【完結】間違って地獄に落とされましたが、俺は幸せです。

白井のわ

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★【新婚旅行編】十日目:積極的になれたのは最初だけ

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「ん……」

 まだ声が、言葉が上手く出てこない。だから俺は行動で示すことにした。柔らかな笑みがなくなってしまっている唇に口づけて、熱く重たく感じる腰を密かに揺らしてみた。

 歓迎の意思は伝わったんだろう。上下に動いた尖った喉から飢えたような音が聞こえてきた時には、薄く開いたままの口に熱い舌を差し入れられていた。しっかりと抱き締められたまま、逞しい腰から突き上げられていた。

「ん、ふぅ……っ」

 尾てい骨から伝わって、頭の上へと突き抜けていくような。鈍く響く重たい衝撃がもたらしたのは、お腹の奥が熱く燃えるような、痺れていくような気持ちよさ。

 でも、その一撃は単なる始まりにしか過ぎなくて。熱い快感に浸る間もなく二回目、三回目と立て続けに叩き込まれていく。

 上下に揺さぶられているように全身が小刻みに揺れている。一撃目の時にすでに呆気なく漏らしてしまっていて、まだはしたなくトロトロとこぼしてしまっている俺のものも、一緒に情けなく揺れてしまっていた。

 その度に、透明な飛沫を撒き散らしてしまっている。硬く勃ったままのハズなのに、ふにゃりとへたってしまっている竿の先端から何度も、何度も。壊れてしまって、ポタポタと水漏れしている蛇口みたいだ。

 望み通りのとびきりな気持ちよさに至り続けている間も、バアルはずっと俺を求めてくれている。腹の奥まで届いてしまっている硬い先端が、奥ばかりをしきりに叩いている。

 とん、とん、とん、と緩やかなリズムで。その度にもたらされ、全身へと広がっていく甘い快感に頭がくらくらしてしまう。目の前が白く明滅している。

 積極的になれたのは最初だけ。すっかり俺はバアルに愛してもらうばかりになってしまっていた。溶け合っているような錯覚を覚えてしまうほどに舌を絡めてもらうのも。俺がバアルのものなんだって全身に刻みつけてもらっているみたいに奥を突いてもらうのも。

 全部が全部受け身で、与えてもらってばっかり。でも、バアルにとってはまだまだ序の口だったらしい。

「ん……んっ、ぁ……バア、う、ぁ……あっ、あ……っ」

 名残惜しそうに離れいってしまった唇が、右の首元に触れてくる。何度か軽やかなリップ音を立てて、俺の反応を窺うように優しく舐めてきて。丁寧に段階を踏んでから硬い牙を甘く立ててきた。

 熱い感覚と一緒に、俺の頭の奥を痺れさせてきた心地よさ。それがさらなる絶頂への引き金になったのだろう。

 彼の律動に合わせて力なく揺れていた足に勝手に力が入る。何かに引っ張られているみたいにピンと伸ばしながら、拳を握るようにつま先を握り込みながら、俺はただただ情けのない声を上げてしまっていた。

 何度開放しても開放した先から下腹部につのっていたもどかしさ。焦りにも似た熱く身を焦がすような衝動からの開放感に浸りながら。

 全身が熱く喚いている。気がつけば俺は縋ってしまっていた。抱き締めてくれている筋肉質な腕に爪を立てんばかりに掴んでしまっていた。きっとお腹の方も、また彼のものを離さんとばかりに締め付けてしまっていたに違いない。

 でも、バアルはまだまだみたい。挿れてくれようとしていた時は余裕がなさそうだったのに。今回もやっぱり一緒には至ってくれなかったみたいだ。

 労ってくれるように俺のお腹を撫でてくれながらも、首を甘く噛むのを止めはしない。俺の中を、その熱い竿で擦り続けるのも。
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