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★ バアルさんは知る由もないだろう
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「へ?」
うっかり間抜けな声が漏れてしまっていた。思いがけない謝罪に思考を中断されて。
力なく羽を縮めた彼のひと回り大きな手が、頬をゆるゆる撫でながら言葉を続ける。
「私のせいでございます……出来心、と申しますか……無防備に甘えてくる貴方様が大変可愛らしく……ついあのような触れ方を……」
言いにくそうにポツポツ呟く彼に対して、口をついて出てしまっていた。
「えっと……じゃあ、もしかして……ちょっかい、出したくなっちゃったっ……てこと、ですか?」
有り得ないだろ……と放っていた結論に「左様でございます……」と彼が頷く。
「なんだ、そうだったんですか……安心しました」
いやぁ……てっきり、俺が滅茶苦茶敏感になったのかと思っちゃったよ。そりゃあ、気持ちよくもなっちゃうよな。バアルさんがそういうつもりで、触ってくれていたんだったらさ。
……んー……でも、待てよ……それはそれで有りだったのか? 俺が気持ちよくなれた方が、バアルさんは喜んでくれるんだし。今までだって、そうなれるように……じっくりゆっくり教えてもらっていたんだしさ。
うんうん回している俺の思考は、再び遮られることになる。手を重ねてそっと握り、おずおずと尋ねてきた彼によって。
「怒って……いらっしゃらないのですか?」
しょんぼり瞳を細める彼の表情には、意外だと書かれているように見えた。俺にとっては、全くもってそうではないのだが。
「全然。むしろ、その……嬉かった、です……」
彼は知らないし、この先だって知る由もないだろう。バアルさんが好きで好きで仕方がない俺にとっては、構ってもらえるだけで嬉しくて堪らないんだって。
「アオイ様……」
それから、俺が存外欲張りな男だってことも。
「ただ……責任は、ちゃんと取ってくれますよね?」
一旦そういうスイッチが入ると、俺でも大胆になれるのだろうか。珍しく積極的なお誘いが出来たどころか、奪うことに成功したんだ。
「はい、存分に……」
重ねるというよりは、押し付ける形になってしまっていた口を、優しく食んでくれてから彼が囁く。うっとりと細められた瞳には、妖しい熱がこもっていた。
「貴方様がご満足頂けるまで……たっぷり致して差し上げますね」
「ひゃいっ……お、お願いします……」
結局、彼からあふれる色気に敵うわけもなく。何とも締まらない返事をしてしまった口が再び、艷やかな笑みを浮かべた唇に塞がれる。
触れ合うだけの軽いキスを合図に、細く長い指が再び動き始めた。
「ふ……ん、ぁ、んん……」
柔らかい感触が順番に触れていく。額、頬、口、最後に首元へと。耳元でわざとらしいリップ音が鳴る度に、勝手に身体が跳ねてしまう。
今まで根気よく、バアルさんに触れてもらっていた成果が出ているんだろう。熱い吐息がかかるだけでも、ぞくぞくした感覚が走ったんだ。
……気持ちいいんだと思う。多分。
いつの間に、胸元へと移動していたんだろうか。するりとシャツの中へと侵入した白い指先が、すでに立ち上がってしまっていた乳首を優しく撫で回す。
「んぅっ……うぁ、あっ、あ……」
首の辺りにばかり気を取られていたせいだ。不意の甘い刺激に思わず、筋肉質な二の腕を強く掴んでしまっていた。
「ご、ごめんなさい……」
慌てる俺に対して、バアルさんはきょとんとしている。痛くもなんともなさそうだ。
結構、力込めちゃったハズなのに……よっぽど丈夫なんだろうか。いや、ただ単に俺の力が貧弱ってだけかもしれないけどさ。
花が咲きこぼれるように綻んだ彼の唇が、俺の額や頬に優しく触れてくれる。
「ふふ、大丈夫ですよ。宜しければ、手を繋ぎましょうか?」
ただでさえ高鳴りっぱなしの心臓が、大きくドクンと跳ねてしまった。触ってもらえるだけでも嬉しいのに、ずっと彼の手を握っていられるなんて。
「繋ぎたい、です……スゴく……でも……」
手を差し出してくれたまま、不思議そうにバアルさんがこちらを見つめる。
そんな彼を前にして、俺はとんでもなく欲張りなことを考えてしまっていた。
両手で触ってもらえなくなっちゃうな……と。
「……成る程……確かに、この様な触れ方は出来なくなりますね」
よっぽど、俺は分かりやすいんだろうか。それともまた、無意識のうちに口から出てしまっていたんだろうか。
どちらにせよ、あっさり見抜かれてしまったらしい。大きな手がよしよしと俺の頬を撫でながら、もう一方の指先が焦らすように乳首の回りをなぞっていく。
「あっ、バアルさん……ふぁ……」
「手を繋ぎたくなられた時は、遠慮なく仰って下さいね。それまでは、貴方様がお好きなところを両手で触って差し上げますから」
視界の端で、どこか上機嫌に半透明の羽がはためいている。優しく微笑みかけてくれている間も、指の動きは止まらない。
頭の奥が、ジンジン痺れているみたいだった。気がつけば、シャツの中に潜り込んでいたもう一方と、左右同時に摘ままれて。捏ねるように指の腹で、クリクリと優しく揉まれて。
「は、はい……ぁ……んん、あ、あっ……」
頷くのが精一杯な俺に、艷やかな笑みを浮かべた唇が甘やかすようなキスを送ってくれる。何度か交わした後に、熱く湿った体温がぬるりと口内へと入ってきた。
「ん、ふ、ふっ……ぁ……んむ……ん、ん……」
優しく絡め取られて、擦り合わされて。気持ちがよくて、堪らない。心地のいい波が全身に広がっていくみたいだ。
すっかり彼との深い触れ合いに溺れていると、敏感な先端を再び指の腹できゅっと挟まれた。こちらも忘れないで下さいね、と言っているように。
「んぅっ…………ん……ぁ、ふ……」
それが、引き金になったのかもしれない。じくじく疼いていた下半身が突然ぶるりと震え、滲んでいく。
自分の身体だ。イヤでも、何でも、認めたくなくても分かる。情けないことに、イってしまったんだと……ちょっとだけ。
「ん、は……アオイ……」
流石というか案の定、バレてしまっているらしかった。熱のこもった声で俺の名を呼ぶバアルさんは、何だかスゴく嬉しそうだ。それからアフターケアも完璧だった。
「大丈夫ですよ……大変可愛らしかったですよ……」
俯きかけていた俺の顔を手のひらで優しく包み込みながら、ゆるゆる撫でてくれたんだ。
うっかり間抜けな声が漏れてしまっていた。思いがけない謝罪に思考を中断されて。
力なく羽を縮めた彼のひと回り大きな手が、頬をゆるゆる撫でながら言葉を続ける。
「私のせいでございます……出来心、と申しますか……無防備に甘えてくる貴方様が大変可愛らしく……ついあのような触れ方を……」
言いにくそうにポツポツ呟く彼に対して、口をついて出てしまっていた。
「えっと……じゃあ、もしかして……ちょっかい、出したくなっちゃったっ……てこと、ですか?」
有り得ないだろ……と放っていた結論に「左様でございます……」と彼が頷く。
「なんだ、そうだったんですか……安心しました」
いやぁ……てっきり、俺が滅茶苦茶敏感になったのかと思っちゃったよ。そりゃあ、気持ちよくもなっちゃうよな。バアルさんがそういうつもりで、触ってくれていたんだったらさ。
……んー……でも、待てよ……それはそれで有りだったのか? 俺が気持ちよくなれた方が、バアルさんは喜んでくれるんだし。今までだって、そうなれるように……じっくりゆっくり教えてもらっていたんだしさ。
うんうん回している俺の思考は、再び遮られることになる。手を重ねてそっと握り、おずおずと尋ねてきた彼によって。
「怒って……いらっしゃらないのですか?」
しょんぼり瞳を細める彼の表情には、意外だと書かれているように見えた。俺にとっては、全くもってそうではないのだが。
「全然。むしろ、その……嬉かった、です……」
彼は知らないし、この先だって知る由もないだろう。バアルさんが好きで好きで仕方がない俺にとっては、構ってもらえるだけで嬉しくて堪らないんだって。
「アオイ様……」
それから、俺が存外欲張りな男だってことも。
「ただ……責任は、ちゃんと取ってくれますよね?」
一旦そういうスイッチが入ると、俺でも大胆になれるのだろうか。珍しく積極的なお誘いが出来たどころか、奪うことに成功したんだ。
「はい、存分に……」
重ねるというよりは、押し付ける形になってしまっていた口を、優しく食んでくれてから彼が囁く。うっとりと細められた瞳には、妖しい熱がこもっていた。
「貴方様がご満足頂けるまで……たっぷり致して差し上げますね」
「ひゃいっ……お、お願いします……」
結局、彼からあふれる色気に敵うわけもなく。何とも締まらない返事をしてしまった口が再び、艷やかな笑みを浮かべた唇に塞がれる。
触れ合うだけの軽いキスを合図に、細く長い指が再び動き始めた。
「ふ……ん、ぁ、んん……」
柔らかい感触が順番に触れていく。額、頬、口、最後に首元へと。耳元でわざとらしいリップ音が鳴る度に、勝手に身体が跳ねてしまう。
今まで根気よく、バアルさんに触れてもらっていた成果が出ているんだろう。熱い吐息がかかるだけでも、ぞくぞくした感覚が走ったんだ。
……気持ちいいんだと思う。多分。
いつの間に、胸元へと移動していたんだろうか。するりとシャツの中へと侵入した白い指先が、すでに立ち上がってしまっていた乳首を優しく撫で回す。
「んぅっ……うぁ、あっ、あ……」
首の辺りにばかり気を取られていたせいだ。不意の甘い刺激に思わず、筋肉質な二の腕を強く掴んでしまっていた。
「ご、ごめんなさい……」
慌てる俺に対して、バアルさんはきょとんとしている。痛くもなんともなさそうだ。
結構、力込めちゃったハズなのに……よっぽど丈夫なんだろうか。いや、ただ単に俺の力が貧弱ってだけかもしれないけどさ。
花が咲きこぼれるように綻んだ彼の唇が、俺の額や頬に優しく触れてくれる。
「ふふ、大丈夫ですよ。宜しければ、手を繋ぎましょうか?」
ただでさえ高鳴りっぱなしの心臓が、大きくドクンと跳ねてしまった。触ってもらえるだけでも嬉しいのに、ずっと彼の手を握っていられるなんて。
「繋ぎたい、です……スゴく……でも……」
手を差し出してくれたまま、不思議そうにバアルさんがこちらを見つめる。
そんな彼を前にして、俺はとんでもなく欲張りなことを考えてしまっていた。
両手で触ってもらえなくなっちゃうな……と。
「……成る程……確かに、この様な触れ方は出来なくなりますね」
よっぽど、俺は分かりやすいんだろうか。それともまた、無意識のうちに口から出てしまっていたんだろうか。
どちらにせよ、あっさり見抜かれてしまったらしい。大きな手がよしよしと俺の頬を撫でながら、もう一方の指先が焦らすように乳首の回りをなぞっていく。
「あっ、バアルさん……ふぁ……」
「手を繋ぎたくなられた時は、遠慮なく仰って下さいね。それまでは、貴方様がお好きなところを両手で触って差し上げますから」
視界の端で、どこか上機嫌に半透明の羽がはためいている。優しく微笑みかけてくれている間も、指の動きは止まらない。
頭の奥が、ジンジン痺れているみたいだった。気がつけば、シャツの中に潜り込んでいたもう一方と、左右同時に摘ままれて。捏ねるように指の腹で、クリクリと優しく揉まれて。
「は、はい……ぁ……んん、あ、あっ……」
頷くのが精一杯な俺に、艷やかな笑みを浮かべた唇が甘やかすようなキスを送ってくれる。何度か交わした後に、熱く湿った体温がぬるりと口内へと入ってきた。
「ん、ふ、ふっ……ぁ……んむ……ん、ん……」
優しく絡め取られて、擦り合わされて。気持ちがよくて、堪らない。心地のいい波が全身に広がっていくみたいだ。
すっかり彼との深い触れ合いに溺れていると、敏感な先端を再び指の腹できゅっと挟まれた。こちらも忘れないで下さいね、と言っているように。
「んぅっ…………ん……ぁ、ふ……」
それが、引き金になったのかもしれない。じくじく疼いていた下半身が突然ぶるりと震え、滲んでいく。
自分の身体だ。イヤでも、何でも、認めたくなくても分かる。情けないことに、イってしまったんだと……ちょっとだけ。
「ん、は……アオイ……」
流石というか案の定、バレてしまっているらしかった。熱のこもった声で俺の名を呼ぶバアルさんは、何だかスゴく嬉しそうだ。それからアフターケアも完璧だった。
「大丈夫ですよ……大変可愛らしかったですよ……」
俯きかけていた俺の顔を手のひらで優しく包み込みながら、ゆるゆる撫でてくれたんだ。
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