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【新婚旅行編】四日目:彼への好きを、たった十個に絞れる訳が
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バアルさんとベッドとに挟まれながら一緒に出来て、その後はお膝の上に乗せてもらいながらいっぱい愛してもらえて。
二人で散々にしてしまったシーツは、もうすでに新品そのもの。バアルさんがひと撫でするだけでシミは勿論のこと、シワ一つなくなっていた。
そうして呼吸やら、鼓動やら、気分やら。もろもろがようやく落ち着いてきた頃でも、バアルさんは変わらず。頼もしい腕を惜しげもなく差し出して枕役を買って出ててくれているし、ひと回り大きな手は頭や背中をゆったりと撫で続けてくれている。
目が合えば微笑んでくれて、お願いしなくてもキスしてくれる。おまけに、喉が渇いたかなって思った時にはもう「お召し上がりになられますか?」とグラスに入ったほどよく冷えたお水を、宙に出現させているのだから完璧だ。
一緒にのんびり水分補給をした後は、またベッドでまったりと。逞しい彼の腕の中で眠気がやって来るのを待っていたんだけれども。
「……バアルはさ、どこが好き? 俺の部位で」
「部位、でございますか?」
「うん。ほら……胸とか、足とかさ、色々あるじゃん。好みのパーツっていうの? バアルは、どこが好きなのかなって」
ふとした思いつきだった。何となく気になったくらいの。けれども、尋ねた相手は何事にも真面目で全力なバアルさん。きょとんと目を丸くしたのもつかの間で「ふむ……」と呟き、シャープな顎に長く白い指を添えてから考え込んでしまった。
鋭く細められた眼差しは、皆さんへのお土産を吟味している時のよう。目茶苦茶、ちゃんと考えてくれていらっしゃる。
何となく好きとかでも良いですよ? と付け加えようとしたところで、はたと目が合った。若葉のように鮮やかな緑の瞳が、俺を真っ直ぐに見つめてくる。
「……因みにですが、アオイは私のどの部位を好んで頂けているのでしょうか?」
「えっ……?」
まさか質問に質問で返されるとは。
とはいえ、言い出しっぺは俺なのだし。それに、興味津々な眼差しには、そわそわと羽をはためかせている彼の期待には応えたい。
「うーん……腕っていうか、手もかな?」
言いながら彼の手を取り、大きさを比べるように手のひら同士を重ね合わせていると、再び尋ねられた。
「ふむ……では、その御心は?」
「バアルの腕の中が一番落ち着くし、撫でてもらえるの好きだから……あ、でも、長い足もカッコいいし、頼もしい背中とか、分厚い胸板とか、割れた腹筋も素敵だし……括れた腰とお尻は色っぽいし……当たり前だけど顔も好きだよ? あと目も。キラキラしててキレイだし、柔らかい印象なのも好きで」
「ふふ、それでは、全部と言うことになってしまうのではございませんか?」
あれもこれもと止まらなくなっていると、擽ったそうな笑みに遮られた。痛いところを突かれてしまった。
「うっ……でも、全部大好きなんだもん……身体だけじゃなくて、内面も……とびきり優しくて、いつも俺に安心感をくれるとことか、どんな時だって落ち着いてて頼りになるとことか……」
挙げだすときりがない。良くある質問で、相手の好きなところを10個挙げなさいみたいなのがあるけれど、全然足りない。絞れる訳がない。
ついつい照れくささを誤魔化すように絡めた指を握っては緩めを繰り返していると、手を引かれた。形の良い唇に触れてしまった。いや、向こうは最初っからそのつもりだったんだろうけど。
「私もお揃いでございます。アオイの全てを愛しておりますよ」
「っ……それ、ズルくない? 目茶苦茶嬉しいけどさ……」
「ふむ、でしたら……今から一つ一つ教えて差し上げましょうか? 実際に愛でさせて頂きながら、理由もご一緒に」
「あ、ぅ……やっぱりズルい」
お揃いの魔宝石の指輪にキスを送ってくれてから、バアルが俺を押し倒した。ふと目に入ったカーテンの隙間の景色はまだ暗い。
なんの気なしにそのまま見つめてしまっていると顎をそっと掴まれた。噛みつくように口づけられてしまえば、射抜くように見つめられてしまえば、もう俺の目には彼しか映らない。
それにしても、まさかホントに実行に移されるとは。俺の大好きな手で身体の隅々まで可愛がられながら、好きな理由を囁かれるとは思わなかった。
二人で散々にしてしまったシーツは、もうすでに新品そのもの。バアルさんがひと撫でするだけでシミは勿論のこと、シワ一つなくなっていた。
そうして呼吸やら、鼓動やら、気分やら。もろもろがようやく落ち着いてきた頃でも、バアルさんは変わらず。頼もしい腕を惜しげもなく差し出して枕役を買って出ててくれているし、ひと回り大きな手は頭や背中をゆったりと撫で続けてくれている。
目が合えば微笑んでくれて、お願いしなくてもキスしてくれる。おまけに、喉が渇いたかなって思った時にはもう「お召し上がりになられますか?」とグラスに入ったほどよく冷えたお水を、宙に出現させているのだから完璧だ。
一緒にのんびり水分補給をした後は、またベッドでまったりと。逞しい彼の腕の中で眠気がやって来るのを待っていたんだけれども。
「……バアルはさ、どこが好き? 俺の部位で」
「部位、でございますか?」
「うん。ほら……胸とか、足とかさ、色々あるじゃん。好みのパーツっていうの? バアルは、どこが好きなのかなって」
ふとした思いつきだった。何となく気になったくらいの。けれども、尋ねた相手は何事にも真面目で全力なバアルさん。きょとんと目を丸くしたのもつかの間で「ふむ……」と呟き、シャープな顎に長く白い指を添えてから考え込んでしまった。
鋭く細められた眼差しは、皆さんへのお土産を吟味している時のよう。目茶苦茶、ちゃんと考えてくれていらっしゃる。
何となく好きとかでも良いですよ? と付け加えようとしたところで、はたと目が合った。若葉のように鮮やかな緑の瞳が、俺を真っ直ぐに見つめてくる。
「……因みにですが、アオイは私のどの部位を好んで頂けているのでしょうか?」
「えっ……?」
まさか質問に質問で返されるとは。
とはいえ、言い出しっぺは俺なのだし。それに、興味津々な眼差しには、そわそわと羽をはためかせている彼の期待には応えたい。
「うーん……腕っていうか、手もかな?」
言いながら彼の手を取り、大きさを比べるように手のひら同士を重ね合わせていると、再び尋ねられた。
「ふむ……では、その御心は?」
「バアルの腕の中が一番落ち着くし、撫でてもらえるの好きだから……あ、でも、長い足もカッコいいし、頼もしい背中とか、分厚い胸板とか、割れた腹筋も素敵だし……括れた腰とお尻は色っぽいし……当たり前だけど顔も好きだよ? あと目も。キラキラしててキレイだし、柔らかい印象なのも好きで」
「ふふ、それでは、全部と言うことになってしまうのではございませんか?」
あれもこれもと止まらなくなっていると、擽ったそうな笑みに遮られた。痛いところを突かれてしまった。
「うっ……でも、全部大好きなんだもん……身体だけじゃなくて、内面も……とびきり優しくて、いつも俺に安心感をくれるとことか、どんな時だって落ち着いてて頼りになるとことか……」
挙げだすときりがない。良くある質問で、相手の好きなところを10個挙げなさいみたいなのがあるけれど、全然足りない。絞れる訳がない。
ついつい照れくささを誤魔化すように絡めた指を握っては緩めを繰り返していると、手を引かれた。形の良い唇に触れてしまった。いや、向こうは最初っからそのつもりだったんだろうけど。
「私もお揃いでございます。アオイの全てを愛しておりますよ」
「っ……それ、ズルくない? 目茶苦茶嬉しいけどさ……」
「ふむ、でしたら……今から一つ一つ教えて差し上げましょうか? 実際に愛でさせて頂きながら、理由もご一緒に」
「あ、ぅ……やっぱりズルい」
お揃いの魔宝石の指輪にキスを送ってくれてから、バアルが俺を押し倒した。ふと目に入ったカーテンの隙間の景色はまだ暗い。
なんの気なしにそのまま見つめてしまっていると顎をそっと掴まれた。噛みつくように口づけられてしまえば、射抜くように見つめられてしまえば、もう俺の目には彼しか映らない。
それにしても、まさかホントに実行に移されるとは。俺の大好きな手で身体の隅々まで可愛がられながら、好きな理由を囁かれるとは思わなかった。
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