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休日の予定

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先に、1人で宿に帰ってきた周は、現実逃避するように、ベットに潜り込み眠りにつく。
まるで、これまでの事が、夢になってくれと言わんばかりの行動だ。
後から追いかけてきたレーネが、宿に着いた頃には、周は既に夢の中だった。

「本当に、寝てばかりじゃの~」

周の寝顔を見ながら、レーネは微笑む。
そっと寝ている周に近づき、周の前髪を整える。

「寝ていれば、普通の少年なのじゃがな。戦いとなれば、何故あんなにも、かっこよく見えるのか.......」

出会ったばかりの周を思い出しながら、周の顔を見つめる。

「あの頃は、まだそこまで強くなかったはずなのじゃがら今では、妾よりも強くなってしまったな.......」

ヴェルグェスを圧倒した時の周を、思い出す。
本気を出したレーネが、圧倒されていたのにも関わらず、周は簡単に倒してしまったのだ。
今となっては、力関係は完全に逆転してしまった。
ギルドのメンバーは、まだ出会ってそんなに時間が経っていないはずなのだが、沢山の修羅場を共にくぐってきて、レーネも気づかない、深い絆ができていた。
それは、レーネに限ったことではないだろう。

「だが、妾からすれば、まだまだ子供じゃな」

そう言って、レーネは周の頬に、軽くキスをする。

「これからも一緒だぞ、周.......」

そう言うと、レーネは優しさで、周をそっとしておいてやろうと、部屋を出ようとする。
だが、ドアを開けようとすると、隙間から覗く影が五つ。

「お主ら、見ておったのか.......」

「これは、どう言う事か説明してもらわないとですね~」

風音が、レーネを茶化す。
皆、レーネを睨んでいる。
因みに、リラはたまたま、部屋から出ていたタイミングに、周とレーネが帰って来たのだ。

「やかましい!ただのスキンシップじゃ!」

「へぇー」

「スキンシップで、キスするんですね、レネットさん」

レーネに対して、痛い視線が突き刺さる。

「お主ら、うるさいぞ!そんなに騒いでいると、周が起きてしまうではないか!」

「周は、これぐらいで起きないです!」

周は、1度寝るとなかなか起きないのは、もう周知の事実だった。
レーネは、逃げ場がなくなり困る。
だが、意外な助け舟が襲来する。

「ギルド加入の申請が、終わったぞ!これで晴れて、私も夜明けの転生者達アルバ・リンカーネーションのメンバーという訳だな!」

それは、申請が終わり、猛ダッシュで宿まで帰って来たカルナだった。

「馬鹿者!そんな大声を出すでない!」

カルナの声は、帰ってきた時の周並の大声だった。
流石の周でも、この大きさの音では起きてしまう。

「なんだよー、人が寝てるのに騒ぎやがって」

「なんでもないのだ!今後どうするかの話をしておって、盛り上がってしまったものでな!」

珍しくレーネがテンパっている。

「そうなのか.......、当面は休みにする予定だから、適当にしといてくれ~」

そう言い残すと、再び夢の中に潜り込む周。
それを見て、ほっとするレーネ。

「まあ、そういう事じゃ!妾は、用事を思い出したので、もう行くぞ!」

そう言うと、レーネはどこかにテレポートしてしまう。
当然だが、レーネに用事なんであるはずは無く、この場から逃げる為の口実だ。

「行っちゃいましたねー」

「残念です.......」

「今度、詳しく聞かないとダメみたいね」

「なんの話しをしてるんだ?」

来たばかりのカルナは、話についていけない。
だが、レーネがいなくなってしまった以上、話は進まなくなってしまったので、一旦この話が終わる。

「皆さんは、お休みの間どうするんですか?」

風音が、話が途切れたので、話題を作る。
翠蓮姉妹にとって、こちらの世界に来てから、初めての休暇なので、何をしていいのか、分からないのだろう。

「特に予定は無いわね、サリーとお出掛けるするくらいかしら」

「美咲とお出かけです!」

桜田とサリーは、以前のように出掛けるらしい。

「カルナさんは、どうするんですか?」

「私は、ただ鍛錬に勤しむだけだ!」

だいたい予想はしていたが、ストイックなカルナには、休暇はないようだ。

「リラさんは?」

「私は、武器の研究ですかね.......」

リラは、いつも何かを作っている。
カルナと同じく、ストイックで休みはないようだ。

「お二人共、たまには休んでくださいね!」

風音が、2人を気遣う。
そこで、風音が提案をする。

「よかったら、皆さんでお出かけに行かないですか?!夜ト神先輩抜きで!」

「女子会かしら?」

「そんな感じですね!」

「女子会です?」

「いいんじゃない.......」

こちらの世界の住人には、伝わっていない。
そんなものは、この世界に存在しないようだ。

「まぁ、特に予定は無いしいいんじゃない?」

「美咲が行くなら行くです!」

「ギルドの交流なら、私も参加しよう!」

意外と皆乗り気で、ギルド内での女子会が決定した。
レーネにも、後で風音が、連絡をする手筈になった。
女子会が決まり、その日は解散する。
これから、どれほど休暇が続くか分からないが、皆の心には1つの同じ目的があったのだ。
それは、周と2人でデートに行くことだった。
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