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今日は星の海を貴方と、次は海の底を貴方と
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「スゴい……」
目の前に、遥か頭上に広がる光景は、幻想的としか言い表せなかった。
一体どこまで続いているのか。天井が見えない、分からない縦長の室内を見上げれば、満天の星空。術で映した映像か何かだろうが、あまりのクオリティに外にいるとしか思えない。
星々が見守る暗闇には、いくつも浮かぶ白と黄色。あれは一体?
ふと、スタッフさんの言葉を思い出す。黄色に輝いているのが、空席って言ってたっけ。え、じゃあ、まさかあれが?
「もしかして、席ごと浮いてるんですか? 全部、術で」
「はい。近づいた方が、分かりやすいでしょう。しっかりと私めに掴まっていて下さいね」
「は、はい」
俺を抱き抱えたまま、バアルさんがふわりと飛ぶ。大きく広げた羽をはためかせ、悠々と。
絨毯に覆われた床から遠のいていくにつれ、大きな光にしか見えなかったものの正体が、ハッキリ見えてきた。
それは卵型の個室だった。
例えるなら、観覧車だろうか。あの丸い一つ一つが、バラバラになって浮かんでいる感じ。入口であろう縦長に丸く空いた部分からは、広いソファーがちらりと見えた。
もっと上を目指すんだろうか。ゆったり飛んでいたバアルさんが、ふと口を開く。
「おそらく先程の方の目には、アオイ様は飛ぶ為の羽を有していないように見えたのでしょう」
もう一つの疑問が解消された。
彼がじっくり見つめていたのは、ドレスコードのチェックではなく、俺が自力で飛べるのかのチェックだったのだ。
「ああ、だからですか。ご案内いたしましょうかって言ってくれたのは」
飛べない方々は、スタッフさんが運んでくれるんだろうか。それとも、席を一旦下ろしてから、また浮かべるのかな。どちらにしろ、そういうケアがあるのは有り難いことだ。
ゆっくり動いていた景色がピタリと止まる。不思議に思っていると視界いっぱいに、艷やかな微笑みが。バアルさんが、甘えるみたいに額を寄せてくれていた。
「……はい。ですが、貴方様には私がいるでしょう? 必要ないかと」
「ひょわ……そ、そうですね。俺も、バアルさんが、いいです……」
「ふふ、光栄に存じます」
満足気に微笑んでから、再び淡い光を帯びた羽が、夜空を真っ直ぐに上っていく。
今なら聞いてもいいだろうか。残された疑問を、俺は口にした。
「あの、もしかして……ここってプラネタリウム、ですか?」
「左様でございます。今日は星がメインのようですが、他にも水晶の花々や、オーロラ、火山、海底など色々な景色を楽しめるそうですよ」
「へぇ……じゃあ、今度は別のを見に来ましょうよ。バアルさんは、何が見たいですか?」
きょとんと丸くなった瞳が俺を見つめる。そりゃそうだ。まだ席にも着いていないのに。星空を満喫していないのに。
「す、すみません……気が早過ぎましたね」
白く長い睫毛に縁取られた緑の瞳。優しい眼差しが、ゆるりと俺に微笑んだ。
「……私は、海底が見てみたいですね」
鼓動が煩くなってしまう。頬が緩みそうになってしまう。慈しむような微笑みにときめかされて。
「っ……バアルさんも、ですか? じゃ、じゃあ、次は海底に決まりですねっ」
「ええ、そう致しましょう」
笑みを交わしながら俺達は、星の海を泳いでいく。少し先で柔らかな黄色の光が、俺達を迎えるように輝いていた。
目の前に、遥か頭上に広がる光景は、幻想的としか言い表せなかった。
一体どこまで続いているのか。天井が見えない、分からない縦長の室内を見上げれば、満天の星空。術で映した映像か何かだろうが、あまりのクオリティに外にいるとしか思えない。
星々が見守る暗闇には、いくつも浮かぶ白と黄色。あれは一体?
ふと、スタッフさんの言葉を思い出す。黄色に輝いているのが、空席って言ってたっけ。え、じゃあ、まさかあれが?
「もしかして、席ごと浮いてるんですか? 全部、術で」
「はい。近づいた方が、分かりやすいでしょう。しっかりと私めに掴まっていて下さいね」
「は、はい」
俺を抱き抱えたまま、バアルさんがふわりと飛ぶ。大きく広げた羽をはためかせ、悠々と。
絨毯に覆われた床から遠のいていくにつれ、大きな光にしか見えなかったものの正体が、ハッキリ見えてきた。
それは卵型の個室だった。
例えるなら、観覧車だろうか。あの丸い一つ一つが、バラバラになって浮かんでいる感じ。入口であろう縦長に丸く空いた部分からは、広いソファーがちらりと見えた。
もっと上を目指すんだろうか。ゆったり飛んでいたバアルさんが、ふと口を開く。
「おそらく先程の方の目には、アオイ様は飛ぶ為の羽を有していないように見えたのでしょう」
もう一つの疑問が解消された。
彼がじっくり見つめていたのは、ドレスコードのチェックではなく、俺が自力で飛べるのかのチェックだったのだ。
「ああ、だからですか。ご案内いたしましょうかって言ってくれたのは」
飛べない方々は、スタッフさんが運んでくれるんだろうか。それとも、席を一旦下ろしてから、また浮かべるのかな。どちらにしろ、そういうケアがあるのは有り難いことだ。
ゆっくり動いていた景色がピタリと止まる。不思議に思っていると視界いっぱいに、艷やかな微笑みが。バアルさんが、甘えるみたいに額を寄せてくれていた。
「……はい。ですが、貴方様には私がいるでしょう? 必要ないかと」
「ひょわ……そ、そうですね。俺も、バアルさんが、いいです……」
「ふふ、光栄に存じます」
満足気に微笑んでから、再び淡い光を帯びた羽が、夜空を真っ直ぐに上っていく。
今なら聞いてもいいだろうか。残された疑問を、俺は口にした。
「あの、もしかして……ここってプラネタリウム、ですか?」
「左様でございます。今日は星がメインのようですが、他にも水晶の花々や、オーロラ、火山、海底など色々な景色を楽しめるそうですよ」
「へぇ……じゃあ、今度は別のを見に来ましょうよ。バアルさんは、何が見たいですか?」
きょとんと丸くなった瞳が俺を見つめる。そりゃそうだ。まだ席にも着いていないのに。星空を満喫していないのに。
「す、すみません……気が早過ぎましたね」
白く長い睫毛に縁取られた緑の瞳。優しい眼差しが、ゆるりと俺に微笑んだ。
「……私は、海底が見てみたいですね」
鼓動が煩くなってしまう。頬が緩みそうになってしまう。慈しむような微笑みにときめかされて。
「っ……バアルさんも、ですか? じゃ、じゃあ、次は海底に決まりですねっ」
「ええ、そう致しましょう」
笑みを交わしながら俺達は、星の海を泳いでいく。少し先で柔らかな黄色の光が、俺達を迎えるように輝いていた。
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