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【新婚旅行編】九日目:選ぶまでもない二択
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「ところでアオイ、どちらに致しますか?」
「ど、どちらって?」
「私がアオイを後ろから抱き支えさせて頂くか、イルカに掴まるか、でございます」
「え、そんなの」
選ぶまでもない。バアルの方がいいに決まって。
「ええ、分かっておりますよ。無論、私でございますよね?」
海だから、もう事前に俺と意識を繋いでくれているんだろうか。そう思ってしまいたくなるほどにあっさりと見抜かれてしまっていた。それはそれはご機嫌そうに微笑みながら。
「はぃ……バアルがいいです」
「畏まりました」
弾むように触角を揺らしながら、分厚い胸板に手を当て会釈をしてから、逞しく長い腕が俺を優しく抱き締めてくれる。ハーブの匂いが、柔らかな温もりが俺を包みこんでいく。
単純な俺は皆さんが居るというのに、すっかり夢見心地になってしまっていた。そんな時だった。
「安心なされたように私めに身を委ねて下さって大変嬉しく存じます。ですが、気を引き締めて下さいね。私がついております故、御身が海水へと落ちてしまうことは万が一にも有り得ませんが、多少の衝撃と水飛沫はかかってしまいますので」
「え」
海水製イルカが話しかけてくるように鳴いてくる。それが合図だったんだろう。助走をつけるように海面を泳ぐことも、海中へと潜ることもなく、俺達を背に乗せたままその場で軽々と高く飛んでみせた。
「ほわっ」
衝撃って、水飛沫って、こういうこと?
気付いた時にはもう遅く、何度も何度も楽しげに飛び回る海水製イルカに俺は振り回されることに。でも、これはまだまだほんのお試しに過ぎなかった。
「そろそろ慣れた頃であろう? ということで、ここからが本番である!!」
「は、はぁ……え?」
息は上がってしまっているものの、華麗なジャンプもようやく楽しめるようになった頃にそれは訪れた。
ヨミ様の足元が、その部分の海面だけが俺達を飲み込まんばかりに高く伸び上がり、その姿を変えていく。太い水流が渦を巻いたかのような、見覚えのあるその姿はリヴァイアサンだった。これまた海水製の。
頭の中に浮かんだのは、あの時のショーの光景。リヴァイアサンが起こすいくつもの波を、上手く乗りこなしていてって……まさか。
「さあ、上手く乗りこなしてみせよ!」
想像通りだった。海水製リヴァイアサンが起こす、低、中、高、様々な高さの波。ショーで見たまんまの光景を、まさか実際に体験することになろうとは。
波乗りを楽しんだ後は、ビーチバレーならぬ海面バレー。これまたイルカの時のように海水で作ったボールを用いて四人と三人に分かれながら、チームを変えながら楽しんだ。
まぁ、普通のバレーだったのは最初の方だけで、最後の方は術の応酬になっていたんだけど。海水ボールから目眩ましのごとく沢山の泡が飛んできたり、海水で出来た小魚の群れの体当たりによってびしょ濡れにされたりで、ヒッチャカメッチャカになっていたんだけれども。
笑い転げるくらいに混沌としていたさっきまでとは打って変わって、俺達はのんびりとした空気に浸っていた。今度はサタン様が作り出した海水製クジラの上でのんびりと寝転がったり、足を伸ばして座ったりしながら思い思いに火照った身体を冷していた。他愛のない話に花を咲かせていた。
「ど、どちらって?」
「私がアオイを後ろから抱き支えさせて頂くか、イルカに掴まるか、でございます」
「え、そんなの」
選ぶまでもない。バアルの方がいいに決まって。
「ええ、分かっておりますよ。無論、私でございますよね?」
海だから、もう事前に俺と意識を繋いでくれているんだろうか。そう思ってしまいたくなるほどにあっさりと見抜かれてしまっていた。それはそれはご機嫌そうに微笑みながら。
「はぃ……バアルがいいです」
「畏まりました」
弾むように触角を揺らしながら、分厚い胸板に手を当て会釈をしてから、逞しく長い腕が俺を優しく抱き締めてくれる。ハーブの匂いが、柔らかな温もりが俺を包みこんでいく。
単純な俺は皆さんが居るというのに、すっかり夢見心地になってしまっていた。そんな時だった。
「安心なされたように私めに身を委ねて下さって大変嬉しく存じます。ですが、気を引き締めて下さいね。私がついております故、御身が海水へと落ちてしまうことは万が一にも有り得ませんが、多少の衝撃と水飛沫はかかってしまいますので」
「え」
海水製イルカが話しかけてくるように鳴いてくる。それが合図だったんだろう。助走をつけるように海面を泳ぐことも、海中へと潜ることもなく、俺達を背に乗せたままその場で軽々と高く飛んでみせた。
「ほわっ」
衝撃って、水飛沫って、こういうこと?
気付いた時にはもう遅く、何度も何度も楽しげに飛び回る海水製イルカに俺は振り回されることに。でも、これはまだまだほんのお試しに過ぎなかった。
「そろそろ慣れた頃であろう? ということで、ここからが本番である!!」
「は、はぁ……え?」
息は上がってしまっているものの、華麗なジャンプもようやく楽しめるようになった頃にそれは訪れた。
ヨミ様の足元が、その部分の海面だけが俺達を飲み込まんばかりに高く伸び上がり、その姿を変えていく。太い水流が渦を巻いたかのような、見覚えのあるその姿はリヴァイアサンだった。これまた海水製の。
頭の中に浮かんだのは、あの時のショーの光景。リヴァイアサンが起こすいくつもの波を、上手く乗りこなしていてって……まさか。
「さあ、上手く乗りこなしてみせよ!」
想像通りだった。海水製リヴァイアサンが起こす、低、中、高、様々な高さの波。ショーで見たまんまの光景を、まさか実際に体験することになろうとは。
波乗りを楽しんだ後は、ビーチバレーならぬ海面バレー。これまたイルカの時のように海水で作ったボールを用いて四人と三人に分かれながら、チームを変えながら楽しんだ。
まぁ、普通のバレーだったのは最初の方だけで、最後の方は術の応酬になっていたんだけど。海水ボールから目眩ましのごとく沢山の泡が飛んできたり、海水で出来た小魚の群れの体当たりによってびしょ濡れにされたりで、ヒッチャカメッチャカになっていたんだけれども。
笑い転げるくらいに混沌としていたさっきまでとは打って変わって、俺達はのんびりとした空気に浸っていた。今度はサタン様が作り出した海水製クジラの上でのんびりと寝転がったり、足を伸ばして座ったりしながら思い思いに火照った身体を冷していた。他愛のない話に花を咲かせていた。
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