してますもん。) ・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。 ・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。 ・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。 生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!? 聞いてた話と何か違うんですけど! ※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。 他のサイトにも投稿しています。

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

処理中です...