異世界雑貨屋は神のまにまに、

りう。

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異世界雑貨屋

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暗闇から誰かが現れたと思うと、目玉の化け物は悲鳴を上げて消えていく。
暗闇から現れたのは、私と同じ年くらいの男の子だった。
闇に溶け込みそうなほど黒い髪が、さらさらと夜風に揺れている。
男の子は座り込んだ私を見ると、ゆっくりと近寄り、手を差し出した。
「……大丈夫。」
抑揚のない声で、男の子は私にそう聞いた。
不思議なことに、男の子の肌は暗闇に光っていて、そのせいか男の子が何か想像のつかないような存在に思えた。
例えるなら、天使、みたいな。
「あ、ありがとう……。」
私は畏れながらも、その手を握った。



……記憶はここで途切れた




「で、君、これからどうするの?………って、聞いてる?」
椅子に座っている私を呆れた顔で見ているのは、さっきの雑貨屋さんだった。
ぼんやりしていたらしく、私ははっと店主さんの顔を見返した。
「へ?」
「へ?じゃなくて。………まぁ、いいや。それより、あんたに言いたい事がある。」
店主さんはコトリ、と小瓶を置くと立ち上がった。
「さっきも言った通り、ここは今までいた世界とは違う。しかもここと向こうの世界は、簡単には行き来出来ないんだ。」

言いにくいんだけど、と小さな店主さんは言った。
「君、もう帰れないよ。」

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