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【新婚旅行編】十日目:一番最初に浮かんだのは
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「だから……バアルに……喜んでもらうっていうよりは、俺が……む、夢中になっちゃうから、その……」
「ふふ……左様でございましたか」
どうにかご満足していただけたようだ。握ったままの俺の手に、しなやかな指を絡めてくれる。
擦り寄ってくれているように指横同士が触れ合うと、背中の辺りがそわそわしてしまう。甘えたい気持ちを引っ張り出されてしまいそうに。
「では、アオイは私めのどちらにキスしたいと……いえ、愛らしい口づけを賜って下さるおつもりだったので?」
わざわざ言い直す必要性……!!
声にならない声を叫んだところで、俺が一人で勝手に彼の手のひらの上で踊ったところで、バアルは嬉しそうに微笑むだけ。ホントに、全く、この人は。
何だか悔しい気持ちを心の隅へと押しやって、自分自身へと尋ねてみる。一番最初に浮かんだのは。
「手……がいい……かな……」
言いながら俺は繋いでいた手に力を込めていた。バアルもまた俺の想いに応えてくれるように、そっと握り返してきてくれる。
部屋の明かりを受けて、金属のような光沢を帯びている触角がゆらりと揺れた。
「嬉しく存じます……して、他には?」
「他に……」
尋ねられる前に、すでに一応浮かんではいた。でも、そこは彼にとっては繊細なところだ。触れさせてもらっているだけでも嬉しいのに。
握っている手から視線を移せばかち合った。期待を宿した鮮やかな緑と。隠しちゃう方がイヤだよな。俺だって、もし俺がバアルの立場だったら。
「その……イヤなら、断ってくれて」
「どちらでしょうか?」
「は……羽、にもしたい……です……」
「是非っ、宜しくお願い致します」
声を弾ませながらバアルが上体を上げた。キングサイズのベッドが軋むほどの勢いだった。どうやら、手よりも喜んでくれているらしい。
こちらの体勢では私めを愛で辛いでしょう、とバアルは俺の上から退いて、仰向けに寝転ぶ俺を軽々と抱き上げてくれた。
お膝の上で、だろうか。いつものように。そう俺はのんきにバアルに身を任せていたのだけれども。
「ね、バアル……」
「はい、いかがなさいましたか、アオイ?」
「いや、その……重くない?」
バアルの上に、服越しでも硬い腹筋の上に跨らせてもらうだなんて。
散々抱っこやお膝に乗せてもらっている手前何を今更。彼がこれくらいは平気なことくらい俺が一番分かっているじゃないか。頭の中の片隅に居る冷静な俺はそう言ってのける。
そうだな、とは思う。全面的に同意するとも。でも、それでもやっぱり申し訳ないというか、落ち着かないというか。
何度か俺の要望で押し倒させてもらったことがあるとはいえ見下ろした先に仰向けのバアルが、無防備な彼が居る様は新鮮だ。しかも羽織っているシャツが少し乱れてしまっているせいで素敵なチラリズムが発生してしまっている。
下に着ているVネックの白いシャツ。南国そのものなリゾート地である南エリアに合わせてランニングタイプなそれは、ただでさえ俺に目の保養をもたらしてくれている。
引き締まった首の流れるようなラインの美しさ、カッコよく浮き出た鎖骨、少しだけ覗いてしまっている分厚い胸板の谷間。それらだけでも惹かれてしまう。見つめていたいのに、ずっと見つめていてはいけないような、矛盾した葛藤にさらされてしまう。
だというのにだ。今はゴツゴツとした肩の盛り上がりやら、しっかりと筋肉がついているのに細く括れた腰のラインやら、色々と見えてしまっているのだ。その上、見上げてくる彼という、素敵なシチュエーションによって俺が主導権を握っているような感覚になってしまう。
お陰様で、もう熱に浮かされたように気持ちがふわふわしてしまっている。まだ何も出来ていないっていうのに。
「ふふ……左様でございましたか」
どうにかご満足していただけたようだ。握ったままの俺の手に、しなやかな指を絡めてくれる。
擦り寄ってくれているように指横同士が触れ合うと、背中の辺りがそわそわしてしまう。甘えたい気持ちを引っ張り出されてしまいそうに。
「では、アオイは私めのどちらにキスしたいと……いえ、愛らしい口づけを賜って下さるおつもりだったので?」
わざわざ言い直す必要性……!!
声にならない声を叫んだところで、俺が一人で勝手に彼の手のひらの上で踊ったところで、バアルは嬉しそうに微笑むだけ。ホントに、全く、この人は。
何だか悔しい気持ちを心の隅へと押しやって、自分自身へと尋ねてみる。一番最初に浮かんだのは。
「手……がいい……かな……」
言いながら俺は繋いでいた手に力を込めていた。バアルもまた俺の想いに応えてくれるように、そっと握り返してきてくれる。
部屋の明かりを受けて、金属のような光沢を帯びている触角がゆらりと揺れた。
「嬉しく存じます……して、他には?」
「他に……」
尋ねられる前に、すでに一応浮かんではいた。でも、そこは彼にとっては繊細なところだ。触れさせてもらっているだけでも嬉しいのに。
握っている手から視線を移せばかち合った。期待を宿した鮮やかな緑と。隠しちゃう方がイヤだよな。俺だって、もし俺がバアルの立場だったら。
「その……イヤなら、断ってくれて」
「どちらでしょうか?」
「は……羽、にもしたい……です……」
「是非っ、宜しくお願い致します」
声を弾ませながらバアルが上体を上げた。キングサイズのベッドが軋むほどの勢いだった。どうやら、手よりも喜んでくれているらしい。
こちらの体勢では私めを愛で辛いでしょう、とバアルは俺の上から退いて、仰向けに寝転ぶ俺を軽々と抱き上げてくれた。
お膝の上で、だろうか。いつものように。そう俺はのんきにバアルに身を任せていたのだけれども。
「ね、バアル……」
「はい、いかがなさいましたか、アオイ?」
「いや、その……重くない?」
バアルの上に、服越しでも硬い腹筋の上に跨らせてもらうだなんて。
散々抱っこやお膝に乗せてもらっている手前何を今更。彼がこれくらいは平気なことくらい俺が一番分かっているじゃないか。頭の中の片隅に居る冷静な俺はそう言ってのける。
そうだな、とは思う。全面的に同意するとも。でも、それでもやっぱり申し訳ないというか、落ち着かないというか。
何度か俺の要望で押し倒させてもらったことがあるとはいえ見下ろした先に仰向けのバアルが、無防備な彼が居る様は新鮮だ。しかも羽織っているシャツが少し乱れてしまっているせいで素敵なチラリズムが発生してしまっている。
下に着ているVネックの白いシャツ。南国そのものなリゾート地である南エリアに合わせてランニングタイプなそれは、ただでさえ俺に目の保養をもたらしてくれている。
引き締まった首の流れるようなラインの美しさ、カッコよく浮き出た鎖骨、少しだけ覗いてしまっている分厚い胸板の谷間。それらだけでも惹かれてしまう。見つめていたいのに、ずっと見つめていてはいけないような、矛盾した葛藤にさらされてしまう。
だというのにだ。今はゴツゴツとした肩の盛り上がりやら、しっかりと筋肉がついているのに細く括れた腰のラインやら、色々と見えてしまっているのだ。その上、見上げてくる彼という、素敵なシチュエーションによって俺が主導権を握っているような感覚になってしまう。
お陰様で、もう熱に浮かされたように気持ちがふわふわしてしまっている。まだ何も出来ていないっていうのに。
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