気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件～恋人ルート～

細マッチョな先輩と恋人同士になった件（ソレイユルート）

★ 自分は離さなかったクセに、俺がお願いしても離してくれなかったクセに

　ああ、そうだ。先輩が遠慮しちゃうんだったら、俺の方からすればいいじゃないか。

　当たり前のことに思い至っただけなのだが、この時の俺は素晴らしい発見をしたような気になっていた。湧き上がってきたその高揚感に背中を押されるがまま、大胆な行動に出ていた。

「はっ、あ……」

　先輩が俺の喉奥をめがけて突かなくてもいいように、俺の方から動いていた。優しく先端を咥えたまま、顔を前後に動かしていた。

「ん、んむ……ふ、ん……」

　さっきよりも奥の方へと先輩のものが入ってくる。硬い先端が喉の奥に届きそうになる。お陰で多少は息苦しさを感じたものの、先輩の為なら。先輩が気持ちよさそうにしてくれているなら、頑張れた。

「く、ふぅ……しゅ、シュン……う、ぁ……あ……っ」

　戸惑うような声は最初だけで、すぐに艶めいていった。目線だけで先輩の顔色をを窺うと、心配そうに見つめながらも心地よく感じてくれているんだろうか。とろんと瞳を細めている。

「ん、ぅ……」

　熱っぽい眼差しを一身に受け俺はまた下腹部が熱く疼いてしまうのを感じた。ぞくぞくと背筋を、尾てい骨の辺りを走っていく淡い感覚を誤魔化すように、先輩への奉仕に集中する。

　はしたない音がなってしまうのも構わずに、熱くて太い先輩のものを喉奥まで招いては、歯に当ててしまわぬように慎重に戻す。

　そうした単純な出し入れを繰り返しながら、舌を止めることなく動かした。そろそろ先輩の雄の感触を、形を、熱を、覚えてしまいそうだ。先の部分だけだけど。

　そういえば手の方を疎かにしていたと、竿の根本に添えていた指で輪っかを作って、咥えきれていない部分を撫で擦っていたところ、時々震えてくれていた竿が今までにないくらいに大きく震えた。

「は、は、ぁ……ん、ぁ……シュン……そろそろ……」

　切羽詰まった声で訴えながら、先輩は腰を引こうとする。俺の口の中なら出ていこうとしてしまう。

　……自分は離さなかったクセに。俺がお願いしても離してくれなかったクセに。

　ふと思い出された初めて先輩にしてもらった時のこと。最後の一滴までしっかりと舐め取られせてしまった事実が、俺を我儘にした。

　……絶対に離してやるもんか。俺だってお返しするんだ。

「んっ、く……ちょ、シュン……そんな、強く吸っちゃ……」

　どうやら俺は先輩のものに吸いついてしまっていたらしい。喉の奥に招いたまま、これでもかと口をすぼめて。

「あっ、あっ……ダメ、だよ……シュンはっ、そんなこと……」
　
　少し高くなった声が、俺を気遣ってくれている声が、ますます俺に火をつけた。

　……絶対にイかせる。俺の口の中に出してもらう。

　決意を新たに俺は、今自分が出来ることを精一杯した。ただ先輩に気持ちよくなってもらう為に。

　鼻で息をしながら何度も吸って、舌全体を使って舐め上げて、繰り返し手を上下に動かして。先輩に比べれば技術も何もない、拙いもの。けれども、昂っていた彼を限界にまで追い詰めることは出来たようだ。

「う、ぁっ……も、ごめ……ごめんね、シュン……イく、出すよ……く、ぁ、あっ……シュン……っ」

　梳くように髪を撫でていた指に力がこもる。衝動的なものだろう。先輩は俺の後頭部を押さえつけるようにしながら、くびれた腰を大きく震わせた。言葉とは裏腹に、自身の先端を俺の喉奥へと叩きつけるように。

　入っちゃいけないようなところにまで、押し当てられちゃったような。瞬間、熱い迸りが俺の喉を焼いた。熱湯を直接飲まされたような感覚と一緒に、一際濃くなった先輩の香りが鼻だけでなく頭の奥まで届いた気がした。目の前でチカチカと星が舞う。

「んむっ……ん、んっ……ッッ」

　口の中で暴れるように先輩のものが震える度に、粘ついた熱を飲み下させられる。息苦しくて仕方がないハズなのに、俺の心は酷く満たされていた。先輩と一緒に気持ちよくなれた時のように、ふわふわとした幸せに浸っていた。