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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
俺の欲しい言葉ばかりを
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宣言した途端にだった。ソレイユの表情が分かりやすく明るくなっていく。
さっきまではリラックスしている猫のようにトロンと下がっていて、タレ目というよりは糸目になりかけていた瞳もパッチリ。ランランとした期待に満ちている。
まぁ、俺も人のことは言えないのだけれども。あからさまな喜びが滲んでいる彼の笑顔を見れただけで、気怠かった身体に力がみなぎってきたんだからさ。
「何か、入れて欲しい具とかあります? 俺は大体、卵と玉ねぎとウィンナーを入れてるんですけど」
「そのいつものやつで! シュンがいつも作ってるチャーハンが、食べたい!」
食い気味に答えてくれながら、ソレイユが俺の手を握ってくる。
何でだろうか。別に照れてしまうようなことは何も言われてはいないのに、胸の辺りが擽ったくなってしまう。顔の中心へとどんどん熱が集まっていってしまう。
「分かり、ました……その、あまり期待はしないで下さいね……特別なこだわりとか、隠し味とかもない普通のチャーハンなんで……」
つい俺は自分からハードルを下げにかかろうとしてしまっていた。けれども、ソレイユは眩しい笑顔を向けてくれたまま。
「大丈夫だよ、いつも通りで。シュンがオレの為に作ってくれる時点でもう特別なんだからさ」
俺の欲しい言葉ばかりを言ってくれる。優しく頭を撫でてくれる。
「が、頑張ります……」
「うんっ、楽しみにしてるね」
ますます気合が充電された俺は、つい調子に乗ってしまった。近くで見ていてもいい? と尋ねてきたソレイユからのお願いを二つ返事でオッケーしてしまったのだ。
そして、今まさに後悔してしまっている。
「お、やっぱり慣れてるねー」
「ありがとう、ございます……」
「ちょっと、目ぇしみちゃってる? ハンカチで拭ってあげようか?」
「ありがとう、ございます……」
決まった言葉しか返せなくなってしまっている俺に対して、ソレイユは気にすることなく嬉しそう。オッケー、と元気良く返事を返してからタオルケットタイプのふわふわしたハンカチで目元に優しく触れてくれる。しっかりとタイミングを見計らってくれているので、俺の手元が狂ってしまうこともない。
ただ、別の意味ではとっくに緊張しまくっているというか。
俺の目元を拭ってくれてから、ソレイユは再び俺にぴたりと身を寄せてきた。
背中から温もりが伝わってくる。包丁を握っている手に、まな板の上のタマネギと格闘している手元に、興味津々な視線が注がれている。彼から香ってくるシャボンのいい香りが、刻みかけのタマネギのツンとした匂いをあっさりと上書きしていく。
うん、やっぱり近い。近すぎる。決して邪魔ではないのだけれども。
その距離の近さは、まるで新婚さんのような。ソレイユがその気になればすぐにでも、その長く筋肉質な腕で俺を後ろから包みこんでくれてしまえるだろう。
想像してしまっただけで、また肩に力が入ってしまったのが分かった。いやいや、今は集中っ、集中しなければ……!!
全身に響いてしまっている鼓動に気づいていないフリをして、ただ無心にタマネギを刻んでいく。いこうとしていたのだが、またしても後ろから嬉しい声援が。
「早いねー粗みじん切り? オレも好きなんだよね、タマネギのシャキシャキ感がいい感じで残っててさ。シュン、やっぱり料理上手じゃない? いや、上手だよ」
さっきまではリラックスしている猫のようにトロンと下がっていて、タレ目というよりは糸目になりかけていた瞳もパッチリ。ランランとした期待に満ちている。
まぁ、俺も人のことは言えないのだけれども。あからさまな喜びが滲んでいる彼の笑顔を見れただけで、気怠かった身体に力がみなぎってきたんだからさ。
「何か、入れて欲しい具とかあります? 俺は大体、卵と玉ねぎとウィンナーを入れてるんですけど」
「そのいつものやつで! シュンがいつも作ってるチャーハンが、食べたい!」
食い気味に答えてくれながら、ソレイユが俺の手を握ってくる。
何でだろうか。別に照れてしまうようなことは何も言われてはいないのに、胸の辺りが擽ったくなってしまう。顔の中心へとどんどん熱が集まっていってしまう。
「分かり、ました……その、あまり期待はしないで下さいね……特別なこだわりとか、隠し味とかもない普通のチャーハンなんで……」
つい俺は自分からハードルを下げにかかろうとしてしまっていた。けれども、ソレイユは眩しい笑顔を向けてくれたまま。
「大丈夫だよ、いつも通りで。シュンがオレの為に作ってくれる時点でもう特別なんだからさ」
俺の欲しい言葉ばかりを言ってくれる。優しく頭を撫でてくれる。
「が、頑張ります……」
「うんっ、楽しみにしてるね」
ますます気合が充電された俺は、つい調子に乗ってしまった。近くで見ていてもいい? と尋ねてきたソレイユからのお願いを二つ返事でオッケーしてしまったのだ。
そして、今まさに後悔してしまっている。
「お、やっぱり慣れてるねー」
「ありがとう、ございます……」
「ちょっと、目ぇしみちゃってる? ハンカチで拭ってあげようか?」
「ありがとう、ございます……」
決まった言葉しか返せなくなってしまっている俺に対して、ソレイユは気にすることなく嬉しそう。オッケー、と元気良く返事を返してからタオルケットタイプのふわふわしたハンカチで目元に優しく触れてくれる。しっかりとタイミングを見計らってくれているので、俺の手元が狂ってしまうこともない。
ただ、別の意味ではとっくに緊張しまくっているというか。
俺の目元を拭ってくれてから、ソレイユは再び俺にぴたりと身を寄せてきた。
背中から温もりが伝わってくる。包丁を握っている手に、まな板の上のタマネギと格闘している手元に、興味津々な視線が注がれている。彼から香ってくるシャボンのいい香りが、刻みかけのタマネギのツンとした匂いをあっさりと上書きしていく。
うん、やっぱり近い。近すぎる。決して邪魔ではないのだけれども。
その距離の近さは、まるで新婚さんのような。ソレイユがその気になればすぐにでも、その長く筋肉質な腕で俺を後ろから包みこんでくれてしまえるだろう。
想像してしまっただけで、また肩に力が入ってしまったのが分かった。いやいや、今は集中っ、集中しなければ……!!
全身に響いてしまっている鼓動に気づいていないフリをして、ただ無心にタマネギを刻んでいく。いこうとしていたのだが、またしても後ろから嬉しい声援が。
「早いねー粗みじん切り? オレも好きなんだよね、タマネギのシャキシャキ感がいい感じで残っててさ。シュン、やっぱり料理上手じゃない? いや、上手だよ」
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