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【新婚旅行編】七日目:大丈夫でしょうか? 落ち着いて、私の話しを聞いて頂けますか?
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つい聞き返しちゃっていたけど……エッチのこと、だよね? 多分、絶対。どのくらいまでは、このままイチャイチャするのかってこと、だよね?
どうしよう。意識しちゃった途端にそういう気分に……
浮足立ったような気分は、煩いくらいに鼓動を高鳴らせてしまっただけでなく、嗅覚の方へも影響を与えてしまったのか、彼から香っているハーブの匂いが甘く感じてしまう。
いや、元から期待はしていたんだけどっ……まだ、そんな雰囲気じゃなかったしっ……バアルだって、普通に頭撫でてくれてて……
「ほら、ワインの他に、もう一つお約束をしていたでしょう?」
「ふぇ……やく、そく……?」
……何だったっけ?
瞬間、俺だけの時間が止まっちゃったような気がした。
さっきまでは忙しなく回っていた頭は、うんともすんとも。それでも、無理矢理回しながら今日一日を思い返してみたものの、思い浮かんではこなかった。彼との会話の中で、交わしていたんであろう約束に関することは何一つとして。
一人で盛り上がっていた頭の熱が一気に冷えていく。それどころか、全身からも体温が抜けていくみたいに寒くなってきて。
「大丈夫ですよ、アオイ」
頬に触れてもらえた柔らかな手のひらが温かい。お陰で俺は少しだけ、冷静さを取り戻すことが出来た。
「っ……ダメ、だよ……バアルが良くても、俺が良くないよっ……バアルとの約束忘れちゃ、た」
優しく微笑まれたかと思えば、力強く抱き締められていた。
バアルの温度が伝わっているのかな? さっきまではあんなに寒かった身体がどんどん温かくなっている。
泣きたくなるくらいに焦っていたのもウソみたい。逞しい胸板からトクトクと聞こえてくる心音が、波打っていた俺の心を静めてくれた。
引き締まった腕が、俺をしっかりと抱き締めてくれている。大きな手のひらが、優しい手つきで頭や背中を撫でてくれている。どれくらいの間、そうしてくれていたんだろうか。
俺が顔を上げて柔らかな笑顔を見つめられるようになった頃、バアルが尋ねてきた。穏やかな波の音のように心に染み渡る落ち着いた声だった。
「大丈夫でしょうか? 落ち着いて、私の話しを聞いて頂けますか?」
「うん、ありがとう……ごめんね……」
「いえ、私の方こそ申し訳ございません。言い方が悪うございました」
そんなことはないって、俺の方が悪いんだって言いたかった。でも、そうやってまた一人で焦っちゃったら、落ち着いてバアルの話が聞けなくなってしまう。
喉まで出かかっていたけれども飲み込んで、続きを待った。ゆるりと細められた瞳で見つめながら、バアルが静かに口を開く。
「……約束とは申しましたが、ワインの時のように言葉で交わしていた訳では。貴方様も期待して下さっていたようでしたので、私がその気になってしまっていただけで……」
俺が期待して、バアルもその気に。
「あ……っ、もしかして、分身してくれるって話? 二人になったバアルで俺のことを愛でてくれるって」
「はい……そちらの提案のことでございます……」
「あぁ……」
確かにその時、話が盛り上がってはいたけれども、して欲しいなとは思っていたけれども、ちゃんとした約束はしていなかったかも。
バアルとの約束を忘れちゃった訳じゃなかったんだ。
安心したら現金なもので、期待が込み上げてきてしまう。
「……今から、してもらえるの?」
「……宜しいので?」
「うん……してもらえたら嬉しいなって思ってたし、バアルもそのつもりでいてくれていたんでしょ?」
「ええ」
答えた声色は穏やかだった。けれども、元々バアルも楽しみにしてくれていたのかもしれない。沈んでいた表情が、眩しいくらいに明るくなっていたんだ。
「お願いしますっ」
「此方こそ、宜しくお願い致します」
筋肉質な首に腕を回して抱きつけば、額を寄せればますますと。鮮やかに煌めく緑の瞳が嬉しそうに微笑んだ。
どうしよう。意識しちゃった途端にそういう気分に……
浮足立ったような気分は、煩いくらいに鼓動を高鳴らせてしまっただけでなく、嗅覚の方へも影響を与えてしまったのか、彼から香っているハーブの匂いが甘く感じてしまう。
いや、元から期待はしていたんだけどっ……まだ、そんな雰囲気じゃなかったしっ……バアルだって、普通に頭撫でてくれてて……
「ほら、ワインの他に、もう一つお約束をしていたでしょう?」
「ふぇ……やく、そく……?」
……何だったっけ?
瞬間、俺だけの時間が止まっちゃったような気がした。
さっきまでは忙しなく回っていた頭は、うんともすんとも。それでも、無理矢理回しながら今日一日を思い返してみたものの、思い浮かんではこなかった。彼との会話の中で、交わしていたんであろう約束に関することは何一つとして。
一人で盛り上がっていた頭の熱が一気に冷えていく。それどころか、全身からも体温が抜けていくみたいに寒くなってきて。
「大丈夫ですよ、アオイ」
頬に触れてもらえた柔らかな手のひらが温かい。お陰で俺は少しだけ、冷静さを取り戻すことが出来た。
「っ……ダメ、だよ……バアルが良くても、俺が良くないよっ……バアルとの約束忘れちゃ、た」
優しく微笑まれたかと思えば、力強く抱き締められていた。
バアルの温度が伝わっているのかな? さっきまではあんなに寒かった身体がどんどん温かくなっている。
泣きたくなるくらいに焦っていたのもウソみたい。逞しい胸板からトクトクと聞こえてくる心音が、波打っていた俺の心を静めてくれた。
引き締まった腕が、俺をしっかりと抱き締めてくれている。大きな手のひらが、優しい手つきで頭や背中を撫でてくれている。どれくらいの間、そうしてくれていたんだろうか。
俺が顔を上げて柔らかな笑顔を見つめられるようになった頃、バアルが尋ねてきた。穏やかな波の音のように心に染み渡る落ち着いた声だった。
「大丈夫でしょうか? 落ち着いて、私の話しを聞いて頂けますか?」
「うん、ありがとう……ごめんね……」
「いえ、私の方こそ申し訳ございません。言い方が悪うございました」
そんなことはないって、俺の方が悪いんだって言いたかった。でも、そうやってまた一人で焦っちゃったら、落ち着いてバアルの話が聞けなくなってしまう。
喉まで出かかっていたけれども飲み込んで、続きを待った。ゆるりと細められた瞳で見つめながら、バアルが静かに口を開く。
「……約束とは申しましたが、ワインの時のように言葉で交わしていた訳では。貴方様も期待して下さっていたようでしたので、私がその気になってしまっていただけで……」
俺が期待して、バアルもその気に。
「あ……っ、もしかして、分身してくれるって話? 二人になったバアルで俺のことを愛でてくれるって」
「はい……そちらの提案のことでございます……」
「あぁ……」
確かにその時、話が盛り上がってはいたけれども、して欲しいなとは思っていたけれども、ちゃんとした約束はしていなかったかも。
バアルとの約束を忘れちゃった訳じゃなかったんだ。
安心したら現金なもので、期待が込み上げてきてしまう。
「……今から、してもらえるの?」
「……宜しいので?」
「うん……してもらえたら嬉しいなって思ってたし、バアルもそのつもりでいてくれていたんでしょ?」
「ええ」
答えた声色は穏やかだった。けれども、元々バアルも楽しみにしてくれていたのかもしれない。沈んでいた表情が、眩しいくらいに明るくなっていたんだ。
「お願いしますっ」
「此方こそ、宜しくお願い致します」
筋肉質な首に腕を回して抱きつけば、額を寄せればますますと。鮮やかに煌めく緑の瞳が嬉しそうに微笑んだ。
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