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【新婚旅行編】最終日:アオイに許してもらえる為には
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私を呼んだ声は、不機嫌というよりは拗ねているような。私に甘い彼なりに、抗議しようとしているのだろう。小さな手のひらで胸板をぺしぺしと叩いている。
残念に思いながら口を離せば、いかにも悔しそうな目で睨まれてしまった。とはいえ、可愛いしかない。耳まで真っ赤に染めていらっしゃるし、目尻には薄っすらと涙を浮かべてしまわれているが故に。
「……可愛い」
「ふぇ……」
つい、うっかり口を滑らせてしまえば、アオイの顔が更に赤くなる。その際に見せてくれた嬉しそうな笑顔はほんの一瞬で、すぐさま怒ってるんだからね、とばかりに緩んでいた表情をぎゅっと顰めてしまわれた。
全く……そういうところ、なのですが。
「っぐ、ぅ……そう言えば、俺が許すと思って」
「ああ、そうでしたね。アオイに許してもらえる為には、こうしなければ」
あの時の可愛らしい条件というなのお願いをもう一度。きょとんとしている彼に顔を寄せ、薄く開いたままの唇を優しく奪う。
「ん、ぇ……」
「許して、頂けますか?」
まだ驚いた表情のまま、アオイはその小さな指先で自身の唇を隠すように触れていた。少ししてから俯き、けれどもすぐさま勢いよく顔を上げ、かと思えばぎゅっと目を瞑りながら声にならない声で唸る。
分かりやすい葛藤の後、アオイは、ふっと小さく息を漏らしながら表情を緩めた。私をそっと見つめてくる眼差しは蜂蜜のようにとろりと甘い。
「いい、よ……そもそも、許すも何も……嬉しかったし……全部……俺が、何か悔しかっただけでさ……」
「アオイ……」
愛しい妻に触れようとしていたところで、またしても待ったがかけられてしまった。距離を詰めようとしていた私の口を彼の手が覆ってきたのだ。流石に今回は、このまま押すのは難しいかもしれない。
「そ、それでさ……そのレターセット、出して欲しいんだけど……」
「……畏まりました」
やはり駄目そうだ。あの目で見つめたところで許してもらえそうにない。
観念して前のめりだった姿勢を正せば、また後でね、と消え入りそうな小さな声でお約束をしてもらえた。細い指先が、私の服の裾を小さく摘んでから軽く引く。いつかのお強請りをされた時のように。
胸の辺りが、ぐっと熱く重くなる。気を抜けば格好悪く緩んでしまいそうな口元を引き締めて、アオイをそっと抱き抱えた。
ベッドから近くのテーブルへと。ふんわりとした座り心地の椅子へとアオイを座らせ、私もすぐ隣にイスを寄せ、腰掛けた。早速、異空間にしまっていたお土産の中から、レターセットの入っている袋を取り出す。
袋の真ん中にスタンプ宜しく印刷されているのは、テーマパークのシンボルマーク。お城と、空で寄り添う太陽と大きな一番星とが、絵本を思わせるような可愛らしいタッチで描かれている。
封をしているテープにまで、ヨミーン様とサターン様のお顔のシルエットが描かれているのだから、素晴らしい。此方の包装を見ただけでも、テーマパークで過ごした楽しい時間が、色鮮やかに蘇ってくる。
出来るだけ綺麗に封を開けてから、そちらの中から目当てのレターセットを。それから、一緒に異空間から取り出しておいた、アオイの手でも使いやすいペンをご一緒に。
「どうぞ」
手渡せば、すっかり聞きそびれていた目的を教えてくれた。
残念に思いながら口を離せば、いかにも悔しそうな目で睨まれてしまった。とはいえ、可愛いしかない。耳まで真っ赤に染めていらっしゃるし、目尻には薄っすらと涙を浮かべてしまわれているが故に。
「……可愛い」
「ふぇ……」
つい、うっかり口を滑らせてしまえば、アオイの顔が更に赤くなる。その際に見せてくれた嬉しそうな笑顔はほんの一瞬で、すぐさま怒ってるんだからね、とばかりに緩んでいた表情をぎゅっと顰めてしまわれた。
全く……そういうところ、なのですが。
「っぐ、ぅ……そう言えば、俺が許すと思って」
「ああ、そうでしたね。アオイに許してもらえる為には、こうしなければ」
あの時の可愛らしい条件というなのお願いをもう一度。きょとんとしている彼に顔を寄せ、薄く開いたままの唇を優しく奪う。
「ん、ぇ……」
「許して、頂けますか?」
まだ驚いた表情のまま、アオイはその小さな指先で自身の唇を隠すように触れていた。少ししてから俯き、けれどもすぐさま勢いよく顔を上げ、かと思えばぎゅっと目を瞑りながら声にならない声で唸る。
分かりやすい葛藤の後、アオイは、ふっと小さく息を漏らしながら表情を緩めた。私をそっと見つめてくる眼差しは蜂蜜のようにとろりと甘い。
「いい、よ……そもそも、許すも何も……嬉しかったし……全部……俺が、何か悔しかっただけでさ……」
「アオイ……」
愛しい妻に触れようとしていたところで、またしても待ったがかけられてしまった。距離を詰めようとしていた私の口を彼の手が覆ってきたのだ。流石に今回は、このまま押すのは難しいかもしれない。
「そ、それでさ……そのレターセット、出して欲しいんだけど……」
「……畏まりました」
やはり駄目そうだ。あの目で見つめたところで許してもらえそうにない。
観念して前のめりだった姿勢を正せば、また後でね、と消え入りそうな小さな声でお約束をしてもらえた。細い指先が、私の服の裾を小さく摘んでから軽く引く。いつかのお強請りをされた時のように。
胸の辺りが、ぐっと熱く重くなる。気を抜けば格好悪く緩んでしまいそうな口元を引き締めて、アオイをそっと抱き抱えた。
ベッドから近くのテーブルへと。ふんわりとした座り心地の椅子へとアオイを座らせ、私もすぐ隣にイスを寄せ、腰掛けた。早速、異空間にしまっていたお土産の中から、レターセットの入っている袋を取り出す。
袋の真ん中にスタンプ宜しく印刷されているのは、テーマパークのシンボルマーク。お城と、空で寄り添う太陽と大きな一番星とが、絵本を思わせるような可愛らしいタッチで描かれている。
封をしているテープにまで、ヨミーン様とサターン様のお顔のシルエットが描かれているのだから、素晴らしい。此方の包装を見ただけでも、テーマパークで過ごした楽しい時間が、色鮮やかに蘇ってくる。
出来るだけ綺麗に封を開けてから、そちらの中から目当てのレターセットを。それから、一緒に異空間から取り出しておいた、アオイの手でも使いやすいペンをご一緒に。
「どうぞ」
手渡せば、すっかり聞きそびれていた目的を教えてくれた。
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